ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

更新のお知らせ。

2016-03-06 21:29:33 | 日記・雑記
どもですどもです。あきらでっす!

ここの所、書いた作品を全然ブログにあげずにプライベッターにばっかりあげてたので、
一気にいくつかこっちに持ってきました。こぴぺこぴぺ。
いわゆるサルベージであります。

ツイッターやっていない方など、『スレイヤーズ二次創作』のカテゴリの記事がいくつか増えていると思うので、
良かったら読んでやってくださいませ。
大体短いですが……まあ、私が書く話って元々短いの多いからな…。

そんな感じでどうぞよろしくです!


気付いた瞬間。(ガウリナ)

2016-03-06 21:27:20 | スレイヤーズ二次創作
ぷらいべったーより再掲。
ついったの診断メーカーよりお題「皆に隠れて」
※アメリア視点。……最近アメリア視点で書くことおおいなあ。
短いです。

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「リナ、ほれ。忘れもん」
 朝。宿屋の食堂でリナの顔を見るなり、ガウリイさんは何かを彼女に放り投げた。上手にそれをキャッチして、リナはぱっと表情を明るくする。
「……あ、これ! 失くしたかと思ってたわ。ありがとガウリイ」
 きらり、と窓から差し込む朝日を受けて光ったそれは。
 ――リナが普段身につけているイヤリングの片方。
「どーいたしまして」
 のんびりといつものように穏やかに笑った彼は、まだ少し眠そうな顔をしながら、リナの向かいの席に座って朝食のパンとスープを注文した。

 まるでなんてことのないやりとり。
 だけどわたしは。
「……ね、リナ」
「? どしたのアメリア」
 思わず呼びかけたわたしに、リナはきょとんとした顔で返事をした。そのあまりの『普通』な表情に、わたしは頭の中が疑問符でいっぱいになる。
 ちらり、と斜め前に座るゼルガディスさんに視線を向けるが、彼は涼しい顔でコーヒーを啜っていた。これは何も気付いていないのか、それとも何かを知っているのか。
「……なんでもないわ」
「ふうん? 変なアメリア」
 笑って、彼女はポケットからもう一つのイヤリングも取り出して、その場で身に付けた。耳元で揺れる小さな金色の球体。

 リナのイヤリング。
 それを、わたしは昨夜リナと部屋の前で別れる前に確かに見た。二つとも、リナの両耳にきちんとついていた。
 ……それを、今朝ガウリイさんが何故持っていた?
 忘れ物。彼は確かにそう言った。……導き出される答えは。

 そこまで考えたところで、ふとガウリイさんと目が合った。
 にこ、と笑った彼の人差し指が、そっと彼自身の唇に触れる。それはまるで、最近知り合った謎の神官のお決まりのポーズにも似て。

「……ガウリイさんのえっち」
「!?」
 思わず漏らした感想に、隣のリナが過剰反応するのがおかしくて。
 わたしは小さく舌を出したのだった。

おしまい

始まりはとある飲み屋にて。(ガウリナ)

2016-03-06 21:24:58 | スレイヤーズ二次創作
どんどんいきまーす。ワンライ参加作品より。
お題「SFパロディ」
あんまりガウリナっぽくないです。そして、壮大に何も始まらない。

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「それ、良い剣ね」
 若い女、いや少女のような声が響く。古びた酒場には似つかわしくない声。オレはその声に顔を上げる事なく、クリームスープをつつき続けていた。
 このご時世、剣を持っている事がどれだけ奇異の目で見られるかぐらいは承知している。面白がるような声の持ち主も、きっと興味本位でオレに声を掛けたのだろう。
 
 技術の進歩は目覚ましい。時代は銃一色だ。しかも、残りの弾を気にしなくて良い光線銃が主流になって久しい。ばあちゃんから譲り受けたこの剣は、今や博物館に飾られるような代物だ。
 つまらないな、と思う。いや、面白くない。
 命を刈り取るような武器が、指先一つで放たれるような光線になってしまったことが。

「……剣帯許可ならちゃんと受けてる」 
 溜め息混じりに呟いて、ポケットから端末を取り出そう手を伸ばす。最近は、許可証を見せなければ公共施設に入れない事もざらだ。
「それくらい見りゃ分かるわよ。マスターも別にあなたの事警戒してない様子だし。ってことは、いつもその感じでここにいるんでしょう?」
 呆れたようなその声に、オレは少しむっとした。
「じゃあ、別に良いだろ」
 ほっといてくれ。そう口に出す前に、女の声が近づいた。
「……ね、その剣あたしに売る気ない?」

「はあ?」
「あ、やっとこっち見た」
 顔を上げたオレの前に、にまりと笑った少女の顔があった。
 栗色の髪がふわりと肩まで伸ばされ、その赤みがかった瞳が挑戦的にオレをみつめている。最新の物と思われるファッション、そしてウェアラブル端末から常時放たれる電子の光。
 だが、彼女の腰に下げられた年代物のリボルバーを、オレは見逃さなかった。

