今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

高血圧の日

2011-05-17 | 記念日
今日・5月17日は「高血圧の日」
特定非営利活動法人日本高血圧学会(※1)と日本高血圧協会(※2)が、高血圧の予防などの啓蒙活動を目的に制定。
日付は世界高血圧連盟が定めた「世界高血圧デー」に准じている。「世界高血圧デー」は2005(平成17)年に開始され、当時事務局を担当していたアメリカの高血圧啓蒙月間が5月であったことなどからこの日となったそうだ。日本も2007(平成19)年から世界高血圧連盟に参加しているようだ。
明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」「亡国病」と恐れられた結核も、抗生物質など薬の発達により大幅に減少し、寿命が急速に伸びて、世界でも長寿の国になり、少子化が進んだ日本人の病気も変わってきて、現在では、薬では治りにくい疾患が増えてきている。
現在の死因別死亡確率の最も高いのは、悪性新生物(がん)であり、次いで心疾患(心臓病)脳血管疾患(脳梗塞=脳卒中)であり、これらの疾患が現在の日本人の3大死因として挙げられている(※3)。
高血圧は、この3大死因の中のがん以外の心疾患(特に虚血性心疾患)・血管病の最も多い原因となっており、又、腎不全への発症リスクも高くなっているようだ(※4の高血圧と腎臓病参照)が、高血圧自体は静かにゆっくりと忍び寄るため自覚症状が何もないことが多く、ある日突然に心臓病や脳卒中などにより死に至らしめることから、「サイレント・キラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれているようだ。
血圧とは心臓から送り出された血液が血管(動脈)の壁に与える圧力であり、心臓はポンプのように毎分60~70回ぐらい収縮と拡張を繰り返して血液を送り出しているが、心臓が収縮して血液を押し出した瞬間が、血管に一番強く圧力がかかるが、この血圧が最も高くなった時が収縮期血圧(最高血圧)、そして、収縮した後に心臓が拡張するときには、圧力が最も低くなるが、この最も低くなった時が拡張期血圧(または最低血圧)と呼ばれている。
高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態であるが、先に述べた収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが高くても、高血圧ということになる。
血圧の単位は永年の慣行からSI単位系のPa(パスカル)ではなく、mmHg(水銀柱ミリメートル)を使用しているが、それでは、血圧がいくつ以上を高血圧というのか。
高血圧の基準値は、人種によって多少異なり、また、色々変遷もあるようだが、血圧の基準として世界的に採用されているWHO(世界保健機構)の基準(1978年の基準)が日本でも利用され治療目標にも使われてきたが、1999(平成11)年2月にWHOとISH(国際高血圧学会)により、新しい高血圧の定義が発表されたが、高血圧と診断する基準の血圧値が以前の値より低く設定され、また高血圧の治療目標の血圧値も低く設定されたことから、日本でも日本高血圧学会で日本人向けの「高血圧治療ガイドライン」を作成している(※5の正常血圧と高血圧の基準値は?又、※6の血圧>血圧を調べる検査、※7など参照)。
高血圧は重症度の分類が軽症高血圧(収縮期血圧140~159、拡張期血圧90~99)、中等症高血圧(収縮期血圧160~179、拡張期血圧100~109)、重症高血圧(収縮期血圧180以上、拡張期血圧110以上)の3段階に分けられているなど、少し基準が複雑になっているが、高血圧の重症度の分類は別にして、理想的には年齢を問わず、正常血圧(収縮期血圧を130未満、拡張期血圧を85未満)に保つことが必要で、収縮期血圧140以上、拡張期血圧90以上の場合を高血圧症と診断されており、中等症高血圧以上の場合は、臨床状態により治療を開始する事になっているようだ。
WHOなどの血圧の基準の改定に見られるように、世界的に血圧の管理をより厳しくしようとする傾向にあり、血圧に関しては出来るだけ低く抑えた方が脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化に基づく疾患を予防したり、腎障害の発生を抑えることができるという大規模試験の結果を尊重した設定となっているのだという。
日本人では30歳以上の40~50%が高血圧と言われているようだが、年齢とともに血圧が上昇するという傾向があり、厚生労働省の行なった2006年国民健康・栄養調査によれば、日本人では40~74歳の人のうち男性は約6割、女性は約4割が高血圧(140/90mmHg以上)ということになっており、特に、70歳以上になると、男性では約71.4%が、女性では約73.1%が高血圧となっているなど、高血圧は日本人に非常に多い病気であり、現在、日本には約4,000万人と推定されている高血圧患者がいるようだがそのうち実際に治療を受けているのはわずか2割しかいないという。
しかし、どうして高血圧になるかというと、大部分は原因がよくわかっていないようである。
高血圧が起こるには、さまざまな原因があり、そのなかではっきりと原因がわかる高血圧を二次性高血圧(症候性高血圧)といっているが、この場合は、腎臓病や甲状腺(甲状腺機能亢進症)などの病気や、糖尿病肥満が原因で血圧が高くなっている状態で、もとの病気を治療することで血圧も正常に戻るそうだが、これは全体の1割にも満たないそうで、日本人の高血圧の大部分(90%以上)は、どんな検査をしてもはっきりとした原因が特定できない本態性高血圧(原発性高血圧。※8)と呼ばれるものだそうだ。
