いよいよ、連休 が始まった様子ですね。
二連休、三連休に留まらず、人によっては 十連休を取得した人も少なくない
様子です。
昨晩、いつもの週末よりも、ビル内のオフィスの灯が消える時刻が随分と早かった事からもそれは窺えました。
しかし、福島第一原子力発電所で作業を行なっている “彼ら” にとっては、 連休はもはや無関係な存在でしょう。
【 日々、着実に進行している作業の陰で・・ 】
3月11日、太平洋に面した施設の中に居て、大地震に続く巨大な津波による被害を免れた“彼ら”ですが、続いて発生した “事故”のために 長期間に亘り劣悪・過酷な環境の中で 重い責任の作業を強いられています。
そして、“彼ら”のお陰によって、着実に 放射性物質の漏えい防止と 原子炉の安定化の作業が進んでいる様子も連日報道されていて、とても嬉しい限りです。
しかし、同時に、“彼ら”の ストレスや健康へのリスクも進んでいるとの発表が
あり、その発表の中で大変に気掛かりな点が 一つあったのです。
それは、4重のストレスの一つとして、[ 加害者 ] としてのストレスが挙げられている事です。
(4/22付け 産経ニュースより ・ 原発作業員を襲う4重のストレス )
果たして、“彼ら”は [ 加害者 ]なのでしょうか。
【 流された “重油タンク”の場合は ・ ・ ・ 】
東日本大地震による大津波は、 500kmを超す沿岸地区に被害を与えました。
気仙沼を始めとした臨海地域にあった 重油タンクなど石油貯蔵・加工施設は
大きな被害を受け、それらのタンクが 津波によって内陸部へと運ばれ破損していく様子は、大きな衝撃を受けた報道映像の一つでした。
そして、それらのタンクから漏れ出た 重油などによって、広範囲な地域が火災に見舞われ、広大な地域が燃えるままに委ねられてしまったのですが、この火災に対しての補償問題は一向に報道されていません。
それは当然な事でしょう。
国の基準に沿って建設・管理された 石油施設が、想定外の “天災” によって
破損したのですから。それによって広大な面積の火災を招いたとしても、それに
よって避難場所を失い亡くなった方が居たとしても、石油施設管理者に大きな落ち度があったとは言えないからです。
では、石油施設以上に国の基準や管理が厳しいと判断される原子力発電所の事故の場合はどうなのでしょうか。
過去のレベル以上の天災に対処した施設基準でしたが、それを遥かに上回る
規模の津波によって、予備の発電施設が破損した為に発生した事故なのです。
確かに、国の経済に大きな損失を今も与え続けている事故ですが、重油タンクの
場合とは異なり一人の生命も奪っていないの事は明らかなのです。
「原子力」 や 「放射性物質」 に対して感情的になる傾向は理解できますが、事実は事実として 冷静に受け止め判断する事が大切なのです。
【 “彼ら”こそ、被害者なのです 】
[ 天災 ] とは人の意思とは無関係に発生する事象で、[ 事故 ] とは人の意図に関係無く発生する事象であり、今回の福島原発の件も基本的にはこれらの範囲内で考えるべき事象です。
しかし私は、福島原発を巡る感情的な対応によって、[ 事件 ]という不幸な結果を招く恐れを感じています。
[ 事件 ]とは、不特定多数の人の感情的意見によって、“彼ら”の 健康や生命の安全が大きく損なわれてしまう事を指しています。
歴史上の混乱期において、不特定多数の感情的な“民意”によって、特定の方々が迫害され生命を奪われる [ 事件 ] は決して珍しい事ではありません。
しかし、[ 事件 ]は 防ぐべき事象・事案 とするべきなのです。
既に述べてきたように、福島第一原子力発電所で 日々の作業に打ち込んでいる “彼ら” は決して [ 加害者 ]ではありません。
むしろ、最も過酷な 放射性物質レベル環境の中、健康や生命の危険に脅かされながらも、日本の未来を守るという重大な責任を担っている“彼ら”を正当に
評価して支援する責任が全国民にあると考えています。
その責任を果たさず、感情な考えに流されて “彼ら”を論じるのであれば、
“彼ら”こそ “被害者” となり、私達側が [ 加害者 ]側になってしまうのです。
私達には、“彼ら”を正当に評価せず精神的な迫害を与える [ 事件 ] の進行を止める責任がある事を認識しなくてはならないのです。
○ 以下、“彼ら”の 健康管理に関する続報です。
( 4/23付け 産経ニュースより ・ 熟練作業者の蓄積量が増大 )
( 4/19付け 日刊!目のニュースより ・ 健康状態を今後30年調査 )