燃えるフィジカルアセスメント

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賢く選ぶ(Choosing Wisely)キャンペーンとは?

2015-06-03 | 徳田語録

 今回から新しいシリーズをお送りします。

 米国の専門医認証機構(ABIM Foundation:米国内科専門医認定機構)が、この「賢く選ぶ(Choosing Wisely)」のキャンペーン活動を呼びかけました。いまは17カ国に拡大し活発な活動が行われています。

 患者と医療者が検査や治療内容のよりよい選択ができるようなコミュニケーションを促進するための活動です。ポイントはどのようなケアがよいかについてエビデンスをベースにしている、科学的に判断して不必要な検査や手術は行わない、害がないこと、必要性を十分に考慮することなどを踏まえて、正しいケアを正しいタイミングで行うとした点です。

 2002年に「新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズム:医師憲章」を作ったABIM Foundationは、プロフェッショナリズムの具体的な社会貢献としてこのキャンペーンを企画したと述べています。

 賢く選ぶ(Choosing Wisely)でのメッセージはそれぞれ「5つのリスト」と呼ばれ、各学会が5項目ずつリストアップしています。これらを実行することで、50億ドル(約5200億円)の医療費が削減できると試算しています。ガイドライン、エビデンス、専門家の意見をもとに注意深く選択した内容を「5つのリスト」では挙げています。

 米国ではこれまでにすでに70学会以上が「5つのリスト」をアップし、カナダでも45学会がアップしているという状況です。以下にそのリンクを貼ります。

米国

http://www.choosingwisely.org/

カナダ

http://www.choosingwiselycanada.org/

 注目すべきことは、医療提供者だけでなく、医療の受け手である消費者団体も加わってこのような作業を行っていることです。患者サイドにもこのような情報が伝わることを目指しています。米国ではConsumer reports 誌が参加しています。このような活動のうえに世界的に普及しつつあるというのが Choosing Wisely キャンペーンの現状です。

 今回は以上です、話変わって、錦織選手は残念でした、全仏オープンで相手はホームでしたし、風が相手の見方をしていたようですね、まあまだまだこれからです、頑張って下さい、では次回に。

こちら注文殺到!「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」も宜しくお願いします。

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