本態性高血圧のなかでも、通常、年寄りは年齢が進むにつれて、動脈自体の柔軟性がなくなり、動脈の柔軟性がなくなれば、最高(収縮期)血圧が上昇し、最低(拡張期)血圧が低下する収縮期高血圧と呼ばれる状態になり、これを、高齢者収縮期高血圧と呼んでいるそうだが、この状態を除く、本態性高血圧の発症原因は単一ではなく、両親から受け継いだ遺伝的素因に加えて、環境素因もあり、生後の成長過程、加齢プロセスにおける食事(食塩摂取)、ストレスなど様々な生活習慣がモザイクのように複雑に関係しているのだと考えられているようだ(モザイク説、※9参照)。
日本人の高血圧についての遺伝的素因について参考※10:「たなか醫院診聞『高血圧・塩・日本人』」 には以下のようなことが書かれている。
「生命は海から誕生した」と言われるが、その海の生物が陸に上り、生命維持のために特に大切な物質、塩(Na=ナトリューム)を、体内に保持する遺伝子を持った生物のみが生き残り、やがてその中から、アフリカでヒトが進化し生まれてきたといわれている。当然アフリカは熱くNaを保持する遺伝子を持っていたものが生き残り、あるものは大陸を渡り北の寒い地域やヨーロッパに住み着く。そこではNa保持者でなくても生きてゆくことが出来ようになるが、アフリカから海沿いに東アジアへ向かった集団は、暑さとの戦いを引き継ぎ、Na保持者が生き延びてきた。この海沿いを渡ってきた日本人の遠い祖先が縄文人であり、Na感受性の遺伝子を色濃く持っていた。この遺伝子を持つ人々は、実はこの事が裏目に出る。汗はそれ程かかないし、体内に塩分をため込む一方となり、この塩分に反応して血圧が上昇する。
そこへ、朝鮮半島やカムチャッカ半島から北欧系の非感受性の民族が渡ってくる。それが、弥生人であり、そして、縄文人と弥生人の混血が今の日本人であり、従って日本人にはナトリューム(Na)感受性の人が約半分近く(30%から45%)いるといわれている。この人たちは血圧が食塩摂取と密接に絡んでいる。・・・と。
要するに日本人にはナトリューム(Na)感受性遺伝子を有する人が多く、本来、塩が貴重であった古代において、人間が生き延びるためには、限られた塩をいかに体内に残して失わないようにして、循環血液を維持して血圧を保つかが重要であった。塩を体内に残すことができなければ死んでしまうからである。高血圧患者はその意味では塩を体内にとどめておくことのできる優秀な遺伝子を持った人の子孫ということになるのだが、古代で貴重だった塩が現代では簡単に手に入り、何にでも塩が使用されるようになると、この遺伝的特性がマイナスに働いてしまっていると言うのである((※11の”No.455-アメリカの最新医療情報「高血圧」”又、※12の”塩と人 生命維持のメカニズム”も参照されるとよい)。
高血圧は、脳卒中、心筋梗塞、腎不全などを引き起こすだけでなく、最近の研究では認知機能障害の原因になることも知られている(※13、※14)。
このような恐い高血圧の予防・改善をするためには、塩分のとりすぎを防ぐことが重要というのが定説になっているが、欧米人に比べて日本人の食塩過剰摂取が多いといわれるのは、日本人の食塩嗜好は野菜の漬け物、梅干し、魚の塩漬けなど日本独自の食生活と関連があるようだ。
2010(平成22)年4月厚生労働省により「日本人の食事摂取基準」(※15)が5年ぶりに改訂された。その中で、ナトリウム(食塩相当量)摂取量の目標値が、男性は1日 10g未満から9g未満に、女性は8g未満から7.5g未満へと低減され、より厳しくなっている。日本人の現在の食塩平均摂取量は1日約11gであり、WHOや国際高血圧学会ガイドラインでは、高血圧の予防と治療のための指針として個人レベルの食品摂取量1日6g未満を勧めているが、日本人の現時点での食品摂取量とは隔たりがあること、又、生活の質を悪化させたり、他の栄養摂取量に好ましくない影響を及ぼしたりすることのないよう、無理な減塩をしないことを考慮して定めた基準だという。
従来の日本型食生活では、日本人の食塩摂取量は、1950(昭和25)年頃は20gを越えていたと見られているが、1965(昭和40)年以降の減塩運動により摂取量は低下してきた(※16の食塩摂取量の推移参照)ものの、日本人の生活スタイルも昔とは一変しており、肉体労働も減り、また、交通手段や家事労働なども利便化され運動量が減っている。それに、エアコン等によって室内の温度を一定に保つことで、夏でも汗をかく機会も減っている・・・といった生活スタイルにより塩分を体外に排出する量も減っていることから、必要な塩分摂取量も少なくてよい・・と言うことにはなるのだが・・。
ただ※12の中にある日本人の栄養所要量と国民栄養調査から見た食塩摂取量には、“研究の進展に伴って最近では欧米の研究で、減塩に対する悪影響についての論文が目に付くようになってきた。そのためと思われるが、以前のような減塩すればするほど良いような表現ではなく、減塩に対する配慮もケース・バイ・ケースで考えるようにきめ細かく表現されるようになった。として、厚生省の設定している目標値に疑問を投げかけている。
中には、「減塩運動で増加した高血圧患者!」(※17)といったものも見られるが、※18:「ちょっと栄養学」の塩 再考(2)減塩は必要か?でも、“減塩による効果がない人が多く、減塩で血圧降下を示す人々の比率と同じぐらいに、血圧が逆に上がる人がいる。として、「極端な減塩」がどのような悪影響及ぼすかが書かれており、塩感受性の人に限って減塩を行うのが良いと、国内外で言われ始めている。”・・・と結んでいる。
