不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Una tortina con i pinoli

2004-10-06 19:57:05 | Squisito!
私は友達と街中で会ってお茶でもしようかといったときに、
いつもどこに行こうか悩んでしまう。
フィレンツェの街中には山ほどバールもカフェもあるのだから
そのうちの1つを選べばいいのだけれど、それが難しい。
まずカウンター越しに立って飲むのと
座席に座って優雅に飲むのとでは
格段にお値段に違いが出る。
優雅に飲む必要はないけれど、
友達とちょっとゆっくり話がしたいときなんかには
やっぱり座ってのみたい気分。
でも高い値段を払うのはいやだなと
つい貧乏クサイことを考えちゃうのよね…。

その値段の問題だけではなく、
私は基本的に新しいものに簡単にはなびかないタイプで
スーパーに買いものに行っても
いつも同じメーカーの
同じものばっかり買って帰ってくるような人。
なので、バールやカフェだってレストランも何もかも
新しいところを発掘しようという気力自体が既にない…。

そんなわけで本日も行きついたのは
いつものように変わりばえなく
共和国広場の由緒正しいカフェ。

immagine5.jpg
オレンジジュースと松の実のタルト。

友達にそれは松の実だよねぇといわれて
松の実の話題に。
友達曰く
「松の実なんて
スパゲッティーにはいっているのしか見たことない」
彼女は2週間の短期滞在中。
日本での松の実事情は
彼女のほうが詳しいにきまっている。
確かに日本では松の実の立場ってあまり確立されていない。

でもイタリアではけっこう人気。
スパゲッティーにも肉料理にもよく使われているし、
色んなソースのなかに
こっそり身を潜めていたりすることもあるし
デザートにたっぷり使われることも、もちろん多い。
木の実ですからね、基本的に。
アーモンドやくるみと同じカテゴリー。

イタリアの松は日本の松とは種類も違うので、
マツぼっくりも巨大。
そのマツぼっくりが開くとその一つ一つの房室に
小さな舌のようなものがついていて
それを石などで叩き潰したら
なかから象牙色の松の実が出てくる。
イタリアのこどもたちは
よくこれを拾って食べたりしている。
おやつ代わり。栄養たっぷり。

日本ではもう田舎に行っても
そんな風景はみられないのかなぁ。