夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2017年 8月23日(水)「終身雇用と年功序列型賃金」

2017年08月23日 22時05分16秒 | 「政治・経済」
8月21日に改良闘争と社会民主主義というものを書き、終身雇用と年功序列型賃金について少しふれました。ここでは終身雇用と年功序列型賃金について少し書きたいと思います。
その前に賃金とは何でしょうか。そしてどのように決められるのでしょうか。
ある企業がある商品を生産します。この場合、企業は投資したカネを商品を売ることによりまた手元に戻しますよね。これは企業の再生産として絶対的です。
労働力も資本主義においては一つの商品として成り立ちます。労働者は労働力(労働ではない)を企業に売って賃金を得ます。労働者は1回きり労働力を売るわけではなくて、次の日も次の年も週十年にわたって労働力を売ります。そして子供はその労働力(どのような労働かは問いませんが、労働力を売ることにおいて労働者です)を引き継ぎます。すると労働者は働く能力を再生産しなければなりません。これは絶対的です。
次の日も次の年も週十年にわたって労働力を売るための労働力の再生産費を労働者は賃金として受け取らねばなりません。
そして次の世代の労働力を再生産しなければなりません。
それではこの労働力の再生産はどのようにして生産されるか?それは賃金により毎日生活をすることにより労働力の再生産は行われます。
こう見ると、賃金とは労働力の再生産費であり生活費という事になります。
労働時間が長くなったり労働密度が高くなったりすれば労働力の再生産費も高くなります。過労死までさせられれば労働力の再生産自体が途切れます。人は生活をし続けることは権利ですから非人道的な社会悪です。過労死にまで至らなくなってもブラック企業というものもまた非人道的な社会悪です。労働力の再生産ができない低賃金もまた非人道的ですし、結婚をして子供を得られない状態(個人による生き方としての独身主義や子供をつくらないという考え方を除く)も非人道的です。企業が生産した商品を買いたたかれて元をとれないとしたらどうでしょうか?
賃金が労働力の再生産費としての生活費であるとすれば、独身、結婚、子育て、高額な教育、両親の老後・・・・・そして自分自身の老後。
このライフステージにおいて生活費は高くなりますね。
子の必要な賃金額を保証するのが年功序列型賃金の一面だったのです。
よく年功序列型賃金が同一労働同一賃金に反しているといわれますが、それは間違いです。同一賃金同一労働とは、その世代において例えば30代、40代・・・・と、同じ世代ならば同じ仕事すれば一定程度同じ額の賃金が保証をされることなんです。年功序列型賃金が基礎になければならなければ労働力の再生産ができなくなります。
この年公序列型賃金を維持するには、わかりやすいのが終身雇用です。
今年功序列型賃金と終身雇用が崩れてきていますが、どうでしょうか?同一労働同一賃金自体も低賃金の道具とされて生活が大変な世代も若い労働者と同じ低賃金になっています。労働力の再生産はまともにできていますか?生活を楽しみながら子供を育てられますか?
春闘の目的である賃上げは、生活できる賃金を!労働力の再生産費の賃金をよこせという事でした。そして労働力を使い捨てさせないための反合理化闘争でした。
今、この視点が再度必要になっているのではないでしょうか。そうしないと高度経済成長とは言いませんが、経済の成長もないのです。
このままでは日本はしぼんでいくでしょう。

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