不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il Perseo

2004-10-20 16:35:27 | 日記・エッセイ・コラム
突然崩壊が始まって
あれよという間に工事中の様相を呈してしまった
シニョーリア広場にあるランツィのロッジャ(Loggia di Lanzi)。
ここにはベンヴェヌート・チェッリーニ
(Benvenuto Cellini)のブロンズ像「ペルセウス(Il Perseo)」や
ジャンボローニャ(Gianbologna)の
「サビネの女の掠奪(Il Ratto)」
などの彫刻作品が置かれている。

崩壊が見られたのは開廊を支える柱部分の装飾。
まぁ、気長な修復工事がまたひとつ増えたってことです。

ところで、このペルセウス像。
数年前に修復が完了してここに再び置かれているわけですが、
近くにいたおじさんが親切に教えてくれた話。

「Può trovare l'autoritratto di Benvenuto Cellini.」
そう、このペルセウス像のどこかに
作った本人、チェッリーニの自刻像があるというのです。
私はなんとなく
その昔にも聞いたことがあったようなないような
うろ覚えな記憶だったので確認。

私    「後頭部?だよね。」
おじさん「そうそう、よくしっとるね。」
私    「いや、昔聞いたことがあったような…。
      でも忘れてました。」
おじさん「もうこれで忘れないさ。」

そう刷り込み学習。もう忘れません。

メドゥーサの首を持つ冷酷な表情のペルセウス。
その背後に回ってみると
羽付ヘルメットをかぶった
彼の後頭部を拝むことができます。
このヘルメットの後頭部をじっくりよぉく見ていると
鼻が浮き出し、目が窪み、ひげがもじゃもじゃ…。
そう、なんとなく人の顔に見えてくるのです。
ペルセウスの髪の部分が髭に。
ヘルメットの後ろ中心が鼻に。

その人の顔が果たして
チェッリーニなのかどうかまでは
私は検証できませんが、
まぁ、自分の作品に自分を描いたり
彫り込んだりするのは
当時の芸術家の常套手段ですから
ありえなくはない話です。

ということでポンテ・ヴェッキオの上にある
チェッリーニの彫像と見比べてみたのですが、
似ているといえば似ている。

皆さんもフィレンツェにきたら確認してみてください。

immagine7.jpg

immagine6.jpg
ちなみに今は
ランツィのロッジャが修復中で
全体に足場が組まれているので、
なかなかペルセウスの後ろ側に
接近することができません。


La cappella di Gozzoli

2004-10-20 12:38:46 | 日記・エッセイ・コラム
immagine1.jpg
ベノッツォ・ゴッツォリといえば、
代表作の一つとして必ず
このメディチ・リッカルディ宮殿の
礼拝堂の「東方三博士の礼拝の旅」が挙げられます。

先日、ホーン美術館で
期せずにゴッツォリの作品に出会ったり
(というかそれまで
私が気付いていなかっただけか…)
サン・ジミニャーノの教会の主祭壇の装飾を見たりして
なんだ、ゴッツォリって
作品それなりにあるのじゃないか
と思ったりしているところです。
勉強不足です。

メディチ・リッカルディ宮殿の作品には
メディチ家歴代の面々が描かれているので有名。
中心となる白馬の貴公子が
当時12歳になったばかりの
ロレンツォ・イル・マニーフィコだと伝えられています。
こうして若いロレンツォを中心に据えることで
後のメディチ家の繁栄を願う気持ちを
込めているのだといわれます。
この貴公子とは似てもにつかない容貌で
その同じシ-ンの左端のほうにも
ロレンツォらしき人物が描かれています。
彼って本当に鼻が潰れていたのでしょうね…。

immagine14.jpg
メディチ家の紋章。
(というかコジモ・イル・ヴェッキオが好んで使ったシンボル)
SEMPREと刻まれています。
「永久に栄光を」願っているわけですねぇ。


Il decimo giorno

2004-10-20 11:10:29 | 日記・エッセイ・コラム
Le cappelle medicee
メディチ礼拝堂。
ここも内部修復中ですね。
ミケランジェロの作品の置かれる部屋は
そのままなので、撮影に問題はなかったのですが
貴石で飾られた君主の礼拝堂は
全面的に修復中です。
あれで通常の入場料を取るのは
詐欺だという気もしないではないですが…。

immagine5.jpg

immagine4.jpg

開館前の1時間を撮影用に当ててもらったのですが、
係員のおじさんたち、
ピッタリ7:30には来ないのよねぇ…。
それなのに、終了時間はきっちり守れって、
それはないよぉ。
まぁそうはいっても相手はイタリア人なので、
終了時間延長しても
15分くらいなら猶予というところですね。