【 感染拡大の “波”、ピーク間近か? 】
世界的な “デルタ株” 感染の勢いは衰えず、全世界での毎日 60万人以上の新規感染者が報告される程、深刻な状態が続いています。
ただ、その勢いの伸びに鈍化が見られ、過去の “波” と同様に、8月末頃には感染拡大の勢いが止まる動きを見せています。とは言え、世界的にはワクチン接種は充分に行き渡らず、重症者や死亡する人は増え続けるので、引き続き対処は重要です。
New infection case transition table by country and day
【 地域によって異なる傾向 】
< 欧州 / Europe >
英国やアイルランド、フランス、スペインなどの諸国は、既にウィルスとの共存生活へとスタートを切っています。昨年、ロックダウンを強いられた当時よりずっと多くの新規感染者数を記録していますが、ロックダウンによる生活や経済への悪影響を体験している事と、一定度以上のワクチン接種が進んでいる事がその選択の理由でしょう。
ただ、東欧では多少異なる状況が見えます、特に中央アジアになる、ジョージアやカザフスタン、アゼルバイジャンなどの諸国では感染拡大の勢いが止まらず、バルカン半島のコソボやモンテネグロと併せて、世界最悪レベルの感染が続くと推察されます。
< アフリカ / Africa >
常に感染危機が懸念される大陸ですが、数字上は抑制へと向かっています。6月以降、北部のリビアやチュニジア、南部の南アフリカやナミビアなどで一気の感染拡大を記録していましたが、現在は西欧諸国並みの【感染密度】(人口あたりの新規感染者数)へと抑制されています。が、医療体制やワクチン接種率の違いから、実際の実状は比べられません。
< アジア / Asia >
西アジアで最も懸念される国はイスラエルです。昨年末、他国に先駆けてワクチン接種を積極的に進め、一旦は抑制に成功したが、7月以降、“デルタ株” の影響で感染拡大は続いています。その対策として、同国は “追加接種政策” を最も早く打ち出して進めていますが、未だに最悪レベルを脱していません。
続いて、懸念される国々は マレーシアとモンゴル、そしてイラン です。どの国も高い感染率が続いており、ワクチン接種を含めて世界的な人道的支援が必要と思われます。
< 大洋州 / Oceania >
この地域で最も懸念される国はフィジーです。6月から始まった感染拡大は、7月、世界最悪レベルが一月以上続きましたが、最近になって徐々に抑制されつつあります。しかし、それでも【感染密度】は英国やフランスなど西欧諸国の倍以上を示しており、更に注目と支援は必要です。
一方、この地域の大国、オーストラリア と ニュージーランドは、“デルタ株” 感染が広がりを見せて、両国共にに厳しいロックダウンの処置を採りましたが、世界的に見て、人口あたりの新規感染者数はとても低く、西欧諸国の対処方針とはかなり大きな違いを示しています。
< 北米 / Northern America >
米国は、西欧諸国と同様に、ウイルスと共存して生活と経済を守る政策へと軸足を移している様に見えます。米国政府やCDCは、以前と同様にワクチン接種や感染対策を呼び掛けていますが、昨年 5~6月期の様な混乱は見せていません。
一方、カナダは米国との国境管理をより厳格に進めた効果があったのか、米国の様な新規感染者数の増加はありません。【感染密度】(人口あたりの新規感染者数)は日本に近く、西欧諸国より低く抑えており、一つの模範となる国に思えます。
< 中米 / Central America、Caribbean >
メキシコは、米国との国境管理が効果を挙げているのか、米国の感染拡大の影響を受けていないようです。しかし、キューバは 6月以降、“デルタ株” による感染拡大の波は一向に収まらず、2ヶ月以上、世界最悪な状況が続いています。そして、その “波” の影響か、セントクリストファー・ネビスが最悪レベルの【感染密度】を記録し続けています。キューバと併せて、この両国への支援が早急に求められます。
< 南米 / Southern America >
5月以降、ウルグアイやアルゼンチン、スリナムで “ラムダ株” の関与が疑われる感染拡大が続き、南米大陸全体がウイルスで燃え尽くされる様な勢いでしたが、7月以降は徐々に収まってきています。
なお、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
#COVID19
https://gra-npo.org