この言葉がわかる人は高年齢ではなかろうか。小生も昭和17年生まれである、それゆえ幼児の耳にも入ったのだろうが、この放送を聞いたという記憶は定かでないというよりないと断言してよいのである。
(後にドラマなどでその放送を聞いた記憶があるのみである)
隣国の人工衛星打ち上げの情報は、まさに現在の大本営発表であった。
情報源が唯一であることから、誤りがあろうが作為的に捻じ曲げられていようが、我々一般国民には100%正しい情報となってしまう。
極限られた僅かの時間内に情報を発信しなくてはならないという困難な状況であっためだろう、早とちりも発生して混乱を生じたと聞いている。正確な情報を発信・伝達することが如何に難しいかの典型的な例であった。
しかし、この種の裏の取りようのない緊急情報の恐ろしさを感じた一日でもあった。
平成14年12月号の文芸春秋に、某党のD党首が日本人の拉致事件に対する党の対応が不十分だったと謝罪したことに関しての阿川弘之氏の掲載文を、このようなことから思い出した。
それまで「拉致は創作された事件」という論文を同党のホームページで公開し続けていたのであった。某国の総書記長が拉致の事実を認めたことで起こった謝罪劇であった。
自らの主義主張に都合の悪いことはとことんほうかむりし、土壇場にいたってついに謝罪したのだった。
今回も打ち上げに対する抗議に不思議な感じがするのが某野党の対応である。いったいどこの国の政党なのかと言いたくなる、後で謝罪だけですめばいいのだが・・・。
各政党の政治思想を否定するものではないが、凝り固まった主義主張で真実を捻じ曲げないようにはできないものだろうか。