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今回も、救急外来におけるバイタルサインの解釈からお届けします。
Kussmaul呼吸では呼気臭をチェックしよう
呼吸を観察する場合にはそのリズムにも注意する。
代謝性アシドーシスの場合には、Kussmaul呼吸(深くて速い呼吸あるいは深いだけのの速くない呼吸)を認める。糖尿病ケトアシドーシス、尿毒症性アシドーシス、乳酸アシドーシスなどのあらゆる代謝性アシドーシスでKussmaul呼吸が認められる。その鑑別診断では呼気の香りをチェックするとよい。
●アセトン臭はDKA
●尿臭は尿毒症
●肝性口臭は肝性脳症
●嫌気臭は嫌気性菌感染症(口腔内、肺化膿症、膿胸など)
肝性口臭fetor hepaticusは「腐卵+ニンニク臭」といわれるが、ほかにも「dead mouse smell」ともいわれており、これほどの悪臭はないともいわれている。この口臭の主因は硫化メチルが主体であり、アンモニアではにことに注意。アンモニア臭は尿臭となり、尿毒症を考える。
DKA/HHS検査せずに除外できることも
救急患者の迅速血糖測定でたまたま高血糖をみるときがある。このとき糖尿病ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis:DKA)や非ケトン性高浸透圧症候群(non-ketotic hyperosmolar hyperglycemic syndrome:HHS)がないかどうか心配になることがある。もちろん、動脈血ガス(または静脈血ガス)をチェックすることで除外できる。しかしながら、バイタルサインを評価することにより、「検査せずに除外できる」ことがあり、血圧正常で、頻呼吸と頻脈がない血糖400未満で、陰性的中率99%(ほぼ除外)である。
今回は以上です、話変わって、しかしこの間の地震も驚きましたね、マグニチュード8.5だったそうです、そして、地震のイメージがあまりない沖縄でもここのところ毎日地震があります、震度2程度ですが、やはり万が一に備えるべきでしょう、では次回に。
まだまだ好評中、「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」も宜しくお願いします。
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