根津公子さんから届いた東京都立高校卒業式でのビラまき報告記です。根津さんらは、卒業生や保護者の方々と卒業式の「日の丸」・「君が代」問題を共有しようと毎年されています。
報告記を読むと、校長や教頭の対応、子どもたちのようす、保護者のようす、学校や地域のようす等、「時代」が浮き彫りにされています。「時代」にそのまま流されないためも、私たちは声をあげ続けようようと思います。
都立学校チラシまき 報告3 根津公子
(報告1,2は解雇をさせない会のHPにも掲載されています)
2月25日(月)
今朝のチラシ配りは第5商業高校。
昨日、町田教組前委員長の菊岡さんから「一緒に配るよ」とのうれしい申し出があり、2人で配った。
配り始めて15分経った頃、出勤してきた男性がチラシを受け取りながら、「何時頃から撒いているのですか」という。
「なぜ、そんなことを聞かれるのですか」と聞き返すと「私はここの校長です」。
そして続けて、「あなたはどなた?」というので、チラシに書いた会と私の連絡先を指して、「私はここに書いた根津といいます」と自己紹介した。
さらに校長は私たちに簡単な注意を告げたので、「常識はわきまえていますので、ご心配なく」と答えると、了承したという感じで中に入って行った。
さらに10分経った頃、今度は校舎から男性が出てきて、「私は副校長のSといいます。
いろいろあると思いますが、敷地には入いらないよう気をつけてください」と告げた。
「ご心配には及びません。私たちは、生徒たちに『日の丸・君が代』を尊重せよと押しつけることを問題だと思い、チラシを配っています。副校長さん、そうではないですか」と返すと、副校長は一瞬困った表情をしたので、「立場上、答えることはできないと思いますが、学校が生徒たちを犠牲にしてはいけないと思います」と、副校長が返事をしなくていいように配慮した。
ここの校長も副校長も、都教委のマニュアルを200%読み上げるような恥ずかしい対応はしなかった。他の校長同様、都教委の指示に従って「部外者」に「忠告」を発したのだけれど、心を残していた。この方がよほど、効果的な「忠告」になる。
ここでは教員の8割がたが受け取ってくれた。「ありがとうございます」と返事を返してくれる人も何人かいた。
中に、一人だけ「(ここで)何をしているのか」と菊岡さんに食いかかってきた男性がいた。男性は、「私も組合の人間だけど、生徒に(も配ってんの)」と凄むように詰問し、しかしなぜか答えを聞こうともせず、チラシの受け取りも拒んで入っていった。
受け手の教員たちに私たちが何者であるかを示すために、「強制反対 日の丸・君が代」と記したゼッケンを私のカバンに控えめに着せた、その表示だけを見て、その男性は言いがかりをつけてきたのだろう。
批判をするなら、せめてチラシを読んだうえでしてほしいものだ。その度量はないのだろうか。
「偏見で物ごとを見るな」「異なる意見にも耳を傾けよう」なんて言葉を、この教員は生徒たちに投げかけることはないんだろうな。
今朝も2人だったから、気持ちは軽やか。「最大級の寒波」だというのに寒さを感じなかった。
「ご心配には及びません。私たちは、生徒たちに『日の丸・君が代』を尊重せよと押しつけることを問題だと思い、チラシを配っています。副校長さん、そうではないですか」と返すと、副校長は一瞬困った表情をしたので、「立場上、答えることはできないと思いますが、学校が生徒たちを犠牲にしてはいけないと思います」と、副校長が返事をしなくていいように配慮した。
ここの校長も副校長も、都教委のマニュアルを200%読み上げるような恥ずかしい対応はしなかった。他の校長同様、都教委の指示に従って「部外者」に「忠告」を発したのだけれど、心を残していた。この方がよほど、効果的な「忠告」になる。
ここでは教員の8割がたが受け取ってくれた。「ありがとうございます」と返事を返してくれる人も何人かいた。
中に、一人だけ「(ここで)何をしているのか」と菊岡さんに食いかかってきた男性がいた。男性は、「私も組合の人間だけど、生徒に(も配ってんの)」と凄むように詰問し、しかしなぜか答えを聞こうともせず、チラシの受け取りも拒んで入っていった。
