若手医師と接する機会が少なくないのですが、皆、危機感を持っています。
国家財政の厳しい状況を憂い、超高齢化社会に向けて、医療が崩壊するのではないかと心配しています。
団塊世代が後期高齢者になる2025年、さらにその先の医療を担う若手医師には、日本の医療がはたして持続可能かどうかは深刻な問題です。
私がChoosingWiselyの考えを若手医師たちに説明すると、賛同してくれます。
このキャンペーンは、日本に入って来るときに、一部で間違った伝えられ方がされたために、「医療否定」と受け取られているようです。
しかし、まったくの誤解です。
ChoosingWiselyはEBM(エビデンス・ベースト・メディスン)の話であり、どちらかと言うと医療の肯定であり、価値の高い医療を評価して推進しようというものです。
13年末から、私が世話人を務める総合診療指導医の勉強会「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が、日本版の過剰診療リストを作成し、ChoosingWiselyキャンペーンの普及に取り組んでいます。
私たちは、米国の小児科、産婦人科、心臓病学会などの主要学会がまとめた提言を検証し、日本の現状にあったリスト(=表=)をまとめました。
=表=
「不必要な尿道カテーテルは使わない」というのは、尿道カテーテルは手術の際や入院時などに尿道口に装着しますが、現場の人手が足りず、患者のトイレへの付き添いができなかったり、オムツ交換の手間を省くためといった医療提供側の都合で装着されるケースもあります。
尿道カテーテルの装着は、院内感染の原因にもなり、体力が落ちている患者が死亡することもありますので、慎重に対応すべきなのです。
価値の高い医療かどうかは主に、▽エビデンスに裏付けられているか▽すでに実施された検査や手術などの治療の繰り返しはないか▽害はないか▽本当に必要かーの4つがポイントになります。
過剰医療は、人間ドックやがん検診といった予防医療に限らず、一般診療にも存在します。
日本版の過剰診療リストにある「自然に治る腹痛に、必ずCT検査をするのはやめよう」がそうです。
この提言は、日本を含めた17カ国の専門家による国際会議で採択された10の提言(=表=)にも入っています。
=表=
この10の提言にある「風邪に必ず抗生物質を投与するのはやめよう」は、ウイルス性の風邪には抗生物質は無意味で、抗生物質をむやみに処方すれば、耐性菌の発生につながりかねません。
風邪に抗生物質は効きませんし、副作用のリスクがあることも知っていただきたいのです。
写真:南城市の海岸
これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。
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