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ポルシェ 特許出願の 6ストローク・エンジン / Porsche patents six-stroke engine

2024-09-21 07:20:13 | 日記


ポルシェが特許出願した「6ストローク エンジン」が、一部の人々の間で話題になっています。しかし、同社が正式に発表した資料で知られたのではなく、恐らく、出願してから 18ヶ月が経過して、特許公開期間に入ったからでしょう。
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出願時に提出された資料の一部が入手できましたので、改めて考察をしてみたいと思います。
 


最初に注目したのは ストロークの長さです。 120㎜ 近くもあり、同社の SUV「マカン」の 3リッター V6エンジン のストローク が 69㎜ である事を考えても長い事です。ただ、単気筒の試験用エンジンを製作して試験を行なっている可能性もあります。
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次に注目したのは、独特の機構でストローク長を変化させているのですが、上死点と下死点ともに、それぞれ約 20㎜ 近く伸びている点です。 クランク角 0度 から吸気を始めて、180度から 圧縮行程にはいりますが、そこからストローク長が伸びるので、吸気を始めた際の上死点を超えて更に圧縮して、約360度 で点火・爆発となっています。
そして、ここから 最も長い膨張行程に入ります。ここだけに注目すると、エンジンの熱効率を追求する “アトキンソンサイクル” が想起されます。 つまり、高効率を追求した開発が顔を出しているのです。

そして、540度では、下死点が 約 20mm 下がり、シリンダー壁面に設けられた「掃気ポート」から新気の導入と燃焼ガスの排気を同時に進めます。ここが 2ストロークエンジンと同じ仕組みで、720度 で点火・爆発 となのですが、ここにも 熱効率を高める仕組みが入っていそうです。 つまり、新気導入の際、シリンダーヘッドの排気バルブを閉じるのを遅らせて、実質的な圧縮行程を短くして、点火・爆発の次に続く 膨張行程(ここでは 短ストロークに切り替わっています)を 圧縮行程と比較して長くしている可能性があります。これも、アトキソンサイクルの考え方の応用で、熱効率を高めるのに役立つでしょう。
 
以上の特徴から、この特許は高回転・高出力 という目的で開発されているのではなく、内燃機関の熱効率を高める事を目的としていると思われます。応用範囲としては、ガソリン以外の代替燃料を用いた 発電用内燃機、例えば 電動の大型船舶の発電ユニットなど、脱炭素による地球温暖化対策で あらゆる乗り物が電動化へと進む中で、貴重な内燃機としての勝呂を切り開くのかも知れません。 或いは、膨張するクラウドシステムにより電力需要は高まる一方の現代で、社会インフラ・電力網を支える スマートグリッドに寄与できる可能性もありそうです。 

The most distinctive feature of the six-stroke engine for which Porsche has applied for a patent is that the stroke of the pistons is changed by a special mechanism. It is believed that Porsche is pursuing the possibility of significantly improving thermal efficiency by taking advantage of the feature that the top and bottom dead centers of the pistons change significantly over the course of three revolutions of the crankshaft. As for future uses, it is believed that the engine will not only be used as a high-revving, high-output sports car engine, but that as all vehicles, including not only automobiles but also airplanes and ships, are moving toward electrification, it is believed that the engine will be used as a valuable power generation unit that takes advantage of the unique characteristics of internal combustion engines.





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動画編集を再開、しかし ・・ / I have resumed video editing, but...

2024-07-08 23:06:41 | 日記

    
極度の体調不良から、少しずつ回復してきましたので、最近、動画編集を再開しましたが、思ったように作業は進みません。

I've been slowly recovering from my extreme illness, so I've recently started editing videos again, but things aren't going as well as I'd hoped.

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記録を確認すると、2022年、約2年前で動画の作成は止まっていました。それ以前からかなりハードな作業を自分自身に課し続けて、徐々に息切れを感じ始めていた頃です。2023年になり、事務局(住居)移転計画に注力していた頃、心不全で入院する程になり、7月に引越しはしたものの、定期的に発作は続くため、完全に療養モードに切り替えざるを得ず、最近になり、少しずつ PC作業を増やしていく中、動画編集再開に挑戦したのですが ...失敗だらけです。
 
