不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Lavoratori 2

2004-08-25 21:29:18 | 日記・エッセイ・コラム
先日ミケランジェロ広場に久々に上る機会があった。
いつものように美しくレンガ色に輝くフィレンツェの街。
朝のやわらかい陽射しの中で静かに佇む街を見ていると
時間の流れがそこだけゆったりとしているような気がする。
ミケランジェロ広場は常に観光客が出入りして
ざわめきが絶えないけれど、
その喧騒の下に広がる街は
まるで別次元のもののような錯覚に襲われる。

喧騒のミケランジェロ広場の中でも
より一層特異な雰囲気を醸し出していたもの。

スペイン語圏の観光客グループを
ひとところに集めて写真撮影。
日本の観光地なら、
きっとツアー客用に写真撮影場所が整えられて
何段かのひな壇がこしらえられているはず。
そんな場所はもちろん
イタリアの観光地に用意されてはいないので
みんな団子のようにかたまってカメラに向かっている。
その視線の先を見てみると…。

lavoratori230804

カメラマンは、おそらく持参したであろうと思われる
脚立の上から大きな声で、色々指示を出している。
賑やかに働くおじさん。
助手もいないので、
下で脚立を支える人がいるわけでもなく
なんとも不安定な格好だけれど
この高さから撮影すれば団子のような塊の集団でも
きれいに全員の顔を写せることは確かだ。
これも工夫のうちにはいるのかな。
きっとおじさんは
「いいこと考えついた!」と思ったに違いないし。

晴れたフィレンツェのよい想い出作りに
このおじさんもまた一役買っているのだ。