燃えるフィジカルアセスメント

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口臭で病気の診断

2015-06-01 | 徳田語録

本題の前にこちら、メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」を宜しくお願いします。

 今回も、救急外来におけるバイタルサインの解釈からお届けします。

Kussmaul呼吸では呼気臭をチェックしよう

 呼吸を観察する場合にはそのリズムにも注意する。

 代謝性アシドーシスの場合には、Kussmaul呼吸(深くて速い呼吸あるいは深いだけのの速くない呼吸)を認める。糖尿病ケトアシドーシス、尿毒症性アシドーシス、乳酸アシドーシスなどのあらゆる代謝性アシドーシスでKussmaul呼吸が認められる。その鑑別診断では呼気の香りをチェックするとよい。

●アセトン臭はDKA

●尿臭は尿毒症

●肝性口臭は肝性脳症

●嫌気臭は嫌気性菌感染症(口腔内、肺化膿症、膿胸など)

 肝性口臭fetor hepaticusは「腐卵+ニンニク臭」といわれるが、ほかにも「dead mouse smell」ともいわれており、これほどの悪臭はないともいわれている。この口臭の主因は硫化メチルが主体であり、アンモニアではにことに注意。アンモニア臭は尿臭となり、尿毒症を考える。

DKA/HHS検査せずに除外できることも

 救急患者の迅速血糖測定でたまたま高血糖をみるときがある。このとき糖尿病ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis:DKA)や非ケトン性高浸透圧症候群(non-ketotic hyperosmolar hyperglycemic syndrome:HHS)がないかどうか心配になることがある。もちろん、動脈血ガス(または静脈血ガス)をチェックすることで除外できる。しかしながら、バイタルサインを評価することにより、「検査せずに除外できる」ことがあり、血圧正常で、頻呼吸と頻脈がない血糖400未満で、陰性的中率99%(ほぼ除外)である。

 今回は以上です、話変わって、しかしこの間の地震も驚きましたね、マグニチュード8.5だったそうです、そして、地震のイメージがあまりない沖縄でもここのところ毎日地震があります、震度2程度ですが、やはり万が一に備えるべきでしょう、では次回に。

まだまだ好評中、「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」も宜しくお願いします。

こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ
徳田安春
金原出版

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