ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

いれぎゅらー。【1】(ガウリナ)

2014-03-07 18:14:45 | スレイヤーズ二次創作
お久しぶりでっす!
ガウリナの短編小説です。オリジナルキャラ登場なのでお気をつけ下さいまし。

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「あんた、なかなか話が分かるな」
にやっと不敵に笑った男に、リナも不敵に笑い返す。
「あたしはこう見えて、魔道に関しちゃうるさいわよ」
「ほほう、じゃあ色々聞かせて貰おうじゃないか」
「ふふん、上等ね」
火花を散らして笑う男女に、オレは心の中で小さくため息をついた。


街の小さな食堂。
オレとリナが相変わらずの調子で夕飯を食べている所に、その男は通りかかった。
男、というより少年か。少年と青年の間のような、目つきの鋭い男。こざっぱりとした身なりに、フード付きの黒いマントが少し浮いている。
「静かに飯も食えねえのか」

ピリッとした空気に、オレもリナも思わず顔を見合わせて、小さく謝った。
そこまではまあよくある事なのだが、男の呟いた一言で事態は一変する。
「......ふん、頭の悪そうな連中だ」
オレは思わず苦笑したのだが、リナはと言えば、額に青筋立てていた。

「んっんっんっ。ちょーっと元気にご飯食べてたくらいで、そこまで言われちゃ黙ってられないわねえ」
無理やり笑顔で話しているが、目が笑ってない。
「見ていれば分かる。流れの傭兵と魔道士の子供のコンビなど、ろくな人生送って無いだろ」
「こ、子供......っ」
「まあ、あながち間違っちゃいないけどな」
リナとの二人旅は、いつもろくなことが無いからなあ。
「...ガウリイは黙ってて」
リナにジト目で睨まれた。

「見知らぬ他人に勝手にあたしの人生決めつけられてたまるかっての! そんな微妙に目立つ変な格好してるあんたにはね」
「なっ、変だと!?」
「変でしょーがっ。質の良さそうな服の上から、あからさまに身分隠してますーって感じのボロいマント着ちゃって。どこの金持ちの息子よ?」
「......ぐぐ」
どうやら図星だったらしい。男は少し顔を赤くした。
「くっ、......こうなったら勝負だっ!」
がたん、とテーブルを叩いて男がそう言い出す。
──おいおいっ
「分かったわ! じゃあ表へ出ましょ」
びっ、と表を指差すリナである。
「いやだ(どきっぱり)」

ずるべしゃっ

リナは勢い良くその場で椅子からひっくりこけた。
──相変わらず良いリアクションするよなあ......。
「あああもうなんなのよあんたはっ!」
「慌てるな。頭脳勝負だ」
リナのリアクションにちょっと引き気味の男は、そう言って頷いたのだった。


そうして、リナとその男は、オレには良く分からん魔道とか魔法とか、そんな感じの話を延々とし始めた。
素面のクセに、二人とも持論を興奮気味に熱く語り、最初は険悪だった空気も、徐々に楽しげに変わって行く。
──面白くない。

「なかなかやるな。あんた、名前は?」
「ふふん、名前を聞くなら先に名乗りなさいよ」
リナの小さな挑発にも、男はもう動じない。
「俺はユーリ。そっちは?」
「あたしはリナ。こっちはガウリイ。あたしの旅の連れ」
ついでのように紹介されて、オレは黙って小さく会釈した。
なんだかとても、面白くなかった。

「オレ、そろそろ宿に戻ってる」
居心地が悪くなって立ち上がると、リナは少し迷うような顔をした。
「あ、ほんと......?」
宿はこの食堂の向かいだ。歩いてすぐ。
「リナはもう少しそいつと話してたらどうだ?」
いつもなら言わない台詞が口から出てきた。他に客が居るとは言え、夜の食堂にリナを男と二人で残すなんて......。
──でも、リナがあまりにも楽しそうに話しているから。オレとでは到底出来ない話を。
その事実がオレを少し苛立たせる。

「んー......じゃあ、そうしよっかな」
そう答えたリナに対して、オレは「そうか」とだけ返して笑ったのだった。


続く!

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続きます!
焼き餅ガウリイ。そして、オリキャラさんがユーリと名乗ってますが、某テイルズとは無関係です(笑)