<モレン・レイク>
機内で毎度の事ながら眠れなかった私は、前夜の睡眠導入剤のお蔭で、ぐっすり眠り、爽やかな朝を迎えました。
今回私達が訪れたのは、沢山ある国立公園のうち、バンフ国立公園とアシニボイン州立公園の2箇所。
本格的ハイキングはこの日が初日。この夜、まさかの発熱など予想だにできなかった私です。
美しい氷河湖モレン・レイクをスタートし、テン・ピークスの鋭鋒を仰ぎ見ながら、ラーチ・バレーの草原を目指します。
まずはハイキングの前にモレン・レイクへ!美しく神秘的な氷河湖です!
この湖水の色をなんと表現したら良いのでしょう。吸い込まれるようでした。
<今回の旅行の私の貴重なハイキング姿です!>
モレン・レイクからのテンピークスの景観を十二分に楽しんだ後、いよいよハイキンクです。
登山口(トレイルヘッド)の標識には、入山にあたって色々な注意書きがしてあります。
このエリアはグリスリー・ベアーの生息域になっていて、4人以上のグループ規制が敷かれているのには驚きました。
ガイドのT・Iさんも常にベアー・スプレーを持参、カナディアン・ロッキーの山歩きには必携だそうです。
ここから右のトレールに入り、針葉樹(ドイツトウヒ)の美しい林の中を次第に登っていきます。
私はスローペースなのでガイドのすぐ後ろを歩かせていただきました。夫は最後尾。
30分ぐらい登ったころでしょうか、私、いつもとなんだか気分が違う。
日本の山でも最初の30分は常に一番辛い時間帯ですから、いつものことと思っていました。
しかしこれっぽっちの傾斜で一体どうしたことでしょう?次第に歩みが遅くなり、最後尾の夫の元へ。
「お父さん、私なにか変!すごく息苦しくて気持ち悪い。ちょっと休みたい」と立ち止まりました。
と同時に我慢できなくなり、激しく嘔吐してしまったのです。
驚いたのはツアーリーダー、すぐに駆け寄ってきて高山病を心配されましたが、
2000m弱の標高で高山病なんて考えられません。私の山での嘔吐はこれで2度目です。
あの里山の景信山山頂直下で同じ症状に見舞われたことがありますから、標高には関係ないようです。
飽くまでも体調によるもの。
ところがしばし休息した後はすっきりし、その後は夫にザックをもってもらい空荷で皆と一緒に楽しむことが出来ました。
夫は背に自分のザックを、胸側に私のザック!彼が強い山男で本当に良かった!頼りになる存在です。
お父さん、本当にありがとう!貴方が、とても大きく見えました。
歩きやすい斜度できっちりと整備された道をジグザグに登っていきます。
樹間からはモレンレイクの美しい湖面やテンピークスの一部が見えてきます。
見る位置により氷河湖の神秘的な色合いは変化し、私達を楽しませてくれます。
標高2200m地点でエッフェルレイクとの分岐があり、この分岐を過ぎると樹々はカラマツに変わりラーチバレーの始まりです。
ラーチとは英語で「カラマツ」のこと。
今年は季節が1ヶ月遅れているとのこと。ようやく雪解けとともに、カラマツの新芽が芽吹き、ウエスタン・アネモネが咲き始めていました。
<ウェスタン・アネモネ>
<ウエスタン・アネモネのブーケ>
<バター・カップ キンポウゲ科 花弁の内側には光沢がある>
<スプリング・ビューティー 春一番に咲く花 日本には自生していない>
登り始めて2時間、クリークに架かる小さな橋を渡ると、一気に視界が開け、テン・ピークスの山々が視界に飛び込んできます。
なんと雄大な眺めでしょう!
テン・ピークスとは字の如く、10の岩峰で、全てに名前がありますが、それは省略。実際は1と10はこの位置からは見えません。
<雪渓をズームで>
ここでカラマツ林越しにテンピークスの雄姿を仰ぎ見ながら「おにぎり」のピクニックランチ。
海外でおにぎりが食べられるなんてびっくり!キャンモアで手に入るそうです。嬉しい!
更にそこから奥のミネスティマ・レイクまではもう一息ですが、途中から雪が多くなり、また湖は全面凍結。
引き返すことにしました。
下りは自分のザックは自分で背負い、順調に気分よく下ることが出来ました。
<可愛いリスに沢山出会いました>
下山した後はレイク・ルイーズ湖畔に建つ今夜の宿泊場所シャトー・レイク・ルイーズへ。
カナディアン・ロッキーで最も豪華なホテルのひとつとして大変人気があります。
私はこのホテルに泊れることをとても楽しみにしていましたのに、ただベットに横たわり辛い時間を過ごすことになってしまいましたました。
夜中に悪寒がし、熱はグングン上がり、フラフラでした。上がり切ると今度は体中が火照ること。
出発前にクリニックでお薬を頂いていたので、朝方耐えられず頓服を飲み、強引に熱を下げることにしました。
当然翌日はベットから起き上がることも出来ず、お留守番。昏々と眠り続け、気が付けば絞れる程の汗をかき、解熱はしていましたが・・・。
<続く>
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