※シリーズ⑥です。どうかお読みになって、問題があると思われた方は、パブリックコメントでご意見を大阪市教育委員会にお寄せください。締切1/4
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◆大阪市教育振興基本計画「素案」
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000194/194120/soann.pdf
大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する⑥
「伸ばす子はしっかり伸ばす」教育と「習熟の遅れを取り戻すための特別学校」の設置がもたらすもの
http://blog.goo.ne.jp/osaka-edu/e/65bb2a87f1503f386b29533b6ff6b62d
「素案」には、「中学校の国語・数学・英語・理科で1年間を通じた習熟度別授業の実施」が盛り込まれています。これまでも習熟度授業は進められてきましたが、予算的な裏付けがなく部分的にしか行われてきなかったものが、年間を通じた習熟度別授業を目指すとしています。習熟度別授業は、子どもたちを学力別に分けてクラスを分割して授業を行うものです。「出来る子」にはどんどん進んだ内容を教え、「出来ない子」には劣等感を植え付けるものでしかないのではないでしょうか。
他方で「素案」では、「習熟の遅れを取り戻すための特別学校」の設置や、いじめた子の出席停止の活用や学校外での指導=学校からの排除も盛り込んでいます。「枠にはまらない」子どもたちを排除していこうとする姿勢が伺えます。その立場におかれる子どもたちの心情は全く考慮されていません。
クラスにいる子どもたちは、様々な学力や個性を持ち、それは教科・学校生活の場面によっても大きく違うし、得意なものも苦手なものも違う子どもたちの集まりです。そのような多様な子どもたちの集団だからこそ、お互いに協力し合い「学び会う」のではないでようか。学力別に分離していく集団作りは、差別と格差を子どもたちに植え付けていくしかないと思います。
「素案」の根底には、橋下市長の「教育観」があります。
橋下市長は、第2回有識者会議で小学校低学年からの理科の復活、塾代バウチャー、習熟度別学習の徹底、「児童放課後いきいき事業」の公募化などを主張し、「素案」に盛り込ませました。そこでは「悪しき画一主義、頑張っている子が頑張っていない子に引っ張られているのが現状。今は頑張る子どもを伸ばそうというように推進している。」「下位層の底上げの一方で、上位層をさらに伸ばすということが不足していた。」と、一部のエリート優先の教育を行うことを具体化したのです。
このままでは、大阪で蓄積されていた「共に学び共に生きる」教育、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」推進された仲間作りを根本から否定することになるのではにでしょうか。
こりゃ、あかんわ。
こんなんしたら、ますます、大阪の子どもらは勉強する気なくすわ。
子どもらはようわかってんで。
「やっぱり、おとなは、勉強のできる子、お金のある子のことしか考えてへんねんや。」って。
それに勉強のできる子は天狗になるばかりや。
人の心の痛みがわからへん奴が(今以上に)エリートになっていくなんて、ああ、おそろし!
子どもは、いろんな子どもがいるなかで、大きくなっていくんや。
大人の都合で子どもを分けてどうすんねん。
大人はチットは子どもから教えてもわなあかんな。
(大阪のおばちゃんより)