不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il Presepe di Mario Ceroli

2004-12-14 00:34:22 | アート・文化
ナポリをはじめとする
カンパーニャ州の名産ともなっているプレゼピオ。
簡潔にいってしまえば、
キリスト生誕のシーンを人形で表したもの。
この時期になると
各教会ご自慢のプレゼピオが飾り付けられます。
普通はジオラマが完成して
他の主要登場人物が配置されても
幼子キリストの像は
24日深夜のミサまで公開されません。

フィレンツェのドゥオーモのミサでは恭しく
司祭さんが幼子の像を抱えて教会内を練り歩いて
飼い葉桶の中に寝かせるという演出がなされます。

こうした宗教的意味合いの強い「幼子キリスト」像を
一人で「収集」した人が逮捕されました。
ブレーシャ郊外に住むある女性が、
なんと300対にも及ぶ
「幼子キリスト」像を盗んでいた事件。
盗品の中には
15世紀の貴重な木造彫刻も含まれていたそうです。
この300対のうち回収され
もともと所有していた各教会に返還されたのは50体。
残りの250体はいったいどこへ??
そしていつ返還されるのでしょうか?
それにしても300体も盗むとは
かなりの「幼子キリスト」マニア!?

先日のエントリで紹介した
Marco Lodolaのクリスマスツリーと並んで
今年のフィレンツェの冬を
趣の違ったものにしている芸術作品がこちら。

ceroli
Mario Ceroliの作品。
ウフィツィ美術館の
開廊の下に設置されています。
合板で作られた簡素な作品
(私にはそう見える…)。
芸術とはムズカシイ。





con_mamma
聖家族と並んで
欠かすことができない
仔ロバとウシもいます。
この動物の首が動くので
子供たちが楽しそうに
遊んでいたりしますが、
下手すると警報機が鳴ったりします。
芸術作品ですから。




そして川上の方角になにやらアーチを描いたものが添えられていて
これはいわゆる「虹」なのですね。
このあたりがこの作品のオリジナル性なのかもしれません。


da_lato
うすっぺらい掘っ立て小屋。
馬小屋で生まれたと伝えられる
キリストの生誕シーンには
もしかしてぴったりなのか…。





「粋人のクリスマス」
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