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大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する⑤
学校選択制の導入と学校統廃合の加速
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大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する⑤
学校選択制の導入と学校統廃合の加速
2010年2月、大阪市学校適正配置審議会は、「今後の学校配置の適正化の進め方について」において、「11 学級以下の小学校全体を適正化の対象として再整理」するとしつつ、段階的で慎重な統廃合と小規模校の利点を生かした創意工夫した教育の推進が掲げられていました。
具体的な「適正化」の方針は次のようになっています。
(1)今後とも児童数が120 名以上に増加する見込みが立っていない小学校は、「保護者・地域関係者に対し、学校が抱えている現状や課題など情報を提供し、速やかに「統合」に向けた調整を進めるべきである。」
(2)次に該当する小学校は「児童数の推移を注視しながら、より規模の小さい小学校から順次取り組みに着手されたい。」としていました。
a)今後児童数が120 名を下回ることが見込まれる小学校
b)現時点、もしくは今後、全学年単学級の状況にあると見込まれる小学校
c)今後、7 学級以上11 学級以下の状況にあると見込まれる小学校
つまり120名以下の学校では統廃合を進めつつ、120名以上の学校においてはa)→b)→c)と慎重に進めていくことが基本でした。しかし、「素案」は、この「適正化の進め方」とは大きく違います。2015年度末までの「11学級以下の小学校についての適正化」が盛り込み、3年間で(1)だけでなく(2)のc)まで一気に進めることを方針化したのです。
現在、「11学級以下の小学校」は、小学校は全体の約3分の1に当たる101校あり、北、浪速、生野、西成区では11 学級以下の小学校が区内の学校数の半数を超えています。地域から学校が消える深刻な事態が進む可能性があります。最も被害を被るのは子どもたちです。
橋下市長はかつて「子供たちのため、統廃合は喫緊の課題なのに、住民の合意がどうこうと言っていたら何も進まない。学校選択制で選別にさらし、統廃合を促すしかない」と主張していました。今回の「素案」の中でも、学校選択制推進が前提となっています。これまで小規模校の統廃合は、地域からの強い要望や小規模校の良さを踏まえて、簡単には進めることが出来ませんでした。しかし橋下市長は、有識者会議の中で「『しない、させない、越境入学』という・・・価値観をやめよう、学校は選ぶものなんだということを今は言っている。」と述べました。
学校選択制と学校統廃合の急促進は、一体のものとして進みつつあります。「素案」は、2014年度から学校選択制導入することによって学校を市場原理に投げ込み統廃合の梃子にするものです。
結局、学校選択制っていうんは、学校をつぶすためにあるってことやんか。
しかも、学校は自分の責任で、子どもを呼び集めることができひんかったからつぶれるという形になるわけなんや。
きっとそん時、橋下はんも(橋下さんはその頃にはおらんかもしれへんけど)教委も言いよるやろな。
小学校を廃校にするとき、
「行政がつぶしたんやのうて学校がつぶれたんや。学校の努力が足らんかったんや」って。
そういうふうにして学校つぶして、予算を浮かせるつもりなんかいな。
子どものこと、考えたりいや!
兄ちゃんの通っていた小学校、つぶされて、妹は遠い小学校に通わなあかんことが起こるわけや。
しかも、場合によっては、電車に乗って。
大阪で、なんで、電車に乗って公立の小学校に通わなあかんねん。
選択できるっていうけれど、選択なんかせんでよろしい。
近くの小学校に通うのが一番。
(大阪のおばちゃんより)