「杉浦日向子の江戸塾」 (PHP文庫)からの受け売り。
江戸版 いい亭主の条件とは、
1. 朝ごはんの支度をするのが亭主の鑑
2. おっかあを起こして、ご飯を食べさせ、亭主は働きに行く
3. その後、おっかあは、刺身で一杯
4. 亭主は、さらにマッサージ・育児など上手であること
あらゆることに、江戸は女性上位の世界であったらしい。
江戸の「おっかあ」は、
「山ノ神」「かかあ大明神」、
床の間に飾っておくような縁起物だったそうである。
夫婦喧嘩のときは、わけも聞かれずに、
「てめえ、なんでかみさんにふくれ面をさせるんだ!」
と亭主が周りから怒られる。
たとえおっかあの浮気といえど亭主がいけないことになる。
どんなときでも、あくまで責められるのは男。
江戸は、極めて女性が少なかったことと、
女性が経済的にも精神的にも自立していたようである。
男は、食べることさえ保障すれば、
あとはなにをしても構わないようであった。
反面、養育費・医療費・その他全ての生活費(着物・髪飾り・化粧・・・)は、全て女性負担。
専業主婦はほとんどいない、ほぼ全員が、
サービス業(行商・洗い張り・縫い物・子守・女中奉公・・・)を中心とする、
なんらかの職業を持っていたという。
DINKS(ダブル・インカム・ノー・キッヅ)と現代と非常によく似た世界のようであった。
やれやれ、こんな江戸に生まれなくてよかったと、
しみじみ思うのである。