ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

憧れと嫉妬(ゼルアメ)

2011-04-20 20:30:34 | スレイヤーズ二次創作
久しぶりにゼルアメ小説です(´ω`)
ゼル←アメっぽいですが、一応ゼルアメ。

アメリアがアニメと原作混じった感じになってます(汗)

----------------------------


「ゼルガディスさん」
「なんだ...」
「リナの事どう思ってます?」
「....は?」

俺はアメリアの言葉に驚いて、思わず魔道書から顔を上げた。
黒髪の童顔少女と視線がぶつかって、その視線の強さに驚く。
「どう思ってます?」
「...魔道オタクの破壊魔。それからドラまたで、一緒にいるとろくなことがないな」
ずべっ

俺の答えに、アメリアは宿の机に突っ伏した。
「そうじゃなくって~」
「いきなりどうしたんだ」
俺は腰に手を当てた。
突然部屋を訪ねて来たと思ったら...質問の意図が読めない。

「ゼルガディスさんにとって、...リナって特別ですか?」
アメリアはもう一度、俺に強い視線を向けた。

「...リナにはガウリイがいるだろう」
俺は努めて当たり前な返事を返した。
あの二人がお互いをどう思っているかなんて、見ていればすぐ分かる。

「...そういうことじゃないんです」
アメリアは項垂れた。
その切り揃えられた黒髪がゆらりと揺れる。
「ゼルガディスさんの、気持ちが知りたいんです」
「何故?」
「わたしのワガママです」

「...確かに、特別かもしれんな」
俺は頭を掻いた。
「...!」
アメリアはびくり、と体を震わせた。

「だが、あんただってそうだろう?」
「へ?」
目を見開くアメリア。蒼い瞳が揺れる。

「あいつは無茶苦茶な奴だが...悪い奴じゃない。それから、人を惹き付ける...というか、人の人生を変える」
「......」
「あいつのお陰で、俺はまだ色々諦めてない」
「元の身体に戻る事..とか?」
「まあ、そーいうわけだ...」
俺は髪を掻き上げた。ざらり、と金属音が響く。この不快感にも、慣れた。

「そうね、わたしもリナのお陰で...」
アメリアは目を伏せた。
何を思っているのか、唇が綻んでいる。

「リナは凄い。いつの間にか皆の特別になってるのよね..」
アメリアは尊敬のような、憧れのような響きで言葉を紡いだ。
...でもその表情は哀しげだ。
俺は少し胸が苦しくなった。

「アメリア」
「はい?」
「....勘違いするな。俺はあいつに気なんかないからな」
「.....でも」
「あいつは、俺の手には負えん」

アメリアは驚いたような顔で、俺を見た。
...全く、色恋事は俺には向かん。

アメリアから視線を逸らして、魔道書を開く。
「あんただって、誰かの特別だ」
「え」
「...少なくとも、俺はあんたに感謝してる」
──あんたのお陰で、この身体も悪くないと思えたからな。

最後までは言わずに、俺は魔道書からアメリアの様子を窺った。

一国の王女は少しだけ赤くなって、慌てて立ち上がった。
「あ、あの」
「どうした」
「わたし、わたし...そろそろ失礼します!」
バタバタと部屋を出ていくアメリア。
魔道書から顔を上げてその様子を見ていると、彼女がドアの隙間から顔を少しだけ出していた。

「どうした?」
「...ありがとう」

その言葉と笑顔が眩しくて、俺は小さく笑ったのだった。


終わり

-------------------------
ゼルはリナを尊敬して信頼してるけど、恋愛感情は無いのではないかと。
そしてそんな二人の関係に嫉妬しちゃうアメリアも可愛いかと^^



二人きり(ガウリナ)

2011-04-20 18:55:54 | スレイヤーズ二次創作
お久しぶりです!
最近スランプであんまり小説更新出来なかったのですが、リクエストを頂いたので、頑張って書いてみました(>_<)

リクエスト下さった方、本当にありがとうございます!
ではでは、続きから「現代版で、課題が終わらずおろおろするガウリイの手伝いをするリナ」です(´ω`)どぞー!

