不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Compleanno di ...

2004-08-21 23:17:49 | 日記・エッセイ・コラム
伊豆にある私の実家はカクテルバー。
頑固おやじの父がマスター、毒舌の母がママ。
自分が子供だった頃は、
こんな店に誰が喜んで来るのだろうと
訝しげに思っていた時期もあった。
言っちゃ悪いけど、
お説教されて居心地悪そうに見えたんだもの。

でも自分が大人になってみたら
お店がとても好きになった。呑めないけど。
居心地がいいのだ、手前ミソだけど。

父と母の絶妙な息遣いと
ポイントの利いた台詞回しと例えばなし。
一見さんもいないわけじゃないけど、
たいていは「誰かの紹介」で来るお客さん。
(特にタクシーの運転手さんからの紹介が多いのに驚いた)
そして一度来たらもう一回きたくなる店らしい。
ということで常連さんでもっている店だ。ありがたい。

8月21日はマスターの誕生日。
もうとっくに還暦は越えているけど
相変らず頑固に自分の好きなように店に立ち
シェーカーを振ってはカクテルを出している。

私が日本を離れて9年。
年に何度か帰るとはいっても
この時期の日本の暑さに耐えきれないのもあって
1度もマスターの誕生日に日本にいたためしがない。
それは母の誕生日にも同じことだけど。

娘の私がいなくても、長男坊がいなくても
(弟は山一つ超えた先に住んでいるんだけど
奴も仕事が忙しくて、実家に来るのは日曜日だけらしい)
常連さんが集まって
毎年誕生日を祝ってくれている。
ありがたい。本当にありがたい。

定連さんの一人である、私の友人から送られてきた写真。
照れ屋なマスターがお茶目だなぁと思いつつ。
これからも元気でいてくれることを願って。
papa.jpg
水割り片手に「よっ、日本一」