今回も引き続き徳田語録です、どうぞ
損失は大きいが、起こる確率がごく低いリスクへの対応
患者さんにリスクを伝えることに関しては、数学的に計算上で示されたリスクを理解していない人がけっこう多いようです。フレーミング効果といって、同じことを別の言葉で表現するとちゃんと理解できます。リスクコミュニケーションのやり方を工夫することによって、医師と患者さん、ご家族も含めて情報を共有して、お互いの理解を深めて同意したほうが、本当に安心できるでしょう。信頼関係がないとイベントが起こった時も法的なことでかなり negative な結果が起こるようです。
説明の仕方としては、確率でいうと理解できない方が多いようですから、数字を簡単な整数に置き換えるのがよいでしょう。例えば、「この薬を飲んだら、その相対リスクは50%下がります」と言うと、相対リスクのなかにベースラインのリスクが入ってないからわかりにくい。一度計算し直してみると、絶対リスクは2%がベースラインで、絶対リスク reduction が1%。それを、「100人中2人は、この薬を飲まなかったらこの病気が起こりますが、この薬を飲んだら100人中1人がこの病気が起こると言われていますが、飲みますか」と言い換えたほうがよくわかります。
めったに起こらないですが、起こってしまうと大きいリスクは、utility に確率をかけるというような医療安全の考え方からすると、リスク値はそこそこ高いわけですから無視できないのです。それはマネジメントの分野と重なりますが、probability は低くても、negative な utility が高い事象に関しては、起こった場合どうするかをきちんと考える必要があります。
今回は以上です、話は変わりますが、また雪が降りましたね、慣れた方はそうでもないですけど、雪に慣れていない人は、寒いからといってズボンや上着のポケットに手を入れて歩く人をたまに見掛けますが、あれ危ないですよ、転倒して手で受身が取れなくて、頭を打ち、最悪亡くなる方もいるそうです、面倒くさがらずに手袋をして下さい、では次回に。