そういえばワタクシたち、食いしん坊二人組み.....
ゴンザの夏休み中に、こんなことをやらかしておりました。
それは、「近年、横浜住民周辺blogでとみに「美味い!」と話題の『大珍楼別館』へ行ってみよう!」という話から始まったんですが.....
蔦の絡まる帝蚕倉庫を眺めつつチャリを漕ぐ
まずは中国料理店だけで239店もある横浜中華街の
(他に衣料・雑貨・工芸店133店、食料品店93店、サービス業89店、飲食店72店)
どこに『大珍楼別館』があるのか、下調べをして、チャリで現地へ向かったあたりまでは、その日の我々。
順調でございました。
いえね、『大珍楼別館』が中華街のどこにあるのかはわからなくとも、まだ少年の面影が残るころから中華街の裏手で働いていたゴンザにとっては、『中華街』自体は庭みたいなもの。
我々はすぐに目的地に着くと、チャリを我先にと停め、目の前の店に「ここだ!」と飛び込んだわけです。
で。
席に着くが早いか、メニューを睨みつけ.....
各所のblogで見た美味しそうな写真と同じ料理を探したわけですが.....
アレ?
全然同じようなものがない。
しかしここは間違いなく『大珍楼別館』。
さっき看板だって確認したし、ほら、メニューの表紙にだってそう書いてある.....?
「???.....!!!!!!!」
あ”あ”~~~~~~~っ!
『揚州茶楼』って書いてある~~~~!
麻婆豆腐が美味い『揚州飯店』
(横浜中華街では大手の店のほとんどが「別館」や「新館」「茶楼」などの数店舗を持つ)
そう、ワタクシたちは、中華街の盲点である、あまりにもゴチャゴチャした建物の配置にまんまとはまり込み.....
看板の反対側。
つまり隣の店に入ってしまっていたわけです(爆)
しかし....
いまさら「隣の店と間違えました」とは言えない。
いや、一度はゴンザがそうしようかと提案もした(笑)
だが.....
このハプニングを逆手にとらずに何が人生か!
私はゴンザに「せっかく間違えちゃったんだから、ここで少し食べて『大珍楼別館』との食べ比べをしない?」という提案をいたしました(笑)
そして、そこはそれ。
ノリのいいゴンザのこと。
即賛成が得られ、我々は麻婆豆腐とショウロンポウを揚州茶楼でペロッと完食。
『揚州飯店』系列は日本人向けのクセのないお味♪
おもむろに席を立ち上がると会計をさっさと済ませ、店を出るとすぐに隣の店のドアをくぐったという次第です(笑)
私があちこちで読んだ『大珍楼別館』の評価は、「日本人向けのアレンジがされておらず本格的な味」「とことん奥が深い」等のもの。
二人は期待で胸を膨らませ、あれもこれもと料理を選んでは、注文を済ませました。
(ちなみに横浜中華街で働く中国人には日本語をほとんど話せない人も多いです)
.....と。
料理を待つ間、誰かが、私へ向かって「おねえさん.....おねえさん!」と呼びかける声がする。
で、ふと、その声のするほうに目をやると、そこには手がにょきっと差し出されていて.....
隣の席に座っていたお兄さんが私にこんなものを差し出している!?
さて、コイツの正体があなたはわかりますか?
「よかったらコレ食べて♪」
見れば、お兄さんとその彼女(?)と思われる二人が座っているテーブルには、コレがたくさん乗った大皿があって、どうやら彼は私たちのために少しそれを取り分けてくれたよう。
.....でもどうして?
と、お兄さんは不敵な笑みを漏らしながら「まあ食べてみてよ♪食べたらそいつの正体が何か教えてあげるから」と、ご機嫌で言いました。
「いただきます♪」
コリコリと歯ごたえのある食感で香ばしいそれは、焼肉屋さんでよく口にするタンにも似て、とっても美味しい。
お兄さんは、差し出された料理を一生懸命食べては「美味しいです♪」という我々を見て、「それ、ダックの舌だよ。美味いだろ?」と、満足そうに笑いました。
「へええ~!」
いえ。
実はね、私はコイツの正体をなんとなくは知っていたのだけど、お兄さんがあんまり嬉しそうにしていたのでそれを言い出せなくって.....ちょっとだけ驚いた振り(爆)
でも、初めてコイツを食べたのは本当だったから、味の感想は素直に「美味い!」と。
何より、ただ偶然隣席に座った見ず知らずの我々に、楽しみを分けてあげようというお兄さんの優しい気持ちが嬉しい。
我々は「お礼に」と、田舎風蒸し鶏をおすそ分けして、しばしお兄さんと会話を交わし、笑いあいました。
(お兄さんは連れの女性と中国語で会話し、ご近所に住んでいるということでした。お兄さん、本当にご馳走様でした~!)
田舎風蒸し鶏
天使海老の蒸し物
で、肝心のお料理のほう、なんですが.....
噂どおり、あくまで日本人向けのアレンジはされておらず、特に蒸し鶏などにも使われている特製のタレが美味い!
ネギ油の香りも香ばしく、濃い目の味付け。
ただ、反面、それはどれも香りやクセが強いということで、ダメな人にはダメなんだろうけれども.....
とにかく、一度行っただけではとても理解出来たとはいえないので、今後何度か通ってみて、色々食べてみたいと思います。
八角の匂いが少し苦手な私にはちょっと...
でもゴンザは「美味い!」と唸った豚足の煮込み
チーズみたいな塩辛みたいな独特の香りがする
海老ミソが絡められたお肉が乗った茄子の蒸し物
酒飲みにはたまらんお味だね♪
しかしそれにしても、もし中華街の中に住んだとしても、あのゴチャゴチャした内部を探求しつくすにはどれぐらいの年月が必要だろう?
