早坂暁(はやさか あきら、男性、1929年8月11日 - 本名は富田祥資[トミタ・ヨシスケ]小説家、脚本家、愛媛県松山市生まれ)
氏は、千本以上の映画やドラマの脚本、小説を手がけ、人間をテーマにした独自の作風を築いたドキュメンタリーや舞台脚本、演出も手がけている方である。
代表作は『夢千代日記』『花へんろ』『天下御免』『ダウンタウン・ヒーローズ』『華日記』『戦艦大和日記』などである。
この方がラジオで面白いことをおっしゃっていたので書くことにした。
同氏は、以前二つの大病をなさったとき、「これきり」症候群に罹り、全てのことがどれも人生最後のこれきりのことと捉えてしまい、このストレスのため著しい衰弱をきたしたのだそうである。
この「これきり」症候群対策として「死んだら死んだで生きていく」とでもいうのであろうか、生前葬を行われたのだそうである。
生前葬の最大のメリットは、香典が数倍になったこと。その訳は、ご本人が現役であるため出席者が多かったことに加えて、包まれる香典額も本人に筒抜けのため数倍になったためだった。
その上、香典を本人が自由に使えるという点で、これまた大変なメリットであったろう。
なお、香典返しとして、収入や反響・評判を重点に仕事を請けていたのをやめ「バトンタッチの仕事」のみ引き受けることにしたという。 このバトンタッチの仕事というのが具体的になんなのか、今後の氏の活動に関心を持っておこうと思っている。
さてさて、生前葬に出席した人達はどんな風に思ったのだろうか、弔辞を読まされる人などさぞかし迷惑なことだったろうと同情を禁じえないのである。
小生などがこのまねをして生前葬など行おうとしたら、周りから袋叩きにあいそうである。
昨日、ようやくのこと大評判の「おくりびと」ノDVDをレンタルショップで借り見ることができた。家内の葬儀の折お世話になったので、まさに映画の心をとてもよく理解できた。
この種の経験が少ない若い人たちに、この映画の心を理解するのは少し難しいかなと思ったのであった。
おくりびととは、現世から門を経て来世へと送り届ける助けをする人であると理解した。生前葬をしたとしても、行き着くところ、おくりびとのお世話になる必要があるようである。