屋外での路面清掃活動は身体にとってはストレスで、体調不良や発作の原因になりますが、PC作業も 意外に大きなストレスになっている事を発見しました。特に、記事や解説図作成など、創造的作業が連日続くと、耐える「耐力」が不足していて、身体の症状に表われるのに手を焼いています。 でも、回復させる楽しみは覚えてきたので、身長に、ストレスにならない様に、少しずつ作業量を増やして、やっと動画編集まで辿り着いたのです。 が、やってしまいました。 失敗してしまいました。2本の動画編集を同時に進めていたのですが、片方の動画を保存の際、誤って残りの片方に “上書き” 保存してしまったのです。 はい!、苦心して進めた編集作業の成果が消えてしまいました。

これも教訓ですね。能力ギリギリで作業をする時は、リスクへのケアが必要です。
今は、消えてしまった編集動画を悔やむ事なく、前回以上に良い動画を目指して、体調の良い時に作業を行なっています。
どうぞ、乞うご期待です。
 

 


In 2023, when I was focusing on planning the relocation of the office, I was in such a bad condition that I was hospitalized with heart failure. Although I moved in July, I continued to have regular attacks, so I switched to a complete recuperation mode. Recently, as I gradually increased my PC work, I tried to resume video editing, but I failed a lot.

Outdoor street cleaning activities are stressful for the body and cause poor health and attacks, but I discovered that PC work is also a surprisingly big stress. In particular, when creative work such as writing articles and explanatory diagrams continues day after day, I lack the "endurance" to endure, and I am having trouble with the physical symptoms. However, I have learned the fun of recovering, so I gradually increased the amount of work so as not to stress myself, and finally made it to video editing. But I did it. I failed. I was editing two videos at the same time, and when saving one video, I accidentally "overwrote" the other one. Yes! The results of my painstaking editing work have disappeared.

This is also a lesson to be learned. When working at the edge of your capabilities, you need to be mindful of the risks. Now, without regretting the lost edited video, I am working on it when I'm feeling better, aiming to make an even better video than the last time.
Please look forward to it.



































ダンパーに惹かれて、マスタングGTD / Mustang GTD, Attracted by the Damper

2024-06-08 20:16:47 | 日記


source : Motor Trend 
 
フォードムスタングの話題ですが、特にこの車に興味があるのではなく、そのダンパーを含めたサスペンションの構成にとても興味が惹かれたので、ここに共有します。何しろ、高い性能を誇る マルチ マチック社製のダンパーが 本来の性能を充分に発揮できるよに、特別に設計された サスペンション用メンバー(フレーム)に装着されているからです。
 
I am not interested in the Ford Mustang in particular, but rather in its suspension configuration, including the dampers, which is why I am sharing it here. The suspension frame is specially designed to allow the high performance of the Multimatic dampers to fully demonstrate their true potential.
 


マルチ マチック 社製のダンパーは、特にモータースポーツの世界では圧倒的に高い信頼とシェアを誇っていて、F1 車両の多くや、日本の スーパーGT選手権の 500クラスでは全車が装備している事からも明らかです。


この ムスタング GTDは 限定生産・販売される車両で、フォード社のプレスティッヂを高める目的で、スパフランコルシャン サーキットでのタイムトライアル や グッドウッドのフェスティバルなどに参加するのが主目的で企画された、サーキット専用車の公道用モデルとして販売される様です。

サスペンション構成は、ホイールストロー駆に対してより多くのストロークを得て高精度なダンピングを発揮させる為と、メンバーの剛性を高める目的で、シングルシーターを始めとするレース車両で一般滝な、ダンパーを車体左右方向へ斜め方向に配置して、プッシュロッドを介したリンクを通じて作動させる方式を採っています。
 


また、電子制御でダンピングを ミリ秒単位でコントロールしているのは当然として、ロード用とトラック(サーキット)用の両方に対応する為、二つのレートが異なるスプリングを配置して、トラックでは 一方のスプリングをダンパー上で圧縮させて、スプリングレートを一気に高めると同時に 車高も下げるシステムが装着されている点です。これは マルチマチック社製の製品として今まで知られていなかったシステムですが、数年後には、マルチマチック社や他の有力なメーカーでも採用して市販するシステムになると 思われます。(特許の問題が鳴ければ)


