超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

ショスタコーヴィチ5番のピアノ版聞く

2019-06-04 21:02:07 | 無題
今日届いた、ショスタコーヴィチの交響曲5番の四手のピアノ版を聞いた。
グラウシュマッハー・ピアノデュオ演奏、2009年ネオス・ミューシックSWR社製である。
全8トラックで、前半がシューベルトのピアノソナタD812の四手ピアノ版。
後半の4トラックがショスタコーヴィチの交響曲5番の四手のピアノ版。
ショスタコ5番のピアノ版は相当珍しいのではないか。
少なくても私はお目に掛ったことがない。
第一楽章の導入部はもう少し強烈に迫力を出してもよいのでは、と思った。
だがその後、交響曲の複雑な旋律をかなり上手に表現している。
革命下のアドレナリン全開の緊迫感、行進のようなリズム、
知識人の憂鬱、最後に向けて開放されて行く感覚。
そういったショスタコーヴィチ特有の雰囲気が、ピアノで
精緻に織りなされて行く。
交響曲よりも明確に音楽の構造がわかる。
やはりショスタコーヴィチは天才だな、とうならされる。
一人のピアニストではこれだけの音数はとても出せない。
その意味では交響曲のピアノ版は四手で適切な気がする。
アドレナリン全開のショスタコ節を味わえる、知的な一枚である。

聞くうちに胸の鼓動が早くなる革命曲の複雑な美に
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シューベルト「未完成」の補筆稿のピアノ版を聞いた

2019-06-04 13:52:19 | 無題
本日届いたシューベルト交響曲「未完成」の補筆完成版・全4楽章の四手のピアノ版を聞いた。
アルバムのタイトルは、「フランツ・シューベルト、非公認ピアノ・デュオ作品第3集」というもの。
演奏者はゴールドストーン&クレモウである。
ちなみに8トラック入っていて、前半の4トラックは弦楽四重奏「死と乙女」のピアノ版である。
未完成の完成部分、第1楽章、第2楽章の再現度は高く、感動的である。
映画「未完成交響楽」でシューベルトが恋人に未完成をピアノで弾いている場面があり、
ピアノの音がだんだん交響曲に代わっていくという工夫がなされていたのを思い出す。
映画を見ていたときはそんなあほな、と思ったが、過去の作曲家はオーケストラ実演に恵まれず
ピアノ版で披露したということは大いにあり得る。
第1楽章の激情とロマン、第2楽章の天国的安らぎ…。
第3楽章はシューベルト自身が残した現存するスケッチをもとに、演奏者アンソニー・
ゴールドストーンが補筆完成させている。
第4楽章は劇音楽ロザムンデの一部を使ってフリードリッヒ・ヘルマンがフィナーレとして
補筆したものを、ゴールドストーンがさらに加筆して完成させている。
第4楽章にロザムンデの一部を使うのはネヴィル・マリナーの交響曲版で聞いたことがある。
多くの人が、シューベルトは同じメロディを転用したのではないかと想像してきた。
この全4楽章の「未完成」のピアノ版が、実によくできている。
遂に、シューベルトが未完成を最後まで弾き切った、と感慨もひとしおである。

幻の未完の曲の完成を夢見ることができる幸せ
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