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自転車作り(その6) / 自転車は遅れているか ?

2013-07-30 23:08:31 | 日記


元々の計画では、生きていれば 88歳を迎えた筈の、母の誕生日に合わせて帰省するのに合わせて、自転車の完成目標を定めていたのですが、フレームの塗装が長引いたのが理由でまだ完成していません。



でも、「 自転車は遅れているか? 」は、オートバイとメカニズム(機構)面で比較すると意外に興味深い事があるので、それを簡単にまとめてみました。


【 自転車は進んでいる? 遅れている? 】

自転車のメカニズムや材質面で、オートバイと比較して一番進んでいる点と言えば“フレーム”でしょう。

★ フレーム 編 ★

自転車のフレームは、長い期間に亘って鉄(クロムモリブデン鋼)が最上の材質でした。
しかし、1970年代に アルミやカーボン素材によるフレームが生み出されてから、徐々にそれらのシェアが伸びてきて、ロードスポーツ車を見れば、2000年代にはアルミフレームが主流となり、2010年代には カーボンフレームが主流に代わっています。

では、オートバイはどうかと言えば、自転車と同様に鉄フレームの時代が近年まで続き、1990年代にはレーサーレプリカ車はアルミフレームが主流になりましたが、未だにカーボンフレーム車は販売されていません。

単純に、アルミよりもカーボンが優れているとは言えませんが、その剛性バランスを自由に設計でき、軽量でデザイン性にも富んでいる事は間違い無く、それに接する機会に恵まれているのは自転車乗りの方です。

自動車の世界に目を移せば、オートバイよりも進んでいると言えます。
自動車の場合にも、アルミフレーム(シャシー)の車両が意外に多く、その上、大変に高額ですが カーボンフレーム(シャシー)の車両も多く販売されていますが、オートバイの場合には殆ど無いのです。

そう! フレームの材質面では、オートバイが一番遅れているのかも知れません。
でも、自転車のタイヤは随分と遅れているのです。


★ タイヤ 編 ★

人類の歴史で、車輪の発明は古く、紀元前 3700年には誕生していたと言われています。
しかし、衝撃を和らげて安定性を高めてくれる“空気入りタイヤ”の発明は、1888年になってからでした。
それから、様々な技術革新や戦争などの需要に応えて、1940年代には チューブレスタイヤ(チューブを使わないタイヤ)や ラジアルタイヤが実用化されており、オートバイに限らず自動車の場合にも、今や “チューブレス”で“ラジアル(構造)”のタイヤが主流であり一般的です。

しかし、どういう訳か、自転車は大変に遅れています。
“チューブレス”のシェアは大変に低くて、タイヤやそれを装着するホイールの販売は多くありません。
実は、ロードバイクの殆どは チューブ付きタイヤ(クリンチャーと云います)を装着している上、レーサーなど一部では“チューブラー”タイヤ と言う、19世紀に空気入りタイヤが発明された当時の構造そのまま、トレッド面を付けたチューブが愛用されている程なのです。

* * *

自転車とオートバイと比較してみたのですが、フレームとタイヤを較べただけで、結構意外な結果で驚く人も少なくないでしょう。

一般的には、自転車は先進的な技術は使われていないと思われがちですが、人間の脚力という限られた“力”を活かすために、他では実用化が遅れている技術が当たり前に使われたりすのです。

ただ、そういう先進性を十分に理解している 自転車愛好家・ライダー達なのに、他の分野では当たり前のメンテナンスや技術理解の面で後れている点も多々あったりして、書くネタは尽きません。
また機会を見つけて、そんなメンテナンスや技術面の常識や理解のギャップを書きますね。


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