中国語が飛び交う『大珍楼別館』の中で、しばし、そこが観光地であることを忘れた我々。
おなかも心も大満足で店を出て、家路を辿る頃には.....
夏の日がもう、とっぷりと暮れていました。
* ちなみにこの新館や別館を持つ『大珍楼』を我々地元民は「だいちんろう」ではなく「たいちんろう」と読みます。
* あ、それから以前一緒に働いていた中国人の子によると『中国語』というのはないそうで、あるのは『広東語』とか『北京語』とか、大きく四つの言語に分かれるのだそうです。
そうそう!
とにかく日本最大級のチャイナタウンである横浜中華街は、数多の店が軒を連ねてややこしいったらないよね。
私も例の仕事に携わったおかげで、大珍楼は位置関係・入口の外観を全館知っていたけど、中華街では初めてのお店に行く時は要注意で、お店の看板を見つけてから、最後の最後にerimaちゃん達のように「あら!うっかり」って事態になりかねない。
だって食欲全開で行ってるんだもん。お店を見つけるまでは臭覚と注意力が最大限に集中してるけど、安心したらもう食い気ばかりになって注意力なんて失せるって(笑)。
だけど災い転じて福と成した二人はさすが!
中華街でハシゴをするような奴は私ぐらいしかいないと思った(笑)。
(※過去に一度だけだけど中華街でハシゴを、しかもそれぞれのお店でしっかりと7~8品ずつ食べたことがある。家に帰ったら本当に食い倒れて服のまま寝た。)
揚州飯店はね、何年か前に行ったことあるの。
で、食べ比べ対決はどうだった?
やはり奥が深い中国四千年の歴史を感じる(?)本格的なお味に軍配が上がったのかしら?
大珍楼はプライベートで是非、行ってみたいのよ!
でも本館、新館ともプライベート以外での出入りがあるでしょ。
その二館で供されるお料理は多分別館とは違って若干日本人向けアレンジがありそうだけど、おいしそうなお料理だなーって常々思ってたの。
海老アレルギーとなった今では難しいかもしれないけど、昔は天使海老の蒸し物もすっごーく食べてみたかったし…。
よっし!別館なら大丈夫ね!
げんちゃまんも会ったことのある私の友人達と企画中の中華街食い倒れツアーで行くお店は、大珍楼別館を勧めてみよう!
そうそう、ダックの舌は目にしたことはあったけど、まだ口にしたことがない。
あのガーガーとお喋りなアヒルの舌かー、ドナルドみたいな声になったらどうしようって心配で…。(嘘)
以前このblogで指摘されて、初めて「じゃん!」を「ああ、横浜の方言なんだなぁ」と意識した私。
普段は無意識に使ってるけど、そう考えてみると面白いものね~。
そういえば、西東京、及び埼玉あたりの人は、この「じゃん」を、私たちとは違う使い方するんだけど...あれはもともとの方言だったのかしら?
(例 B子「ねぇ、Aちゃん。まきまき様は今日ここに来るの? A子「来るんじゃん?」(「来るんじゃない?」の意。私たちはこういう風には「じゃん」を使わないじゃない?)
と、まあ、そんなことはどうでもいいんだけど(笑)
本当に中華街って、ややこしいことこの上ないよね。
間口が狭い小さな店がたくさん並んでいるし、それこそ新館・本館・別館・茶楼と同じ店でも違うメニューを出すし、出ては消え、消えては出て、の店はあるし...
いくら長年あの辺でウロウロしていても、あれを全部把握するのは無理そう(笑)
私も大珍の新館や本館は知ってても、別館があるなんて、他blogを見て初めて知ったし、なんか最近、本館だか新館が食べ放題専門店になったっていう話もつい最近まで知らなかったもん。
ちなみに、『女なのに叔父貴』Nさんの話では、大珍は新館が美味いって話だったけど、見た目だけの話でいえば、「プライベート以外で」(爆)目にしていた新館の料理と今回食べた別館の料理は全然違っていたわね。
あ、それから天使海老だけど、名前は魅力的なものの、海老自体の味は「ふ~ん、こんなもん?」って感じよ。
これだったらいばら海老のほうが数百倍も美味しい。
なかなか食べる機会に巡り会うのが難しいけど。
しかし、最近は中華街も客単価を下げてきてるから食べ歩きも以前より気軽に出来るようになって、そのあたりは嬉しいわね♪
(それにしたってあなた!はしごで7~8品ずつって!爆)
それこそ揚州なんかでは1500円くらいのコースからあるのよ!
昔の中華街では考えられないでしょ!?
でもってこれがそこそこのお味だから、これまたびっくり!
(ここはまさに日本人向けのお味ね)
ちなみに私は重慶が好きだけど、大珍別館は本当に日本人向けのアレンジがされていない感じだから、強い匂いが苦手な人にはあまり向いていないかも。
まきまき様は匂いの強いの大丈夫かなぁ。
あ。
ダックの舌はね~。
春節祭のお祝いの席でドカッと出されるわよね~。
(まきまき様もそこで目にしたのでは...?ほら、例の場所で・笑)
あれ以来、私は中華獅子の音色を聞くたびに、カンパイの直後にテーブル上に飛び散るダックの舌や、鳥の足、そのほか諸々の光景を思い出すようになりました。
(カンパイ直前にオバサンがナイフを振り上げ叫んでいたのも怖かった~)
そういやKちゃんはお獅子に追いかけまわされていたわね(爆)