-----------------------------


あたしは盛大にため息をついた。
...大学生にもなって、高校生のあたしに課題を手伝わせる幼なじみに。

「あー、リナ。これどーゆう意味だ?」
本日四度目の質問である。
「だーっ!あたしにばっか聞かないで、少しは自分で考えなさいよ」
「考えても解らんから聞いてるんじゃないか...」
ガウリイは心底困った様子で頭を掻いた。

ガウリイは中学生の頃からこうだ。数学の問題だの、英語の和訳だの、困るとあたしを部屋に呼ぶ。
...今回はまた、英語の課題。
でもレベルは高校英語。──コイツはなんで大学生になれたんだろうか...

あたしの考えを見透かしたように、ガウリイは笑った。
「オレはスポーツ推薦だからなー」
「分かってるわよ!」
分かってるけど、高校生に大学の課題を手伝わせるって、かなり情けなくないか?

「んもー...これはso that構文が使われてるから...」
「...なるほど」
ふむふむ、と首を縦に振るガウリイ。
...コイツ絶対分かってないだろ。

「で、この課題いつまでなの?」
「明日」
「....おい」
「えへ(はあと)...すまん」
訳す英文があと三頁、そのあとの問題が一頁分。
そして、英語が中学生レベルの男が一人。
「...よっし、絶対今日中に終わらせちゃる!」
あたしは無意味にガッツポーズをして、テンションを上げたのだった。


しばらく、二人して作業を進める。
あたしは英文和訳で、ガウリイは選択問題。

一通り英文を訳し終わって、あたしは伸びをした。
──さすがあたし。結構すぐ終わったわ。
「ガウリイ、飲み物でも持って来ようか?」
人の家だが、まあ昔から通ってるから大体何があるかとか分かるし。
「んー、じゃあ頼む」
ガウリイは問題と格闘しながら応えた。
「分かったー」
「すまんな」
あたしは立ち上がって、部屋を出る。

部屋の中とはうってかわって、しんとした廊下にざわりとした。

──ガウリイは基本的に一人で家にいる。
両親は彼が高校生の時に離婚し、父親に引き取られたのだが、その父親は海外出張が多いのだ。
父ちゃん母ちゃん姉ちゃんに囲まれてるあたしとしては、寂しいだろーな、と思う。

ひたひたと広い廊下を歩いて、あたしはキッチンにたどり着いた。
おもむろに冷蔵庫を開けて、適当にオレンジジュースを引っ張り出す。
「...向こうで入れればいっか」
あたしはガラスのコップを二つと、オレンジジュースのペットボトルを抱えて部屋へ戻った。

「ただいまー」
小さく呟いてドアを開いても、ガウリイは返事をしなかった。
珍しく集中している。
「....」
そっとその横顔を伺うと、剣道の試合ぐらいでしか見せない、真剣な眼差し。

──なによ、ちょっとカッコイイじゃない。

悔しくなって、その頬っぺたに冷たいペットボトルを押し付けた。
「うわっ」
さすがにびっくりした様子で、目を白黒させるガウリイ。ちょっとスッキリ。
「オレンジジュースで良いでしょ?」
「お、おう、サンキュー」
ガウリイはペンを置いて伸びをした。
「ちょっと休憩タイムだなー」
「飲んだらすぐ再開だかんね」
「はいはい」
笑って言うガウリイは、やっぱりリナは頼りになる、などと呟いた。

「次は彼女にでも頼みなさいよねー」
あたしはちらり、とガウリイを窺いつつジュースを飲む。
「そんな奴いないよ」
「うっそだー、あんた顔だけは良いじゃない」
「顔だけはってお前な...」

ガウリイは苦笑しつつ頬をポリポリと掻いた。困った時のガウリイの癖。

あたしはなんだか気恥ずかしくなって、足をぶらぶらさせる。
──さっき久しぶりに真剣な顔なんか見ちゃったから...

そんなあたしを見て、ガウリイは穏やかに笑った。
「お前さんがいるだろ」

頭をくしゃり、と撫でられて。
その言葉の意味を考えている間に、彼は立ち上がった。
「ちょっとトイレ」
「え、あ、うん...」

ばたん、とドアが閉められてから、あたしは数秒間呆けていた。
「..........!」

──今の言葉の意味って...っ


それから...あたしは今彼と二人きりだということを、意識せざるをえなくなったのだった。


終わり

--------------------------
こんなもんでいかがでしょう(;´・ω・`)?