この街にぴったりの暮れゆく色が、タクシーを降り、最初に見た景色。
長時間のフライトは、さほど苦にはならなかった。
あまりにも愛想のないCAには、いささかゲンナリしたが(笑)
まあどこの国にも、勘違いしたのはいるものだ。
ホテルに荷物を置いたら、何はともあれ、腹ごしらえ。
五人そろって、旅のはじまりに乾杯!
旅慣れない二人を、現地で待つTは、
「大丈夫?二人だけでフィレンツェまで来られる?」
と心配したが、
結局のところ、右往左往、身振り手振りで(笑)
ホテルまではたどり着き、無事、S家の三人と合流。
暮れゆくフィレンツェの街は、夢の中を歩くがごとく美しく、
荷物をほどいたのちの、
旅の仲間、五人揃っての夕食も、和やかに楽しく。
ゴンザ家のお供、パリからやってきたクマと、S家のお供、世界を旅したQ。
食後のそぞろ歩きは、美しい影の隙間を縫って...
人々のざわめきが、アルノ川を吹く風に流れる。
「明日は朝一番で市場に行くから!」
張り切るゴンザの、主目的は、
ランプレドットを食べること。
市場を見ること、歩くこと。
ここで買ったモヒートのアイスは全員が絶賛。
店じまいしたショーウィンドウも美しく。
夜のそぞろ歩きが楽しい、フィレンツェの街。
自分がこれまで作っていたものが正解なのか、
果たして本場の味はどうなのか...
目で舌で、確かめたい、
ただ、それだけで。
たち並ぶ宝石店がすっかり閉まっても、人通りはやまない。
フィレンツェ到着の夜。
翌朝に備え、ホテルのバーで、念入りに寝酒を仕込んだ私たちは(笑)
ベッドにもぐりこむやいなや、
いまだ「イタリアへ来た!」という現実感もないまま、
一瞬にして、眠りについた。
華の都の、川のほとりで。