受け手の教員たちに私たちが何者であるかを示すために、「強制反対 日の丸・君が代」と記したゼッケンを私のカバンに控えめに着せた、その表示だけを見て、その男性は言いがかりをつけてきたのだろう。
批判をするなら、せめてチラシを読んだうえでしてほしいものだ。その度量はないのだろうか。
「偏見で物ごとを見るな」「異なる意見にも耳を傾けよう」なんて言葉を、この教員は生徒たちに投げかけることはないんだろうな。
今朝も2人だったから、気持ちは軽やか。「最大級の寒波」だというのに寒さを感じなかった。
都立学校チラシまき 報告4 根津公子
2月28日(木)
7時10分、A高の正門前で教職員の出勤を待った。
10分ほどしてようやく一人が出勤し、チラシを手渡した。
さらに10分ほどして、2人目の教職員がやってきた。声をかけて手渡そうとしたが、手は差し出さず、中に入って行った。この頃から生徒の登校が始まったが、教職員は私の前を通らない。
別の入り口に回ったり、正門前に来たりしたが、せいぜい10人くらいの教職員の姿しか、見えなかった。
始業時刻と思われる頃、明らかに60代と思われる人が7~8人出勤してきて、その大方がチラシを受け取った。非常勤教員だった。
一人の女性は、「やっぱり、この(「日の丸・君が代」)問題のね。そうかなと思いながら、来たわ」と受け取られた。私が名前を名乗ると、「やっぱり、根津さんだったんだ。」「申し訳ないです、座れなくて。生活がかかっているもので」とおっしゃる。私の集会にも参加されたことがあるとも。そして、ご自宅で採れたという菜っ葉をたくさん下さった。
八王子北高校もそうだったけれど、ここも7時前に出勤する教職員の方が多いようだ。
「君が代」不起立を続けている教員がいるなんてことを、教職員のほとんどは知らない。職場で話題になればいいなと思いながら、今朝もチラシを手渡した。
3月1日(金)
7時10分から八王子東高校で教職員にチラシまき。
昨年の卒業式の朝、「ご卒業おめでとうございます」と大きな字で見出しをつけた包囲ネットのチラシを撒いた時、生徒(卒業生)の受け取りの悪さに驚いたことを思い出しつつ、生徒にも挨拶のことばを掛けたが、多くの生徒は無視して通り過ぎて行った。
7時47分、出勤してきた男性が、「通行の邪魔にならないでください。ここは小学生も通りますので」と言う。
「私は常識も良識も持っていますので、その心配はご無用です。でも、あなたが今おっしゃったことは、私にその常識・良識がないと思われてのことですね」――「いや、そういうつもりは…(ない)」
「あなたは、どなたですか」――「私はここの学校関係者です」
「学校関係者?校長ですか」――無言
校長であることを隠す必要はないだろうに、返事をしないで、校長職にあるものとして言うべきと思わされていることを言うと、中に入っていった。
きょうも私から2メートルほど離れたところで、2人の進学塾関係の宣伝マンだろう人が生徒にチラシを配っていた。
その2人は、人一人が通れる広さを残して歩道の両側に真向いに立っていたのだ。それは明らかに通行の邪魔になった。
そう思いながら、私は2人を見ていたのだった。しかし、校長らしき男性は、その2人には何も言わずにそこを通り過ぎてきたのだった。
8時頃、「あそこに非国民がいるじゃないか。日本国民の恥だ」という声がした。見ると3階の教室の窓を開けて、私の方を見ている男子生徒が3人いた。たちまちほかの窓も開けられ、数えてみると9人がこちらをみている。うち、女子が1人。
しばらくして教員がチラシを受け取ると、「あいつも非国民だ」と言った。
また、友だちなのか、登校中の生徒に、「『日の丸・君が代』強制反対のチラシをもらってきてよ」と、何度か声をかけていたが、私に「ください」と言ってくる生徒はいなかった。自分でもらいに来れば、何枚でもあげたのに。
8時半、始業時刻になったので私は引き揚げた。
1,2歩歩き出すと、また、その集団から「帰っていく-」の声。
それまで30分もの間、教室の窓はほぼ全開だった。他の生徒は、文句を言わなかったのだろうか。
