猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

ねないこねこ

2006年10月13日 09時04分54秒 | 猫たち
猫が『ねこ』と呼ばれるようになった理由については様々ないわれがあるが、一説には猫は、『寝てばかりいるから寝子』の『ねこ』だという。

しかし我が家のちゃあこは眠らない。

人間と共に行動し、ひょっとすると自らを人間と思っているフシのある彼女は、いつも限界まで起きて、そして人間のように集中して眠る。

例えば、十六夜の月が美しかった先日の夜で例えれば.....

午後4時に起床したゴンザと同時に目を覚ました彼女は、まずは一回目の『遊んで♪』攻撃を開始。
その後、ゴンザと私が食事を済ませ、ゴンザが出勤の用意を整える間、甘えに甘えてまとわりつき。

私がせっせと部屋の掃除→洗濯→キッチンの片付けと追われる間も、まったく寝ようとはせず、手が空いたころを見計らっては『遊んで♪』攻撃をするために、お気に入りのオモチャを咥えて目の前にやってきて.....
PC前に私が座っている間も、邪魔をしたり、甘えたり。

結局寝付いたのは、午前1時ごろという有様だ。

「猫は10歳も過ぎれば、目を覚ましている時間などほとんどない」
なんて、誰が言ったのか?

ちゃあこ。
もう15歳なんですけど!

ま。
元気でいてくいれるのは、それだけで本当にありがたいけれど。
あんまりに寝ないのも、少し心配になる(笑)

そこでご本人に、
「ねぇ、ちゃあこ。
 ちゃあこはなんで、眠るのが嫌いなんだろ?」

と、おたずねすれば、なんだかちょっぴりいじけた態度。



                  だって.....


                 
           ちゃあこもお月見したかったんだもん。


ああ、そうだったのか...。

サイクリングロード

2006年10月11日 23時25分57秒 | お出かけ
芋掘り前日、日曜のこと。
先日買った自転車に乗って畑へと出かけてみた。

                     

我が家から程近い場所と、畑のほぼ目の前まで続いているサイクリングロードを通り、ゴンザと共にのんびりと。

川辺に揺れるコスモスのさざなみを横目に、汗ばむような陽気の中。
えっちらおっちら自転車をこぐ。

 しなやかさゆえ、強い風にも負けません。


もう10月というのに、くっきりと影を映す強めの陽ざしを受け。
前日の嵐が去ったのに安心したのか、こんな方ももぞもぞ動き出し.....
我々が自転車を停め、自分に注目しているのを知ると、強気の戦闘態勢(笑)


           
               カマキリ: 『やんのか!?コラ!』
                 erima: 『そんなとこにいると轢かれちゃうよ~』


しかし。
面白半分にゴンザに持ち上げられ、一気に戦意喪失のこのお方(笑)

サイクリングロード脇にある草むらにお帰りいただく前に、記念写真をご一緒に。

     
カマキリ: 『さっきはえろうスンマセンでした...あの。帰してもらえませんか?』
 ゴンザ: 『カマキリ拳法破れたり!お前の名前は今日からラビットだ♪』

思わぬ出逢いにときおり休憩しながらも、砂利道に苦戦し、
向かい風に負けそうになりながら、畑へとたどり着けば。
なんだかすっきり気持ちがいい。

だけど.....
身体ひとつでこぐ自転車の道は、
行きはヨイヨイ帰りはコワイ(笑)

はりきって出かけたはいいけれど。

家に帰りつく頃にはゴンザに
「満身創痍だね、erimaちゃん♪」
と、言われるほどに、疲れきっていた私だった.....(笑)

くっそう~、負けないぞ~!

かつての...そして未来の。

2006年10月10日 20時26分30秒 | 
突き抜けるように晴れた、青く遠い秋空の下。
ついに我が家の畑も芋掘りのときを迎えた。

私が最後に芋掘りをしたのは確か幼稚園の頃だったから、まさにウン十年ぶりの大イベントとなるが.....。

初夏の頃に植えた何本かの芋の蔓は、夏中旺盛に伸び、その生命力を誇示してきたから、地中でそれがどれだけ頑張ってきたのか、期待は高まる。

私とゴンザは、早朝から、張りきって畑へ出かける準備をした。

と、いうのも、今回の芋掘りには、ゴンザの同僚一家と私の友人一家を招いていたから。
どちらの家庭にも小さな女の子がいるので、ぜひとも彼女らに、芋掘りの楽しさと、土をいじる喜びを体験させてあげたかったのだ。

バーベキューと焼き芋の準備をして、我々は畑へと乗り込んだ。

                 
  友人が持ってきた子供用の椅子。最近の子供グッズはすごい!
  ここに小さな女の子が二人腰かけ、お話する様子を想像してみて♪


まずは、みんなが足りないものを買出しに行っている間。
私が芋の蔓をすべて刈り取る。

ハサミを入れれば、その切り口から水が滴り落ちるほどに水分を多分に含んでいる芋の蔓はずっしりと重く、かなりの重労働だが、子供達の笑顔を想像し、ひたすら頑張る(笑)

そして。
みんな揃って手袋やら帽子やらで完全防備を調えたら.....

