絵織りの制作に入って随分と時間がたってしまいましたが、
やっと完成しました。
題材は変わっても、スラスラいかないのが絵織りです。
絵具で絵を描けるなら どんなにいいのか、写真だったら どんなにいいのか
と、いつも思います。
糸で表現することの難しさ・・・
今回も、行きつ戻りつ、なかなか進みませんでした。
夜 終わるときに「なかなかいいんじゃないの?」と自分に言いますが、
朝 織り機を見て「いえいえ、これじゃダメよ」とガッカリして糸をほどきます。
そんなことをしながらも、なんとか完成させました。
でも、これで満足しているわけでは ぜんぜんありません。
妥協かな?これでいいのかな?と思いつつ、とにかくアップします。
来年の個展のタイトルを≪’O sole mio ! ー美しいイタリア≫としました。
2010年にシチリアと南イタリアへ旅行しました。
そのシチリアの美しさを昨年(2015年)の個展で表現しました。
この春に残っていた北イタリアへ旅行し、来年の個展は、迷わずイタリア本土の美しいところを
私なりに表現したいと思っているのです。
隔年で開いてきた個展ですが、次回は7回目となり、定期的に開くのはこれで最後にしようと思っています。
織りの作業場に入るとき
「決して入らないでね。無断で入ってきたら、私は鶴になって飛んでいくわ」とカッコつけてきましたが、
その実、制作過程はストイックで神経が尖がります。
色も織りの技巧も技法も、頭で描いている通りにいくものではありません。
イメージは限りなく溢れてくるのに、形にできないもどかしさ・・・
そんな時、美しい歌声を聴くことで、心のとんがりが滑らかになることがあるのです。
定期的な個展を開くことの最後に、その歌声を形に残せたら・・
その想いで、第一弾の絵織りとしてこれを織りました。
『イタリアを歌う』 50×38 額入り
もちろん イメージとする方はいらしゃるのですが、名前は記しません。
実は こんなものではなく、もっと素晴らしい方なのですが、私の表現力ではここまでです。
さて、次の絵織りが待っています。
ところがその前に、染めが入ってきてしまいました。
我が家のマンションのアカシアの花が落ち、それを掃き溜めて染めようと思っていたのですが、
毎日、追いつめられるように絵織りを織っていて、諦めようとしていたところ、
夫が活躍してくれて、頼みもしないのに掃き溜めてくれました。
砂や小石をふるい落とし、乾燥させて「さぁ、いつでもどうぞ」と言われてしまったので、
絵織り第1弾が織れた今日、染めに入りました。
近いうちに 結果をご報告します。