不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Autoritratte

2010-12-21 20:29:56 | アート・文化

毎年この時期の恒例となっているI Mai Visti。
ウフィツィ美術館の保管庫にひっそり眠っている
日の目の当たることのない作品を展示する
という貴重な展覧会です。
昨年は詩人、聖人、旅人を題材に
自画像・肖像画がずらっと並びましたが、
今年は女性の肖像画がずらっと展示されています。
展覧会はいつものようにウフィツィ美術館付属の
sala delle Poste Reali(王宮郵便局の間)で
2011年1月30日まで。

Autoritratte(女性自画像)。
ルネッサンスから現代に至るまでの女性画家の自画像展。
女性ロックンローラーであり詩人でもあるPatti Smithの作品を含み
全部で80点あまりの作品。
クラシックな絵画作品から写真、映像作品などもあり、多種に及びます。
そのうち60点はウフィツィのコレクションから選ばれたもので
20点は今回の展示会のためにウフィツィが熱望し
リクエストに応じた現代作家が贈呈したもの。

大御所からはTintoretta(ティントレッタ)、
Rosalba Carriera(ロザルバ・カッルエラ)、
Elizabeth Chaplin(エリザベス・チャプリン)など。
現代作家ではPatti Smith(パッティ・スミス)、
Niki de Saint Phalle(ニキ・ド・サンファル)、
Francesca Woodman(フランチェスカ・ウッドマン)など。
日本からは前衛芸術家のYayoi Kusama(草間彌生)の作品も。

女性による芸術表現が花開き、
精力的に活動する芸術家が増えてきたのはほんの100年前。
1700点の自画像を有し
比較的作品が充実しているウフィツィの自画像コレクションにも
女性自画像は数が少なく(全体のわずか7%)、
今回の展示を機に、1900年代から現代に至るまで
幅広く女性が活躍するようになった時代の証として
ウフィツィ美術館が女性芸術家に声をかけて
コレクションを充実させました。
これによって1500年代後半から現代に至るまでの
スタイルの変遷や
表現方法や技術の進歩、
芸術の世界における女性の立ち位置などの流れも把握できます。

Maria_hadfield_cosway
ずっと名無しのゴンベイだったこの作品。
Maria Hadfield Coswayの自画像といわれています。
 
Autoritratte
Artiste di capriccioso e destrissimo ingegno
会場:Sala delle Poste Reali (ウフィツィ美術館付属王宮郵便局の間)
会期:2010年12月17日から2011年1月30日まで
開館時間:10:00-17:00
休館日:月曜日
入場料:無料
インフォメーション: www.amicidegliuffizi.it