不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La differenza delle caratteri

2007-05-26 09:54:00 | 日記・エッセイ・コラム

先週、4日間かけて
新しいプログラムの研修を受けたのでした。
研修を受けたことをわずかに実践した今週。
しかし、研修を受けてわかったような気分になるのと
実際にプログラムを使うのとでは違うものですねぇ。
使ってみないと実際の疑問点ってわからないのね。

これから色々悪戦苦闘しながら習得するのだと思いますが。
習得したらすごく面白いプログラムなんだと思うけどねぇ。

このコースに通っていたときの参加者は私も含めて6人。
もちろん他は皆さんイタリア人でした。
私と同僚以外は旅行業界での仕事歴も長くて、
少なくともそのプログラムの何たるかを
知っている人たちだったので
我々以外は結構質問も専門的だったりして気後れしたのですが。

このコースを受けていてひとつ思ったことが。
我々日本人って「話を聞くように」「質問はまとめてするように」
「聞く前に考えるように」よく訓練されているのだなぁと。
少なくとも我々の世代ではそういうふうに教え込まれたし
特に私は小さい頃から
質問することが恥ずかしいと思っている人で
滅多に質問せず
できるだけ自分で解決しようと努力してみるほうなので。

でもイタリア人ってまず「人の話や説明をよく聞かない」ので
説明を聞いていれば尋ねる必要のないことを平気で質問するし、
「質問したことに対しても真剣に聞いていない」ので
同じ質問を繰り返すわけです。
そんなことが度々なので研修でも同じことを繰り返して
なかなか先に進まないような状態。
そして「自分で考えようとしない」ので
なんでも片っ端から講師に尋ねて手取り足取りやってもらう感じ。

そういうやり方で小学校から授業を行っているのだろうから
それはそれで彼らのやり方として認める気持ちもありますが、
中に一人どうしようもなく「度を越えた」男性がいて
初日から生理的に受け付けられず、最終日まで。

なぜ嫌いかというと。
1.初日ひとりだけ遅刻してきました。
2.授業中に携帯がなりっぱなし。
3.無駄話が多い。
4.人の話を聞かない。
5.自慢話しかしない。

まず自分だけ遅れてきたのに、ろくに謝らず、
席に着くなり携帯が鳴り出して授業が始められないのに
それに気づかず、携帯で長々と話をした上に
注意されても携帯をマナーモードにもしない。
社会人としてのマナーがまったく守れないので失格。

講師が暑くなって日中の集中力が落ちるので、
二日目からは朝の集合時間を少し早めて
授業開始にしましょうと提案したとき。
一番遅れてきたわりには張り切って
「俺は早くてもまったく問題ないですっ!!」と。
おまえが一番心配なんだよぉ!!と心の中で思った私。
そして翌日見事に一番最後に到着したしねぇ。
どうしてこういうお調子者なんだろうと思ってますます嫌いに。

もちろん二日目以降も携帯鳴らしているのは彼だけ。
そして何かにつけて自分の自慢話。
昨日いくら販売したとか、
どこそのの国のあのホテルがどうのとか
どこのエアラインとは長い付き合いで云々。
そういう話は聞きたくない私なので、うんざり。
もちろん他の皆さんも最初は面白がって聞いていたけど
さすがに4日間そういう話ばかりなので
最後のほうはうんざり顔。
でもこういう人間てその場の空気が読めないので
全然気がつかない!!
最悪のパターン。
プログラムにかかわる話ならともかく、
単なる自分の功績披露なら、休み時間にすればいいのであって
授業中にするもんじゃないというのがわからないんだよね。

そしてこういうタイプによくあるように、
自分の話は徹底的にするけれど人の話は聞かない。
だから講師の説明もろくに聞かず、同じ質問を繰り返す。
コースを受けている我々にしてみれば時間の無駄なのです。
なのでますます嫌いになった私。

そして彼は6人の中で一番年長者で
ちょっと旅行業界での仕事歴が長いので、
このプログラムもある程度は知っていて
そのときに講師が説明していること以上のことを
勝手にやってみては話についていけなくなり
またゼロからやり直しみたいなことを繰り返すわけです。
足並み揃えられないのはイタリア人の典型ですが
少なくとも他の参加者はそういうことがなかったので
彼は特別に程度が低いとしか思えない。
あまりのバカさ加減にそうそう嫌気がさしたのです。

最終日には私もあからさまにうんざり顔をしてみたんだけど、
そんなこと彼自身は意に介さず。
どこの馬の骨ともわからないアジア人が
というくらいにしか思ってないでしょうしね。

そもそもこのプログラムはまったく知らない状態で
しかも母国語でない言語での説明なので
私にはそれなりにハンディキャップもあったのだけれど
一応4日間でコース終了。修了証書ももらいました。
プログラムを習得した以外にも
イタリア人と一緒に授業を受ける、という珍しい体験もできて
それはそれで面白い4日間でした。

基本的に「学ぶ」ことが好きで
ここ数年お世話になることがなくなっていた「学校」に
憧れていたところもあったので久々の「学校」に大満足。
大学に通っていた時はここまで感じなかったけど、
イタリア人の「学習態度」というのも改めて実感しました。