教職員の受け取りも悪かった。1時間半でチラシは14枚しかはけなかった。一人だけ、「よく頑張ってくれて!」と言ってくれた教員がいた。
10・23通達が出た最初の卒業式では、この学校の教職員は、「君が代」の時は入場していなくて、「君が代」が終わってから皆一斉に入場したのだそうな。
教員が「日の丸・君が代」について口を閉ざし、起立斉唱の職務命令に従ってきた中で、生徒たちは「非国民」ということばを使うまでになった。若者の右傾化が言われるけれど、それを許してきたのは、大人たち。とりわけ、教員たちであることを問わねばならないと思う。
明日からは卒業式当日のチラシまきに移る。
都立高校チラシまき報告5 根津公子
佐々木さん、鳥居さん、レス、ありがとうございました。
お久しぶりの方にも現況報告として、送らせていただきます。
3月2日(土)
第五商業高校の卒業式に参列する卒業生と保護者、教員に向け、「ご卒業おめでとうございます」とのタイトルがぱっと目につくチラシを手渡した。私たちは2人。
7時半から始め10分ほど経った頃、副校長がやってきて、挨拶に続けて「よろしくお願いします」と言った。「よろしく、とおっしゃるのは、どうよろしく、ですか」と訊くと、「生徒の迷惑にならないようにということです」と副校長。「もちろん、心がけています」と返すと、副校長は頭をやや下げ、戻っていった。
さらに10分経った頃、校長が出勤してきた。「また、いらっしゃいましたね。生徒によろしくお願いします」とおっしゃる。私はまた、同じことを聞くことになった。「どう、よろしく、ですか」。
校長は、「晴れの門出ですので、生徒に動揺を与えないよう、配布はしないでください」と言った。
「生徒に動揺を与えるというならば、それをしているのは都教委です。今朝は、生徒に手渡すために来ています。チラシで動揺はしません。」と答えると、それ以上は言わずに、中に入って行った。
ここでは昨年も今年も、生徒、保護者とも受け取りがいい。私たちは生徒たちには、卒業おめでとうございます」の他に、「『日の丸・君が代』の強制に反対しています。読んでみてね」などと声をかけながら、手渡した。
6人でおしゃべりしながらやってきた生徒たちに声をかけると、「私たちの先生も反対しています。(「日の丸・君が代」のこと)授業で習いました」と一人が返してくれた。
そこで、「私も教員をしていたの。私も授業で話してきたわ。この学校で、授業で話されたのは、誰かな」と投げ返すと、「○○先生」。他の生徒も、「うんうん」と。
「やっぱり。だと思ったわ」と私たちは答え、「私は「君が代」起立をしなくて、何年も学校に来るな、給料やらない、という処分を受け続けたの」と言うと、皆目を丸くして、「そんなのひどい!」。
調子に乗ってか何だか、「私が『日の丸・君が代』の強制に反対するのはね」とひとしきり立ち話をした。「授業を聞いたみたい」と生徒。その後、写真を撮ってあげて、見送った。
髪の毛を整えた男子生徒たちも、「ありがとうございます」とことばに出して受け取って行った。
250枚くらい用意していったが、式の始まる30分前にはチラシはなくなってしまった(卒業生は190人ということだった)。
差し出すチラシが風にあおられるほど風が強く、寒かったけれど、心を温かくしてもらえたチラシ配りだった。
「日の丸・君が代」及びその強制が何なのか、私はどう考えるかを、生徒たちに話し、投げかける教員が学校に一人でもいれば、生徒は考えようとすることが、ここでも証明された。
戦前・戦中と同じように、子どもたちが国家の色に染まるのは第一に教員たちの沈黙によることを、教員には厳しく問うてもらいたい。
「沈黙は加担すること。いじめに沈黙することはいじめに加担すること」と、教員たちは生徒に言ってきたはずなのに、どうして自身のことになると、見えないのだろうか。真摯にご自身と向き合おうよ。
チラシまき報告5 番外編 根津公子
2年前に定年退職した都立あきる野学園の校長に、卒業式に参列したい旨、先ほど電
話で申し出ました。
