今年の夏に夫がパミール高原に旅行して買ってきてくれた染め材、今回が最後です。
いよいよ、最後の材料 カモミールです。
これは染め材として売っていたものではなく、お茶として売っていたものだそうです。
飲み物として売っているものは「安心だから」ということで買ったそうです。
〔飲めるもの→染め材〕は成り立ちますが、〔染め材→飲み物〕は成り立ちません。
染め材屋さんで売っているもので、例えば〈うこん〉は飲めませんから用心してください。
飲料として売っている〈うこん茶〉は飲めます。当たり前です。
このカモミール、畑から刈って束にして売っていて、これを細かく切ってポットに入れて飲む。
私は、これを細かく切ってから水に入れ2度煮出して染め液を作りました。
こんな色になりました。
(フラッシュが光っていて ごめんなさいね)
カモミールなどのハーブを染める時は、同浴染めという染め方をします。
通常、染めは染め液に入れる前に媒染をする先媒染、これはミョウバンを使います。
前回『クルミを染める』にも書きましたが、絹糸というのは脂がノッていて染め液もはじきます。
そこで精錬という作業をして脂と汚れを取り除きます。
〇 媒染はこのあとでミョウバンで媒染した後、染め液に入れて煮て染めます。
〇 後媒染は染め液で染めた後に木酢鉄で鉄媒染、酢酸銅で銅媒染をします。
さて、同浴染めというものは染め液の中にミョウバンを入れてしまって染めるものです。
なぜなのか、ハーブの種類で染める時は同浴染めをします。
というわけで、糸が入っている写真です。
染めは沸騰したら弱火で30分煮立て、翌日までおきます。
《翌日》
鍋の蓋を開けてこんなです。
写真では定かではありませんが、ほとんど色が糸に吸収されて、液体は透明に近いです。
こんふうです。最初の色がほとんどなくなっています。
朝日に向かってベランダで干される染まったカモミールです。
乾いた糸がこれです シルク平巻糸1/6(67g 317m)を3綛染めました。
とても柔らかい黄色に染まりました。まさしくカモミール色です。
夫は 昨年 キルギスタンでもカモミールを買ってきてくれましたが、
その色に比べると柔らかい色になりました。
キルギスタンのカモミールは、もっと濃い色で力強い男性的な色ですが、
このウズベキスタンのカモミールは女性的な優しい柔らかい色です。
日本で染め材屋さんで売っているカモミールはドライの花だけのせいか、
もっと薄い色です。
それにしても、カモミールの香りがプンプンして部屋に下げていると
部屋中、カモミールの香りです。
このところ、染めるだけで織りまでいけないんですが、今は染めるのを主体にしています。
寒い日、冷たい水で染めに入り、翌朝 まだ明けやらない朝に仕上げをする・・・そんな毎日です。