猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

次の世代に残すもの。

2005年06月10日 23時47分12秒 | ぶ~すか言ってやる!
我が家の隣にお豆腐屋さんがある。いや、最近になって、本当の隣にキムチ屋さんが出来たので、お豆腐屋さんは、隣の隣だが、とにかくそこは、朝早くからご夫婦で営業をなさっている、昔ながらのお豆腐屋さんである。
そこへ先日、厚揚げ1枚を買いに行こうとした私だが、立ち上がって財布を手にしてから、ふとあることを思いついた。というより、前々からそうしようと思っていたことを実行に移すことにした。

台所から、ステンレスのボールを持ってエレベーターに乗る。そして、お豆腐屋さんに行き、店番をしている奥さんに声をかけ、「これに入れてください」と、ボールを差し出す...。
...すると、途端に奥さんは笑った。
私はなぜだか照れて、「だって、パックとビニールが勿体無いし、昔はみんなこうやって買いにきましたよね」と言った。奥さんは「そうよ!でも今はねぇ。でもそうよね。考えたらパックはゴミになっちゃうんだもんね」と、相変わらず笑っている...。

今、巷では「クール・ビズ」や「レジ袋有料化」が論議を呼んでいる。
と言っても、ノーネクタイが仕事に相応しいか相応しくないかの論議ではなく、クール・ビズにはネクタイ製造業者が、レジ袋有料化にはビニール加工業者が反発しているという問題だ。
確かに。いままで生活の糧を得ていた仕事が減るとなれば、彼らには大問題だろう。家族も養わなければならないだろうし、従業員の給料だって払わねばなるまい。
しかし、このまま環境が破壊され続けていれば、孫子の代まで地球は持つのだろうか?

それらの産業に携わる人々は「この業界だけ規制をするのはナンセンス」だという。
街頭インタビューでは、年配の男性が「それを問題にするのはお門違い」だと言った。
...では。
どこから手をつければいいのか。ただ手をこまねいていればいいのか。今ある自分と自分の家族のために。現在生きている地球上の、しかもその中の何分の1かの「先進国」と呼ばれる国の人間の幸せのためだけに...?

便利さを、現代化の恩恵を受けているのは私も同じで、偉そうなことなど言えた立場ではない。
しかし、これからのことを思うにつけ、後の世の人々のことも気になる。
石油は本当になくならないのか。地球は本当に焼け焦げないか。
人間が石油を使うようになって何年だろう...。それは人類史の何分の1だろう...。
それなのに、我々はもう、それを使い果たそうとしているのではないのか。
そして、次の世代に残してゆくのは、そのツケなのだろうか。

お豆腐を、器持参で買いに行く。
その素敵な習慣ですら、残せてないのに?



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4 コメント

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はじめまして。。。 (ミント)
2005-06-11 15:33:06
コメント&TBありがとうございました。。。

早速遊びに来てしまいました。。。



お豆腐屋さんが隣の隣。。。いいですねぇ。。。

手作りのお豆腐をボールを持って買いにいく。。。

昔はそんな感じでしたよね。。。

自転車でラッパを吹きながら来る豆腐売りが大好きでした。。。

その音が聞こえると母に「お豆腐買って」と言ってお手伝いさながらボールを持って自ら買いに行ったりしたものでした。。。

こう言う習慣。。。私が住んでいる田舎町でも消えつつあるようです。。。

淋しいですよね。。。
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お豆腐といったら、アルマイトのお鍋。 (t-cat)
2005-06-11 18:28:23
お魚や野菜は新聞紙でくるんで。

焼き芋はこれまた新聞紙できちんと作った

袋にいれてもらって持ち帰るんです。

世のお母さん方はかご持参でお買い物をしていました。

私が子どもの頃の風景です。



世の中、とかく無駄が多すぎる。

一つ規制をすると、一つ産業が圧迫を受ける。

死活問題になる。

だから規制が進まない……

なので現状維持でこのまま……



経済活動を中心に物事を考えるから

堂々巡りになっちゃうのではないかしら、と、

あっさり考えてしまうんですが、

たとえば、昔はなかったレジ袋、

今もホントは不要なのではないでしょうかねえ。

簡便さを求めるからしわ寄せが使う側に

来ないんですよね…



最近、昭和30年代頃の風俗を懐かしむ傾向がありますが、

ノスタルジックな思い出に浸るだけではなく、

当時の生活様式と今を比べてみて、

若干の不便も豊かさの内、という考えには

いかないものかしら、と思いますね。
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いらっしゃいませ! (erima)
2005-06-12 01:08:04
ミント様



早速お越しくださいまして

ありがとうございます!



ラッパのお豆腐屋さん...懐かしいですね。

当時お手伝いをすることは、ボールを持って

お豆腐を買いに行くことは、

なんだか気恥ずかしいような、誇らしいような、

子供にとっての大切な仕事でしたよね。

そしてそこから私たちは、色々なことを学んだのだと

思います。

ミント様が買いに行ったお豆腐も、素敵な思い出と

なったのですね。



せっかくの良い習慣なら、残してゆきたい。

本当は大人のみんなが、そう思っているはずなのに、

世の中の流れはそれと逆を行く。



でも、私たちがそれを大切に思っている限り、

どこかで、それは続いていくのかもしれません。



また、遊びに来てくださいね!
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思い出してしまった... (erima)
2005-06-12 01:30:37
t-cat様



t-cat様のコメントを見て、関係ないようですが

「映画クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶモーレツ

 /大人帝国の逆襲」

を思い出してしまいました。

もうご覧になりましたか?

これは私の中で、ここ数年の邦画№1で(と言っても

私はあまり邦画を見ないのですが)、

ゴンザと2人、大号泣したのも記憶に新しいところ

です。

そこでは、昭和30年代の風俗が生き生きと描かれて

いて、なんでも巷でも、子供たちより大人の胸を

熱くしたとか。



何でも簡便にするから会話がなくなる。

便利が時間に余裕を持たせるのではなく、

どんどんと時間を奪ってゆく。

そもそも日本人は「豊かさ」の解釈を間違えて

きてしまったのではないでしょうか。

戦後の焼け野原から立ち直るには、経済中心の

「豊かさ」を求めることこそが起動力となったの

でしょうし、だからこそ今、経済的に豊かな暮らしを

享受している我々があるのですが.....。

みんな、そろそろ原点に返るときが来たのかも

しれません。



t-cat様が新聞の袋に入れてもらった焼き芋は

甘かったですか?

ちょっぴり香るインクの匂い...

懐かしいですね。



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