「高等部を卒業する生徒は授業で教え、中学部を卒業する生徒は私が担任した生徒た
ちなので、21,22日ともに出席したいです。何時に伺えばいいですか」と言うと、
「旧職員は今年度は招待しない」。
「どういう理由で、誰の判断でそれは決めたのか」と訊くと、「校長判断」だと。
「招待状が届かなくても参加したいので伺います」というと、「だめだ」。
「行っても入れないということですか」と訊くと、「そうだ」。
「高等部の卒業生には、『卒業式にお祝いに行くからね』と約束しているのですが」
と言うと、「勝手にしたことで、私とは関係ない」。
そして、話の途中で校長は電話を切りました。
昨年度は別の校長でしたが、その校長も「旧職員は招待しない」と私には言いなが
ら、小学部の元教員を招待しました。本当に卑劣です。今年も、他の旧職員は招待
し、あるいは来たら参列させるのでしょうか。
何をおそれるのでしょう。
途中で電話を切るようなことをしたので、当日私は卒業式に行きます。
生徒や保護者にこの事実を広くきちんと伝えます。
都立高校チラシまき報告6 根津公子
佐々木さん、鳥居さん、レス、ありがとうございました。
お久しぶりの方にも現況報告として、送らせていただきます。
3月2日(土)
第五商業高校の卒業式に参列する卒業生と保護者、教員に向け、「ご卒業おめでとうございます」とのタイトルがぱっと目につくチラシを手渡した。私たちは2人。
7時半から始め10分ほど経った頃、副校長がやってきて、挨拶に続けて「よろしくお願いします」と言った。「よろしく、とおっしゃるのは、どうよろしく、ですか」と訊くと、「生徒の迷惑にならないようにということです」と副校長。「もちろん、心がけています」と返すと、副校長は頭をやや下げ、戻っていった。
さらに10分経った頃、校長が出勤してきた。「また、いらっしゃいましたね。生徒によろしくお願いします」とおっしゃる。私はまた、同じことを聞くことになった。「どう、よろしく、ですか」。
校長は、「晴れの門出ですので、生徒に動揺を与えないよう、配布はしないでください」と言った。
「生徒に動揺を与えるというならば、それをしているのは都教委です。今朝は、生徒に手渡すために来ています。チラシで動揺はしません。」と答えると、それ以上は言わずに、中に入って行った。
ここでは昨年も今年も、生徒、保護者とも受け取りがいい。私たちは生徒たちには、卒業おめでとうございます」の他に、「『日の丸・君が代』の強制に反対しています。読んでみてね」などと声をかけながら、手渡した。
6人でおしゃべりしながらやってきた生徒たちに声をかけると、「私たちの先生も反対しています。(「日の丸・君が代」のこと)授業で習いました」と一人が返してくれた。
そこで、「私も教員をしていたの。私も授業で話してきたわ。この学校で、授業で話されたのは、誰かな」と投げ返すと、「○○先生」。他の生徒も、「うんうん」と。
「やっぱり。だと思ったわ」と私たちは答え、「私は「君が代」起立をしなくて、何年も学校に来るな、給料やらない、という処分を受け続けたの」と言うと、皆目を丸くして、「そんなのひどい!」。
調子に乗ってか何だか、「私が『日の丸・君が代』の強制に反対するのはね」とひとしきり立ち話をした。「授業を聞いたみたい」と生徒。その後、写真を撮ってあげて、見送った。
髪の毛を整えた男子生徒たちも、「ありがとうございます」とことばに出して受け取って行った。
250枚くらい用意していったが、式の始まる30分前にはチラシはなくなってしまった(卒業生は190人ということだった)。
差し出すチラシが風にあおられるほど風が強く、寒かったけれど、心を温かくしてもらえたチラシ配りだった。
「日の丸・君が代」及びその強制が何なのか、私はどう考えるかを、生徒たちに話し、投げかける教員が学校に一人でもいれば、生徒は考えようとすることが、ここでも証明された。
戦前・戦中と同じように、子どもたちが国家の色に染まるのは第一に教員たちの沈黙によることを、教員には厳しく問うてもらいたい。