塩分に対する血圧の変化は塩感受性によって異なることは先にも書いたが、塩分を少しとりすぎただけで高血圧になりやすい(血圧の塩分感受性が高い)体質であるかどうかの検査をしてもらい、自分の身体のこと(Na感受性遺伝子有しているか)を知っておくことが大切かもしれないな~。
血圧の塩分感受性は、遺伝的な要因のほか生活習慣などの環境因子によっても影響を受ける。つまり、日常生活上でのストレス、運動不足、アルコール、肥満などが不摂生が大きく影響するという。
この、がん・心疾患・脳血管障害という3大死因になっている疾患を減らしていくため、2000(平成12)年に厚生労働省が「健康日本21」という健康政策を打ち出している。
私も血圧が高いので、医者から血圧抑制剤を貰って飲んでいるが、父親やその兄弟など脳溢血等高血圧が原因で亡くなっている人が多いので、私もひょっとしたら塩分感受性が高い遺伝的体質を受け継いでいるのかもしれないので、用心しなければいけない。
一応毎日家で朝晩、2回血圧を測り、塩分摂取にも気をつけ、朝の散歩もするなど色々と気をつけているのだが、ここのところ、少し、それまでより高めになっているが、良く考えてみると、菅内閣になってから、TVの報道などを見ていていつも、TVに向かってカリカリとしていることが多いが、どうも、このブログを書いていて、そのようなストレスが大きいのではないかと思うようになった。
余りの菅内閣の体たらくに腹の立つことの多い毎日であるが、これから血圧が上らないよう腹を立てないよう気をつけなければいけないのだがなかなかそうはさせてくれなさそうだ・・・。
でも、東北地方太平洋沖地震の早期復興のことや日本のこれからのエネルギー問題、経済問題など考えると、一日も早い菅氏の首相退任が望ましいのだが、あのずうずうしい菅は首相の座にしがみ付き、愚策を繰り返している。これでは、もう、血圧患者を増やすだけではなく国を病んだものにしてしまうかも知れないと、心配しているもだが・・・。
(画像は私が使用している血圧管理手帳)
参考:
※1:特定非営利活動法人日本高血圧学会
http://www.jpnsh.org/
※2:NPO法人日本高血圧協会
http://www.ketsuatsu.net/
※3:厚生労働省>最近公表の統計資料>日本人の平均余命・平成17年簡易生命表>死因分析
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life05/04.html
※ 4:札幌厚生病院循環器科HP
http://www.gik.gr.jp/~skj/index2.php3
※5:なるほど高血圧ガイド
http://ketuatu.sakura.ne.jp/index.html
※6:生活習慣病を知ろう!(厚生労働省HP)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/index.html
※7:大日本住友製薬:血圧管理基準の変遷
http://ds-pharma.jp/medical/gakujutsu/cv_guideline/vicissitude/02.html
※8:本態性高血圧 - goo ヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10610200.html
※9:日本にCa拮抗薬とACE阻害薬が登場:日経メディカル オンライン
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ish2006pre/history/200609/501406.html
※10:たなか醫院診聞「高血圧・塩・日本人」[PDF]
http://www.tanaka-iin.or.jp/shinbun-123.pdf
※11:神奈川県予防医学協会HP
http://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/kenkana/455.htm
※12:橋本壽夫の塩の世界:たばこ塩産業新聞の「塩なんでもQ&A」
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-3.html
※13:大阪大学 老年・腎臓内科学 老年内科|高血圧・老化研究室
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/geriat/www/jgrpb4.html
※14:塩分とりすぎでなぜ高血圧に? 遺伝子レベルで解明 東大病院(日本生活習慣病予防協会HP)
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2011/001769.php
※15:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html
※16:塩事業センター
http://www.shiojigyo.com/a080data/
※17:減塩運動で増加した高血圧患者!
http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titoku105.htm
※18:ちょっと栄養学
http://homepage3.nifty.com/KOMBU/nutrient/nutrient.html
血圧ドットコム
http://www.ketsuatsu.com/index.html
なるほど高血圧ガイド
http://ketuatu.sakura.ne.jp/index.html

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