不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tra la mente e il cuore 06.12.2012

2012-12-06 23:58:52 | Tra la mente e il cuore

夢や目標がない人生ってどんなものだろう。
このブログの記事を読んでふと色々思い出した。
一部は納得できるのだけど、
まぁ、この記事に全て賛同できるわけじゃない。
そもそも、自分と向き合うための「旅」を
誰かに誂えてもらった時点で
何かが間違っているだろうと思うので、
規制のツアーに参加していながら
自分探しというのは私には理解できない。


たった一度、迷子になったことはあるんだけれど、
自分が常に
大きな夢だったり
小さな目標だったりを追いかけてきただけに、
それがない人生っていうのはあまり想像もできない。

私は本当に幼いときに吉川晃司に出会ってしまい、
多大な影響を受けて「イタリアに行くこと」が
人生のひとつの目的であり、夢になった。
それに向けてひたすら走り続けて
とにかくイタリアに行くことしか考えていなかった。
そんな状態で中学から大学まで突き抜けた。

一応、世の学生と同じように
大学院受験してみたり、就職活動したりしたけれど、
英語の能力不足で大学院の試験には失敗し
担当教授をして
「お前のようなアホは初めて見た」と言わしめ
内定はひとつももらえないような
だめな大学4年生だった。

今思えば、イタリアに行こうと思っているのに、
なぜ日本に残る手段を探そうとしているんだろうって
あの頃毎日思って暮らしていた。
だから半ばやる気ない状態で向かい合っていたので、
大学受験も就職活動もろくな結果にならなかったんだろう。
大学4年の私は
自分の幼い頃からの夢を叶えることではなく
世間的な体裁のために
あの一年を生きていたのかもしれない。
あぁ、もったいないことした。

結局、大学を卒業した翌年には
イタリアの地を踏み、自分の夢を叶えた。
「イタリアに行く」事が夢だった私は
その時点で夢を現実にしてしまって、
確かに、夢の地に降り立ったのにもかかわらず
一時期
「夢を喪失した」暗黒の時期を送ることになり
イタリアにきたばかりのその年は
精神的に不安定で、体調を崩してぼろぼろになった。

夢のない状態って
きっとそういうことなんだね。
自分のやっていること全てが信じられなくて
モチベーションもなく
暗闇をさらに闇に向かって歩いていくような。

やがて、そんな自分に嫌気がさして、
日本に帰るのか
イタリアに残るのかの決断をするときがきて
負け犬のように帰りたくなかったばかりに
いろんなものを犠牲にして
たくさんの大事なものを失いながら
イタリアに残る事を選んだ。

小さな目標と
自分のやるべきことを再び見つけて
イタリアで闘うことを決意して。
いろんな岐路に立ちながら
小さな目標を積み重ねて更新して
今までやってきた。

先のブログ記事で同感できるのは
「自分と対話することで夢を探り当てられる」という点。
日々安穏と暮らしていたら
本当のやりたいことなんて見つからないんだと思う。

誰かに押し付けられる目標は
あるレベルまでは達成感も与えてはくれるけれど、
自分の内側から生まれてくる夢や目標が
与えてくれる喜びと比べたら
まったく味も魅力もない。

でもね、そんなこと、
学生時代にはわからなかったよ。
大人になったからってわかるようなことでもないけれど、
世の中の波にもまれて
痛い思いをしてきたからこそ、
振り返れることもあるわけだ。


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2012-12-06 18:05:05 | Tweet Log