「沈黙は加担すること。いじめに沈黙することはいじめに加担すること」と、教員たちは生徒に言ってきたはずなのに、どうして自身のことになると、見えないのだろうか。真摯にご自身と向き合おうよ。
チラシまき報告5 番外編 根津公子
2年前に定年退職した都立あきる野学園の校長に、卒業式に参列したい旨、先ほど電
話で申し出ました。
「高等部を卒業する生徒は授業で教え、中学部を卒業する生徒は私が担任した生徒た
ちなので、21,22日ともに出席したいです。何時に伺えばいいですか」と言うと、
「旧職員は今年度は招待しない」。
「どういう理由で、誰の判断でそれは決めたのか」と訊くと、「校長判断」だと。
「招待状が届かなくても参加したいので伺います」というと、「だめだ」。
「行っても入れないということですか」と訊くと、「そうだ」。
「高等部の卒業生には、『卒業式にお祝いに行くからね』と約束しているのですが」
と言うと、「勝手にしたことで、私とは関係ない」。
そして、話の途中で校長は電話を切りました。
昨年度は別の校長でしたが、その校長も「旧職員は招待しない」と私には言いなが
ら、小学部の元教員を招待しました。本当に卑劣です。今年も、他の旧職員は招待
し、あるいは来たら参列させるのでしょうか。
何をおそれるのでしょう。
途中で電話を切るようなことをしたので、当日私は卒業式に行きます。
生徒や保護者にこの事実を広くきちんと伝えます。
都立高校チラシまき報告6 根津公子
3月7日(木)
きょうのチラシ配りは八王子拓真高校、福嶋常光さん(元高校教員・不起立停職1ヶ月被処分者)と2人で。3部制の高校なので、7:30~8:30に教職員を対象に、11:30~14:00に卒業生・保護者を対象に配った。
正門は閉め、そこには3本の「2020年オリンピック 日本で!」の旗と「日の丸」、そして、「卒業証書授与式会場」の縦看板が立てられていた。
オリンピック招致の旗は毎日立てっ放しのよう。縦に長いこの3本の旗の中に「日の丸」が一段も二段も低く立てられている。「日の丸・君が代」で頭がパンクするほどの校長たちが、このことに違和感はないのか、不思議だ。
それにしても、正門は旗のためにあり、人間は正門横の通用門を通る。変だとは誰も思わないのだろうか。晴れの卒業式くらい、正門を通らせよう、そういう声も上がらないのだろうか。
7時50分、副校長を名乗る男性がやってきて、「敷地に入らないでください。通行の妨害にならないように」と、マニュアル通りに言った。こちらは、「ご心配なく」「心得ています」。副校長は都教委から指示された「仕事」を終えて去って行った。
8時、今度は出勤してきた男性が、副校長を名乗り、前の副校長と同じことを言って、やはり仕事を終えたとばかりに中に入って行った。
教員たちは、総じて若い人が多く、受け取りはかなり悪かった。50代と思われる男性が「ご苦労様です」と言ってくれ、60代の男性が福島さんとお知り合いだったほかには、2~3人が会釈を返してくれただけ。
11時半、再び。出入り口(「在校生入り口」と表示された)が他にもあることに気付き、福嶋さんはそちらに回った。副校長は、そちらの入り口にもやってきて、注意を発したそうだ。
保護者も生徒も、まあまあの受け取り。今日写真撮影を依頼した卒業生は1組、2人。
途中、副校長の一人がやってきて、「公的行事なので、チラシを撒かれては迷惑です。お引き取りください」と言った。
その時ちょうど私たちのところにカメラを持った人が来ていて、その方がその状況をカメラに収めたところ、「個人情報に引っかかります」と副校長。「公務員は対象外です」とこちらが答えると、中に入って行ったが、次に、その副校長は男性を伴ってやってきた。
男性は「写真を消しなさい」。私たちが先ほどと同じように、「公務員は仕事の中では、撮影は個人情報の漏えいに当たりません。肖像権もありません。」と言うと、その男性、「警察を呼ぶ。警察に相談したんだ」と声を荒げた。私たち、「どうぞ」。
副校長は横にいるだけで一言も発しないので、上下関係が明らか。「あなたは校長ですか」と聞いたけれど、返事はなく、中に引き返して行った。