話は一気に変わって、最近のオートバイのリアサスペンションで良く採用されている方式ですが、ダンパー・コイルユニットを 前方へ大きく傾けて配置して、リンクを介して作動させる方式も このムスタングが採用している方式と似ていて、特にオートバイの場合は ストロークに応じて機構的にプログレッシブにレートを高めていますが、実は、一定の効果はありますが、リンク部の設計や素材、そしてメインテナンスが影響して、却って動作が悪くなっている例を多く感じています。 僕のトライアンフもリンクを介していますが、実際には、リンク部に特別な処置やメインテナンスを重ねた状態でも、リンクを介していない ヤマハ R6.やFZ6系の方が スムーズな作動性と高い操縦性でとても気に入っていた程です。  
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【 Motor Trend 】

https://www.motortrend.com/features/2025-ford-mustang-gtd-trick-suspension-damper-window-design/?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR2e5JCnhUQUMYQooKf8_psbL-cwQwVjI6cO4EZws-B2aoEVNgXnxxeM7WE_aem_AXrZpoJR-vAPr2ygin1sDmHTX7tL38ZSS5MUVVB5ptfI6o1mO5hyq97X4-1lkfP0j7dyekiBRsEEQPepZLA1BcCp



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1年前の目標イメージ / Goal Image from 1 Year ago

2024-04-09 16:08:45 | 日記

   
ちょうど 1年前、引越し先をこんなイメージで探していました。
想定外で、病気になってしまいましたが、
道路環境や建物は、お蔭様で、ほぼイメージ通りになりました。
後は、体調を回復させ、この環境を活かすだけですね。
 


Just a year ago, I was looking for a place to move to with this image in mind.
I ended up getting sick unexpectedly, but thanks to you, the road environment and buildings turned out almost as I had imagined.
Now all I have to do is recover my health and take advantage of this environment.







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電気式アクティブサスペンションが拓く未来

2024-01-10 19:04:02 | 日記

MotorTrend 伝、https://www.motortrend.com/events/marelli-active-electro-mechanical-suspension-ces-2024/?sm_id=organic%3Asm_id%3Atend%3Agen%3A20%3Ana%3Ascl_shr_icn%3Aedtr%3Amtd&fbclid=IwAR0OOW0dGbQ11vPA1Xf1Vomcpr60bZpbxkqyS4V2WR3SWQG_nJ0_3v-wmPk


イタリアブランドの有名電気機材メーカー Marelli(マレリ)が提案、電気式アクティブサスペンション 用のユニットを発表しています。これは、F1 界でもそうだった様に、市販車でも革新的な装置として主流になる可能性があります。

 


現在、米国で開催中の世界最大の見本市・CES2024 で発表された製品で、従来のオイル式のダンパーユニットに代わる、モーター制御のダンパーユニットです。走行中の速度やホイール回転速度、ブレーキ操作や舵角、路面の起伏の状態などを検知して、電子制御式のオイル式ダンパーの場合よりも、ミリ秒単位で ホイールストローク位置を最適に保つ制御が可能になり、乗り心地だけでなく、ロードホールディング性能を向上させ、タイヤ摩耗と燃料消費を抑え、環境性能を向上させる事が期待できます。また、内臓モーターで制御を行なう為、その際に、ホイールの上下動エネルギーを電気エネルギーとして回生できるため、今後の EV(電動車)に最適な機構となるでしょう。

 

                    * * * *


〇 Marelli は、かつて F1 のフェラーリなどへ電気部品を提供していたので多くの人が目にしているでしょう。現在は、2019年以降、日本(さいたま市)に本社がある カルソニックカンセイ と経営統合されています。なお、カルソニックカンセイは、ラジエーターなどの自動車部品メーカーで、レース界でホシノレーシングに協賛して名前を覚えた人も多いでしょう。


〇 「アクティブ サスペンション」とは、F1 で ロータス 78がグランデエフェクト を利用したダウンフォースて圧倒的な成績を収めて以来、路面と車体底部との感覚を一定に保つ事が重要となっていき、1992年、ウィアムズ が FW14 で電子制御方式の油圧式ダンパーユニットを搭載し、N・マンジェルの操縦で圧倒的な成績を収め続けた事で有名です。ただ、最適な制御を行なう為には、走行するサーキットの走行路面や縁石の起伏、購買などを事前に精密に計測を行ない、そのデータを元に制御を行なうど、チーム財力やデータ収集能力の違いが遠因となり、1994年以降は禁止となりました。

〇 電動車で、ホイールを駆動するモーターがホイール内部に収まる「インホイールモーター」との相性が良い事も特徴です。四つのホイール別に最適な駆動力配分がミリ秒単位で制御可能な「インホイールモーター」であれば、ストローク位置も同様に制御を行なう事で、更に優れた性能を発揮する事が期待出来ます。その組合せが二輪車、それも前輪も駆動するオートバイで実現できれば、現在では考えられない走行性能を発揮するでしょう。



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