刈り取った蔓の根元を探って、ひたすら掘る。
慎重に掘る。
大人も子供も掘りまくる。

そこここで湧き上がる、歓声と笑顔。

これぞ、私の夢見た畑の.....芋掘りの光景だ。

そう。
これはかつての私の姿。
そして、あなたの姿でもある。

この子供達がこの芋掘りのことを、大きくなっても覚えているかはわからないけれど。
この写真は、きっといつしか、彼女の宝物になるだろう。

            

なぜなら。
私も父と撮ったこんな写真を、今になって初めて宝物と思えているから。

こうして.....
人は繰り返してゆくのだ。

                  
       小さな手と大きな手。どちらも一生懸命芋を洗う。


我が家の畑の芋掘りは、思った以上の豊作で、大盛況だった。


ビールを飲みつつ、談笑する大人たち。
コンクリートの上ではなく、土に転び、また駆け回る子供たち。

子供らしい素直さで摘まれた花と、大事そうに抱える茄子。

虫、カエル、立ち上る煙.....。

時代が変わろうとも、大事なものはなにひとつ変わることはない。
人が初めて火を熾してから何千年、何万年が経ったか知らないが、こうして私たちも今、火を見つめつつ、生きる喜びを感じているのだ。


ゴンザの同僚Aの見事な働きぶりにより、畑には穴が掘られ、そこに炭火が入れられ、みんなで掘った芋が放り込まれた。

藁で蓋をされた即席焼き芋オーブンは、煙に巻かれながら、汗びっしょりで火の番をし続けたAの活躍で見事に芋を焼き上げる。



そして.....
熱々のそれを楽しみに、アルミホイルと新聞紙を破いて芋を取り出せば.....
秋の実りを感じさせる美しい色!

           

泥だらけになりながら、遊び、働いた皆は、口々に
「美味しいね♪」
「あっついね~♪」
と言いながら、自らの手で掘った芋を味わった。


そう。
これはかつてあなたが見た光景。
そして未来の.....。

この子供達が大きくなって、この光景を覚えているかはわからないけど。

きっとどこかで受け継がれて、それが新たな喜びとなる。

命を生み出す畑にこそ。
こんな光景が相応しいのだ。

人生の工場

2006年10月08日 02時19分28秒 | ハ~プニング!
『他人の見た夢の話ほどつまらないものはない』という。

脈略のない、漠然とした光景の断片を継ぎ合わせながらする、他人の見た夢の話など。


しかし、私は誰かを退屈させずにはいられない。

私は.....
白昼、とても不思議な夢を見た。

そう。
台風の去った天気の良い午後。
私は不思議な夢を見たのだ。


それは....その夢は。
真夏の空の下。
私とゴンザが巨大な企業の敷地に入ってゆくところから始まる。

私はゴンザにその直前に買ってもらった、ゆったりとした木綿のワンピースを着て、その敷地の中にある、巨大な建物の中を回り始める。

二人の傍らには、50代と思しき男性がなぜか一緒にいて.....
彼は建物内の各部署を見て、自分がこれからどこの部署で働くべきか考え決めなければならないらしく、私たちと共に、各部屋へと歩みを進めてゆく。

一生懸命バタバタと体を動かして働く人々のいるフロア。

無言で働く人々のいるフロア。

と、次には、小さな個室で、ゴチャゴチャと書類など並べた中、余裕の笑みで働く定年間近と思われる紳士を見つける。

なぜか、部屋を覗き込む黒人の少年を傍らに、自分の椅子を自慢げに指し示し語る紳士。
それがアンティークであること。
つやつやと光る背もたれを撫でながら、それに腰かけ、彼がそこで過ごした歳月のこと.....。

私たちと、共にいる男性は熱心にその説明に聞き入ったのち、先へ進む。

と。
お次の部屋は、左右に無機質なコンビニのようなショーウインドウ。

中にきっちりと、一種類の商品につき、一個ずつ陳列されたガラス扉。
その前には、なぜかガードマンのように、体のうしろできっちり手を組み、無表情のまま、シワ一つないダークスーツを着た男女が秩序よく、等間隔に立っていて.....

私たちと同行している男性は、不安そうにその光景を見回す。

そして。
ついに部屋の出口にさしかかったとき。
ふいに現れた一人の白髪の男性に彼は呼び止められるのだが.....

その白髪の男性は自分の履いた古い茶の革靴を指し示し、彼にこう言うのだ。

「自分はこの靴を父から受け継ぎ、ずっとずっと大切にしてきた。この靴の艶は、自分の誇りだ」
と。

茶色く、しかし、ところどころ黄色っぽく退色してしまっている上等な革靴。
小さな傷がいくつもあるけれど、それがあるためにかえって味わいを増して、長年に渡って丁寧に手入れされてきたのがよくわかる、つややかな靴。

我々と同行する男性は、黙ってそれを見つめ続ける.....。

そして。
再び三人が歩きだしたとき。

急に視界が明るく開け、私たちはその部屋の出口をくぐり、カフェテリアのような場所に出る。

カフェテリアの奥にはガラスの扉。

と。
我々と同行した男性はその扉を凝視し、立ちすくんだあと、そこに誰かの姿を認めて、顔を歪めて泣き出す。

なぜならそれは.....。
そこに映ったのは、彼の父の姿だったから。

そして.....。
それは実は彼の父の姿ではなく、歳を重ね、父といつしかそっくりになっていた、彼自身の姿と気づいたから。



私とゴンザは、敷地をあとにする。

自分の中に、本当に大事なものを見つけたらしい、同行の男性をその場に残して.....

夕暮れの中、
「このワンピースを買って正解だったね」
と、和やかに笑いながら、その敷地のゲートをくぐる。



『他人の見た夢の話ほどつまらないものはない』という。

しかし、私は誰かを退屈させずにはいられない。

なぜなら.....

いや。
答えは見つからないけれど。


この夢に不思議なものを感じたのは.....
今夜が満月だからだろうか。