丹沢秘密倶楽部

日々の記録、思いついたこと、昔話など。最近は、俳句のこと。
俳句は読み中心で、なかなか詠めない。

予選通過

2020-03-17 14:03:01 | 俳句

「俳句αあるふぁ」春号に投稿しておいた句が予選通過欄に載っていました。

春や昔画紙の社名に迎えらる

五十年前の上野駅の一コマです。

 

前日、夜行列車に乗って、朝上野駅に着きました。

会社名を書いた画用紙を持った若手社員がプラットホームに迎えに来てくれていたのです。

周りを見ると、同じように会社名を書いた画用紙を持った人がたくさんいました。

 

しかし、俳句的には「回想の句は弱い」らしい。

確かに、作者は五十年前に戻っていますが、読む人は、さて?というところでしょうか。

 

春や昔十五万石の城下かな         子規

正岡子規が、明治二十八年、日清戦争の従軍記者として出発前に、生まれ故郷の四国松山で詠んだ句です。

子規は江戸最末期、慶応三年松山藩士の家に生まれた人です。「十五万石に自分も連なっていたのだな」と詠んだのです。

        

近頃お気に入りの一句

石段のはじめは地べた秋祭         三橋敏雄

 

「戦中派」という言い方がありました。ご本人が「戦中派」と称したかどうかわかりませんが、次のような強烈な句があります。

出征ぞ子供ら犬は歓べり

いっせいに柱の燃ゆる都かな

手をあげて此世の友は来たりけり

           

菜の花に汐さし上る小川かな        河東碧梧桐

門を出て五六歩ありく春の風

コメント
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