「あたし、リナっていうの。トレジャーハンター」
 にっと笑って、彼女は自己紹介した。リナ。あまり聞かない名前の響きだ。地球人じゃないのかもしれない。
「ここは嬢ちゃんみたいのが来るようなとこじゃないぞ」
「顔見た途端に子供扱いね」
 むっとした彼女は、拗ねたように頬を膨らませる。
「これでも15なんですからね。火星から一人で来たのよ」
「火星から?」
 やっぱり。だが、妙な話だ。地球の文明は発展し、発展しつくし、最終的に金持ちと要人は皆火星へと移住した。地球以上に住み心地の良い火星から、なぜこんな所に来たのだろう。
「ええ。とある『聖書』を探しに」
「聖書?」
「……あなた、クレアバイブルって、聞いたことあるでしょ?」
「……いや、知らん」
 そう答えた途端、彼女はその場にひっくりこけた。――おいおい。
「嘘でしょ!? 地球人なら子供でも皆知ってるって聞いてたけど!?」
「そんな事言われても……オレは知らんから……」
 なんだか申し訳なくなるが、知らないものはしょうがない。

「異界黙示録……近代から伝わるという伝説の聖書。地球のみならず、太陽系の秘密を暴き、とてつもない知識と力を読んだ者に授けるという代物よ。勿論、おとぎ話だって言う人も多いけど……でも、あたしはそれは実在すると信じている。あたしの鋭い勘がそう告げている! だからはるばる火星からやってきたわけ」
「……そりゃ御苦労さん」
 なんとも夢みたいな話だ。力と知識。銀河系の秘密なんて暴いて、一体この嬢ちゃんは何をしたいのやら。
「んで、トレジャーハンターはその一環ね。お宝集めてれば、色々情報もその筋から入って来るってもんよ。……あなたのその剣も、相当価値があるんじゃないかって睨んでるわけだけど」
「……一応聞くが、いくら出すつもりだ?」
「金貨3枚!」
 即答。そしてその値段設定に、今度はオレがその場でひっくりこけた。
「んな値段でやれるかあーっ!」
 それじゃまともな武器はなに一つ買えやしない。
「安く仕入れて高く売る。これがあたしの信念なのよ」
 自信満々に言ってのける少女に、オレは頭が痛くなった。この嬢ちゃん、今までよくやってこれたな。
「これはばあちゃんから貰った大事なモンだ。だからやれん」
「――そう。それじゃ仕方ない、か」
 残念そうにそう言うリナは、思ったよりもあっけなく引き下がる。

「それじゃー、また適当にアイテムショップを回るかー」
 伸びをして立ちあがる彼女。普通なら放っておくところだが、彼女の言葉に、オレは思わず口を出した。
「アイテムショップって……古武器屋の事か? あんな柄の悪い連中しかいないような所に、嬢ちゃん一人で?」
「リナよ。一人旅だもん。あったりまえでしょー? ……なに、兄ちゃん心配してくれるの?」
 にや、と笑ったリナに、オレは眉間にしわを寄せる。
「ガウリイだ。……当たり前だろ。15とか言ったが、オレから見りゃまだ子供だ。一人であんな所行くもんじゃない」
「じゃあどうしろって言うのよー?」
 溜め息一つ。
「……オレが付いてくよ。どうせ暇だしな」
 最近は要人警護の仕事依頼もあまり入っていなかったのだ。腕がなまっていた。
「一応、ガードの資格は持ってる。嬢ちゃんがどれだけ腕に覚えがあるか知らんが、役に立たん事はないと思うぞ?」
 今度こそ端末を操作して、証明してみせた。浮かび上がる画面に映るオレの顔。
「……へえ、Sランクじゃない。いいわ、付いて来てくれる? よろしく用心棒さん」
「ああ」

 そんなこんなで、オレは彼女に腕を引かれて店を出た。
 ――その後、盛大に面倒な事件に巻き込まれる事も知らずに。全てはここから始まっていたのだった。

つづかない!

酒の肴に(ランツ)

2016-03-06 21:23:06 | スレイヤーズ二次創作
こちらもワンライより!
ランツ君一人称で、二部終了後設定。
ガウリイについて語るランツ。思い出話的な。

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「おう、ランツじゃねえか。お前、まだ死んでないとはしぶといねえ」
 ふと、昔馴染みの傭兵仲間と街で出くわした。相変わらず口が悪い奴だが、根は悪い奴ではない。久しぶりに会った男の顔に変わりが無くて、俺は嬉しくなった。
「お前もな」
 にやりと笑って言い返す。
「はっは、ちげえねえや!」
 気にした風もなく笑った男は、俺を酒場に誘うのだった。

「俺にはコレがあるからな」
 懐から取り出した巾着袋の中身を、俺はそいつに見せてやった。俺の大事な御守り代わり。こいつのおかげで、俺は今までなんとかやってきたのだ。
「ん、なんだそりゃ? 女からの貰いもんかあ?」
「いんや、俺の心の兄キから買ったんだ」
「はあ?」
 得意げに言い切る俺に、相手は呆気にとられたように口を開ける。ついでに首を傾げる。

