昨日(11月25日)、久しぶりに世田谷の等々力渓谷を訪れてみました。
本当は高尾山へと計画していましたが、夫が野暮用があり、一人では不安。
すっかり体力に自信を無くしている私です。
等々力渓谷は武蔵野台地の南端に位置する全長1kmの渓谷で、
いわゆる国分寺崖線の浸食でできた都内でも珍しい渓谷です。
駅から歩いて4~5分、ゴルフ橋手前が渓谷入り口。階段を降りるとそこは別世界です。
昭和の初め頃、この辺りは東急電鉄が開発したゴルフ場だったそうです。だからゴルフ橋!
濃い緑に覆われた遊歩道はしっかりと整備され、だれでも歩けます。
とても都会とは思えない森閑とした空気はコロナ禍を完全に忘れさせてくれます。
こちらは都史跡となっている横穴式古墳群のひとつ。
この近辺ではこれまでに3基の横穴が見つかっており、3号横穴が完全な形で残っています。
数年前訪れた時は丁度調査中。3体の人骨と1対の耳環と複数の土器が埋葬されていたそうです。
<不動の滝>
等々力という地名は渓谷内の「不動の滝」の音が「轟き」響き渡ることから、
里人によって名づけられたそうです。
細々とした静かな滝で、轟いたとはとても思えない湧水の可愛い滝です。
不動の滝の少し先に長い険しい、階段があり、それを上っていくと等々力不動尊。
正式には「滝轟山明王院」といい、真言宗の霊場で、眺めのよい高台で、
黄色、赤、緑の葉のコントラストが見事でした。ここでしばし休息。
再び階段を下り、渓谷に沿ってさらに下流に歩いていくと、日本庭園の門が見えてきます。
<庭園内の美しい竹林>
庭園内をぐるりと一周し、そのまま多摩川土手に向かってもいいのですが、
少し歩き足りないので、Uターン、再び渓谷沿いに同じ路を歩きゴルフ橋へ戻りました。
歩数10749歩!心地よいウォーキングでした。
等々力不動尊の階段を上ったところで、
お二人の私と同世代と思われるご婦人が座り込んでいらっしゃいました。
どうもおひとりの方が石に躓いて転ばれたようで、額をタオルで押さえ、
ジャケットにも点々と血が飛び散ってドキッとする光景でした。
沢山の方がいらっしゃいましたので、すでに救急の手配はできているようで、
私はそっと見て見ぬふりをしてその場を通りすぎましたが、
次から次へと階段を上がってっ来る老若男女、皆さん親切にお声をかけていらっしゃいました。
転ばれたご本人は呆然となさっていますし、お友達は周囲の方に気を使い大変そうでした。
私はその光景を見て、ふと思ったのです。そっとしてさし上げればよいのにと。
私が転んだ本人であれば、寄ってたかって親切にされるのは、かえって辛い。
転んだことへの恥ずかしさ、みっともなさから、できたらその場を逃げ出したい。
そっとしておいて、大騒ぎしないで、きっとそう思うでしょう。
そう思う私ってひねくれもの?