その後40分くらい私たちはそこにいたけれど、警察は来なかった。当然だけれど。校長らしき人物は、口から出まかせを言ったんだろう。こういう校長がかなり多い。
明朝は、「敷地に入るな」と言った際、歩道を「内務省、旧内務省のもの」と言った校長のいる学校に行く。
大阪の「君が代」不起立の状況や精力的なチラシ配りの報に接し、勇気をいただいています。
都立高校チラシまき報告7 根津公子
3月8日(金)
今朝のチラシ配りは八王子北高校。解雇をさせない会の佐藤さんと二人で7時過ぎから配った。
8時、50歳くらいの男性が出てきて、「チラシをくれ」とばかりに手を出し、佐藤さんがそれに応じた。その瞬間、先月半ばにもここにチラシ配りに来ていた私には、見覚えのある顔と分かった。訊くと、「副校長だ」と言い、「ここで配るな。(式を)妨害するな」と怒鳴った。
ちょうど登校してきた生徒10人ほどが、その様子を横目で見ながら通る時、副校長はすぐ横を通り過ぎようとした生徒の手からチラシを奪い取った。別の生徒は、もらったチラシを副校長に差し出した。
「没収などしていいわけがないでしょ」と、私たちが少し大きい声で言うと、副校長はそこでやめはしたが、しかし、都教委に反対するものについては何をしてもいい、私は権力、という感覚になっていると思った。
さらにしつこく私たちに言ってきた。「私はこの学校を守っているのだ。何でうちの学校に(あなたたちは)来るのか」。そして、「敷地に入るな」と。私が、「ここは公道でしょ」と返事をすると、「違う。旧内務省の土地だ」と副校長。
半月前にここでチラシを配った時に、校長は副校長と連れ立ってきて、歩道を「内務省、旧内務省の土地です」と言ったのだった(報告1)。
校長の出まかせを、この副校長は真に受けたんだろうか?有り得ないことだけれど。
教職員は7時以降、50人ほどが通ったが、チラシを受け取った教職員はたったの4人。そのうちの一人は、先の副校長であったことが、あとでわかったから、実質受け取った人は3人。
都教委と異なった意見には耳を塞ぎ、目を閉ざす教員が、生徒に何を語るのだろうか。どんな助言をするのだろうか。
教員が自ら進んで国家のエージェントになっている中、異なる意見があることを生徒たちに積極的に示していくことをしたい、しなければと考えている。
今朝のチラシ配りは八王子北高校。解雇をさせない会の佐藤さんと二人で7時過ぎから配った。
8時、50歳くらいの男性が出てきて、「チラシをくれ」とばかりに手を出し、佐藤さんがそれに応じた。その瞬間、先月半ばにもここにチラシ配りに来ていた私には、見覚えのある顔と分かった。訊くと、「副校長だ」と言い、「ここで配るな。(式を)妨害するな」と怒鳴った。
ちょうど登校してきた生徒10人ほどが、その様子を横目で見ながら通る時、副校長はすぐ横を通り過ぎようとした生徒の手からチラシを奪い取った。別の生徒は、もらったチラシを副校長に差し出した。
「没収などしていいわけがないでしょ」と、私たちが少し大きい声で言うと、副校長はそこでやめはしたが、しかし、都教委に反対するものについては何をしてもいい、私は権力、という感覚になっていると思った。
さらにしつこく私たちに言ってきた。「私はこの学校を守っているのだ。何でうちの学校に(あなたたちは)来るのか」。そして、「敷地に入るな」と。私が、「ここは公道でしょ」と返事をすると、「違う。旧内務省の土地だ」と副校長。
半月前にここでチラシを配った時に、校長は副校長と連れ立ってきて、歩道を「内務省、旧内務省の土地です」と言ったのだった(報告1)。
校長の出まかせを、この副校長は真に受けたんだろうか?有り得ないことだけれど。
教職員は7時以降、50人ほどが通ったが、チラシを受け取った教職員はたったの4人。そのうちの一人は、先の副校長であったことが、あとでわかったから、実質受け取った人は3人。
都教委と異なった意見には耳を塞ぎ、目を閉ざす教員が、生徒に何を語るのだろうか。どんな助言をするのだろうか。
教員が自ら進んで国家のエージェントになっている中、異なる意見があることを生徒たちに積極的に示していくことをしたい、しなければと考えている。