 そんな男に、俺は巾着袋ごとそれを手渡してやった。そいつは中身を取り出して、しげしげと観察する。
 しばらくして、男は何かに気づいたように目を丸くした。
 ――そう、その反応が嬉しいのだ。
「って、なんだこれ! 金貨が真っ二つじゃねえか…!」
「すげえだろう。兄キが剣で斬ったんだ」
 にやり、と笑って言ってやる。
 そう、それはあの金髪剣士が俺にくれた代物だった。――ガウリイの兄キ、今頃元気にしているだろうか。まだ、あの嬢ちゃんと一緒にいるのだろうか。……たぶんきっとそうだろう。
 脳裏に浮かぶ、あの二人組の後ろ姿。

「剣で、か……。そりゃ、相当な腕がねえと無理だな」
 酒場のカウンターに並べられた、真ん中辺りで半分にされた金貨。綺麗な切り口に、剣を扱う者なら皆息を呑むだろう。
「だろうだろう! すげえ男だったんだよ、あの兄ちゃんは……」
「お前が胸張ってどうすんだよ」
 呆れた様子の男に、俺は思わず苦笑した。
「はは、だよな」
 ――でも。
 一見とっぽい兄ちゃんにしか見えなかったあの男の、剣の腕を。一目見た瞬間に、俺は惚れたのだ。剣士としてのあの男に。
 そんな男に、一瞬でも認められた喜び。「リナを頼む」と、極限状態で大事な相棒の命を託されたという事実。
 あの日。サイラーグでの出来事。
 俺にとって、忘れる事の出来ない経験だった。

「そいつが、俺に『諦めるな』って言ってるような気がするんだ。簡単に死ぬんじゃねえ、生きろってな」
「ほおお……なかなかカッコイイ事を言うようになったじゃねえか、ランツ君よう」
 にやにやと笑う男に、俺はちょいと気恥ずかしくなって、頭を掻いた。
「へへ、惚れたかあ?」
「惚れた惚れた! じゃあ、そんなカッコイイランツ君に今日は奢って頂こうかな」
「オイオイっ、そりゃねえぜ!」
 慌てる俺に、男は冗談だと笑う。
 酒場の明かりを受けてきらりと光る真っ二つの金貨。それを眺めて飲む酒は、なかなか悪くないのだった。

おわり

貴方の青は(ガウリナ)

2016-03-06 21:21:18 | スレイヤーズ二次創作
ワンライ作品より再掲。
短いガウリナです~。※アメリア視点!

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「――あのさ、青は青でも色々あるわよね」
 ふと、まるで何でもない事のように。たった今思いだした、とでも言うように。リナは今までの会話と関係の無い話題を、ぽろりとわたしに投げかけた。
 宿屋のおばさんが淹れてくれた紅茶にミルクを注いでいたわたしは、その突拍子の無いリナの発言に思わず首を傾げた。
「はあ?」
 夜、宿屋の食堂で寝る前に一杯、という時間である。一杯と言ってもお酒ではなく、わたしは紅茶でリナはココア。
 さっきまで明日以降の旅の予定を話し合っていたはずなのに。――それがどうして急に色の話?

 しかし、わたしの疑問に答えるような説明はなく、リナは話を続ける。
「いや、だから。海の青とか、空の青とか。海の青も碧がかってるのとか色々あるし」
 わたしはエメラルドブルーに輝く南の海を想像した。対して、北の海はさめざめと蒼い。
「そうねえ。……でも、赤だってそうじゃない? 夕焼けの赤とか、ルビーの赤とかあるし」
 そう指摘すれば、リナは考え込むように口元に手を当てた。
「んん、確かにそうね」
 ――一体どうしたと言うのだろう。

「……で、どうしていきなりそんな話?」
 尋ねれば、リナはココアに口を付けながら小さく笑った。
「いやあね、今日朝から暇だったからぼんやり考えてたんだけど」
「うん」
「ガウリイの瞳の色って、何の青かなーって……」
 明るいブルーだけど、単純に空色とも言えないわよね、なんて。ごく普通のトーンで問われて、わたしは目を丸くした。
 それから、声を上げて笑ってしまいそうになるのを必死で堪えた。
「……ふうーん」
「……なによ、その顔は」
「いいええ、別に? 暇だからって朝から一日ガウリイさんの事考えてるなんて、なんて愛情の深さかしら~、なんて思ってないわよ?」
 言って、にやりと笑ってみせれば、リナは目に見えて赤くなった。
「なっ…! べ、べつに深い意味はないのであって、なんとなく気になって……っ!」
 慌てて否定しようとするのがなんとも分かりやすくて、おかしい。――まったく、リナってばこういう所はお子様なのよね。
「はいはい分かってます分かってます」
「絶対わかってないでしょアメリアーっ!」
 わたしはムキになって騒ぐリナを宥めながら、わたしの瞳だって青なのに、なんて子供じみた事は言わないでおこうと決めたのだった。