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☆名越(なごや)左源太時敏の玄孫が綴る日々のあれこれや家族の歴史. 
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「4月23日 三原氏御母様と源水楼茶屋へ」

2020-04-23 17:01:08 | 『都見物日記』

 ここまでのおさらい →『【第2話】4月17日出帆〜4月23日大坂に2泊

 

 前日、神戸から大坂の増元という宿屋へ落ち着いたイサさんたち一行は、ここでもう一泊し、24日には西京(京都)へ移動。27日の夕方まで京都に滞在します。

 

『都見物日記』(二)‥‥ ③

 四・二三  今日は雨。七時過に目覚め 茶飲一緒なり。十時まえ髪結いたのみ くしまき(※)によせ、それより風呂へ行き じき近所にて幸い也。風呂屋へおるうち 大雨降り 雷どんどん鳴り 傘無き処へ、宿屋の下女が「おまち長う御ざんしよう」と迎いに見え、おゆかたは私が持ちますと云(イウ)て女がじきにとりて 内へ帰る事也。轟殿留守なりし。

 茶など入れ 隣りのおすみ殿 外二人もお出 茶飲いたし候。其時の笑いばなしに、私の髪の風がよほど奇妙な風とて 大笑の事也。轟殿申すには 姉さんあなたの髪は じきに(実に、全く の意)ひよどりか何か とまりた様にありますと申され、只々どんどん笑いました。左様(ソウ)するとほど無く飯差出し候。此ひるめしのそえ物は吸物椀に竹の子、ふきのしめもの少々おつゆあり、それと漬物にて出し(ダシ)よき加減に むまく たべ候也

昼寝のあと三原氏御母様お出にて 四人連れにて源水楼茶屋へ行き、珍しきたべ物、酒のみいたし候。三原母様御馳走の 女の義太夫呼び おもしろき三味線を聞き候事。

 十一時に内の宿屋へ四人連れ帰り 今晩は三原様もお泊(トマリ)にて 賑々敷 よき事に候。すぐと皆々休みし事也。

 

 (※)くしまき ‥‥ 櫛巻き

「櫛巻き」とは女性の髪型のひとつの様ですが、「ひよどりか何かがとまったよう」とは、姉さんに対して随分失礼なことを言う弟ですね(笑)

 


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