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記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

日本初の記念切手発行の日

2005-03-09 | 記念日
今日(3月9日)は、「日本初の記念切手発行の日」
1894(明治27)年、日本初の記念切手が発行された。明治天皇・皇后両陛下のご成婚25周年(銀婚の祝典)を記念して発行され、菊の紋章に雌雄の鶴2羽が描かれたデザインでその額面は、当時の内国用封書,外国用封書の基本料金と同じ、2銭(紅色)と5銭(青色)の2種類であった。
今、銅婚式(7年目)、 錫婚式(10年目)、 銀婚式(25年目)、金婚式(50年目 )などといった結婚記念日があるが、これらの 結婚記念日の風習は当時日本にはなく、欧米諸国で、結婚25年を銀婚(silver wedding)として祝う習慣に倣って、日本では、この明治27年に、明治天皇が銀婚式を祝ったのをきっかけに、一般に広まったとされている。
しかし、通称「明治銀婚」と呼ばれる日本最初のこの記念切手の意匠には「記念」の文字はなく、当時の逓信省年報などによると、公式には普通切手と区別した「特別郵便切手」(逓信省年報)と称したようだ。
郵便の歴史を振り返ると、そもそも「料金前納証票」としての郵便切手が登場したのは、1840年、英国でのことで、この成功により、世界各国もこの「料金前納」システムに倣っていくことになる。そして、日本では、1871(明治 4)年に、前島密の建議により、飛脚にかわる官営の郵便制度が発足し、東京~京都~大阪間に郵便を開始(「郵便」「切手」といった言葉も前島が発明)。 同年4月20日(旧暦明治4年3月1日) 、わが国最初の郵便切手が、竜を図案にして発行された。そして、1894(明治27)年に記念切手が発行されたわけであるが、記念切手の書籍の世界の主な国の記念切手発行状況を見ても、アメリカ1893年、アルゼンチン1892年、イタリア1910年、オーストリア1908年、オランダ1913年、カナダ1897年、ギリシャ1896年、スイス1900年、スペイン1905年、ブラジル1900年、ベルギー1894年などとなっており、日本の記念切手発行(1894年)は世界的にも早い部類に入るそうだ。
世界各国で発行される記念切手は元来、ドメスティック(国内行事の記念)なものであったが、郵便も国境を越えることが常態化するようになると、次第に海外等への宣伝媒体として記念切手を活用するようになり、同時に、切手が「郵便料金前納証票」でもあるため、これを外貨獲得の手段として扱う国なども出て来る。
切手は「郵便料金前納証票」である。と言うことは、切手を使用する前にお金が入ってくる。特に、「使用を前提としていない」記念切手の場合には、切手を買った人が殆ど使用しないのであるから、発行して入ったお金はそのまま儲けとなるのである。
1894(明治27)年の日本で始めての記念切手も急遽発行されたといわれているが、この年の出来事を見ると、7月に、日英通商航海条約調印、豊島沖の海戦 。8月1日には 日清戦争宣戦布告。9月黄海海戦、 11月 旅順占領 などとあり、この年軍事郵便制度も施行 されている。穿った見方かは知らないが、この記念切手の発行には、何か、その根底に「郵便料金前納証票」システムであることを利用しての軍費調達、又、国威掲揚的な匂いがしないでもないでもないのである。
日本の記念切手発行件数が、最初は年間数種類であったものが、ここ数年、年間100種を超える異常な濫発傾向が見られるようになり、次第に、切手愛好家からも敬遠され、ここのところ、記念切手の売上げに翳(かげ)りが見えてきたといわれている。物好きな私も面白いものは買っていたが、今は興味がなくなった。日本で、なぜこのように、記念切手が乱発されるようになったのかは、逓信省時代の次官通牒(通達)第1069 号(1947年6月)が原因していると言われている。この通達によって、各省庁ごとに記念切手の「発行枠」が設けられることなり、結果的に、訳のわからぬ記念切手が「既得権としての省庁枠」に応じて乱発されてきたというのである。
そして、今話題の郵政民営化を進めていく上において、この記念切手の発行と会計処理の問題がクローズアップされているのである。郵便局は郵政公社に移行するときに「企業会計」を採用して、完全な「発生主義」を取り入れることになる。切手の会計処理が、これまでのような「現金主義」(販売時点で金額を収益とする)から「発生主義」(デパートの商品券のように、実際に使われた時点で収益に計上する。つまり、使われないまま退蔵される切手は、会計上は郵政公社の累積負債になる)への転換により、いままでは郵便局が記念切手を販売しても負債が増加することはなかったが、今後郵政公社になると記念切手を販売すればするだけ負債が増加するということになり、公社の経営を圧迫しかねないのである。
一体、1894年に日本で始めて記念切手が発行されてより、今では、どのくらいが、個人の手元などで使われないまま退蔵されているのだろう。本当は、これは、表面化していない含み損なのである。複式簿記による利益の概念のないお役所仕事の尻拭いは、いずれ、又、国民の負担として跳ね返ってくることだろう・・・。
(画像は明治天皇ご成婚25年記念切手、紅色の内地用2銭切手)

参考:財団法人 切手の博物館
http://yushu.or.jp/museum/
第28回「記念切手」
逓信総合博物館
http://www.teipark.jp/
日本国の研究 不安との訣別/再生のカルテ
http://www.inose.gr.jp/mg/back/02-10-24.html

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4 コメント

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記念切手 (Linda)
2005-03-09 09:50:18
よーさん、お早うさんです。

以前、僕のラグビーチームに中央郵便局に勤めている人がいました。彼は毎年その年に発行された記念切手を1枚ずつ集めて本にしたものをくれました。郵便局で売っているんでしょうかねえ。僕は切手を集める趣味はないのですが、その本だけは残してあります。
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切手 (よーさん)
2005-03-09 14:24:41
今の切手には余り値打ちのあるものはありませんが、古いものには、驚くぐらいすごい高値をつけるものがありますよ。お宝があるかも知れませんね~。後悔する前に、誰か専門の人に見てもらっておいたほうが良いかも・・・

私は、最近の値打ちのないものばかり持っています。・・・(>0<)
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Unknown (aa)
2005-03-10 16:35:12
aa
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私が小さな頃は・・・・ (けぃみ)
2005-03-11 17:47:35
切手収集をご趣味にしてらっしゃる方が多くいらしゃいましたわ^^

お友達さんに自慢げに見せていただきその数の凄さに溜息をつきましたことも~♪

今 オクションなどで封書のやりとりございますでしょ そんなとき『こんなに素敵な切手貼ってしまうのぉ?』っというように記念切手を貼って下さる方がおりますのね

記念切手の発売ごとお求めになってさり気なく愉しませてくださる方 ちょっと素敵ですわよね(笑)
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