六本木。東京ミッドタウンにある、フジフィルム・スクエアを訪問します。
写真好き・撮影好きも講じて、ちょっと気になる個展を年間を通じて行われているんで、その都度行っちゃいます。
フジフィルムのショールームとしてカメラ・撮影機材から写真にかかわる博物館的なもの、そしてフジフィルムの技術からの化粧品に至るまでが集められており
その一角に写真にかかわる個展が開かれるスペースが設けられています。
今回はフジフィルム創立90周年記念コレクション展として、「フジフィルム・フォトコレクションⅡ 世界の20世紀写真 人を撮る」と題しての写真企画展が行われています。
写真撮影の原点ともいうべき「人物写真」をテーマに、海外写真家による20世紀初頭からの作品を一同に集められています。
もともとショールームの一画で規模が小さいものですから、有名無名すべてではありませんが、なかなか魅力ある人物写真から日常のさりげない人間模様までが作品として展示されており
こういった作品群を気ままに気楽に触れられるスペースとして、興味があって思い立ったら見にいける(入場無料です)・・・フジフィルムスクエアは六本木にあるとても有意義なスポットです。
先日“写美”での「木村伊兵衛展」(2024-3-21投稿)に刺激を受けて、もう1展気になる写真展を鑑賞
建物遺産としてもシンボリックな東京駅構内に併設されている「東京ステーションギャラリー」(「竹久夢二展」「春陽会展」以来です)
アクセスよくて、ちょっと時間が空いた時に、なかなか興味がわく企画展が随時行われています。
「安井仲治 生誕120年僕の大切な写真」と題した、回顧写真展がおこなわれています。
大正から昭和初期にかけて日本近代写真史に大きく足跡を残した、安井仲治氏の200点以上の作品を集めた回顧展で、
作品の魅力とともに撮影技術、写真技術の足跡も見られ、後世・現代の写真技術・文化・写真家に大きくかかわり影響を与えた写真家のひとりです。
有名な美術家・写真家の作品展はある程度(にわか)知っているものですが、今回の作品展のように事前に知らない(不勉強)のカタチで訪問するのも
これまた新鮮で、自分のインスピレーションに驚きと発見、刺激を受けるものがあったりして有意義なものになります。
数々のモノクロ写真作品を見回ると、当時の世間情勢・市井の人々の暮らしぶりとともに、黎明期の写真・撮影技術の模索が感じられます。
「プロムオイル」「シュールレアリズム」「半静物」・・・。
それにしても前回の「木村伊兵衛」展と同様に「モノクロ写真」のインパクトというのは大きいですね、写実的な街中のスナップ写真もモノクロにするだけでグッと印象が変わります。
帰路に東京駅丸の内側をモノクロで・・・とても威厳あふれるものになりました。これからもどしどしと写真の魅力に取りつかれたいと思います。
桜がちょうど開花して大にぎわいの上野・上野公園を突っ切った所にある東京藝術大学、その構内に藝大美術館があってなかなか興味がわく魅力ある美術企画展が開かれています。
今回は・・・「大吉原展」
華やかな江戸文化のひとつであり、落語ファンとしてはおなじみの吉原の情景からして、とても興味がある企画です。
(「明烏」「お見立て」「三枚起請」「紺屋高尾」「幾代餅」・・・演目は多々あります)
そんな吉原ですが、落語の演目では知っていても実際はどうなの・・・?
江戸の文化と言える「吉原」を知る。落語をさらに掘り下げる意味でも知っておきたい。そんな「吉原」のすべてを・・・
吉原の位置づけ、名称から始まり、吉原の一日の流れ、しくみ、しきたりなどの解説、そしてそこで働く遊女の日常から生活ぶり、格付け、役割、遊女を取り巻く人々、ファッションまで
吉原の情景から情緒、人々の息づかいから雰囲気まで・・・もう「吉原」のすべてと言っていいほどの見ごたえあるものです。
知っているようで知らなかった江戸の文化、吉原の文化の一端をつぶさに観る事ができた「大吉原展」、とても有意義で魅力ある企画展でした。
ひさびさ横浜・そごう美術館でちょっときになる企画展が・・・
「今をえがく書 かながわ」展 -毎日書道展 第75回記念毎日現代書巡回展-
ふだんから「文字」「字」「書体」ってものにデザイン的な面から興味があり、生活の上でも外歩きする際も関心と興味をもって見るくらいです。
今回そごう美術館を訪問するきっかけも、駅などに張り出された「書」という文字。この「書」だけで魅かれるものがあってひさびさの横浜
・・・・・・・・・・・・・・・・うむぅぅぅぅぅぅ?
なんか雰囲気からして「場違い」の館内です。
「だれ、あんた」って感じのよそ者扱いみたいな空気感で、内輪でガヤガヤおしゃべりしている、その世界の集りの様相です。
自分みたいにデザインの観点から「字」「書」を見てしまうものからすると、「書」「書道」の世界はまったくの“異文化”“異世界”“異次元”です。
副題に「毎日書道展」とあるように、書道という世界にいる人たちの集まりみたいで、この“ひょろひょろとした”なんて書いてあるのかわからん句みたいなのが、ずらっと並んでいたり
うかがう前から期待していた“力強い”筆遣いの字体もあるけど、あまりにも突拍子すぎてなんかピンときません。(ただ眺めるだけ)
唯一救いは作品にかならずある「落款」「烙印」 その人独特の自由なものが多く、自分も1つ持っていますがこんな自由でいいんだぁ・・・ともうひとつ欲しくなっちゃったくらい。
でもでも、あとはなんか目を見張るものはないんで、そそくさと退館してしまいました。(これだけはもうどうしようもない)
「書」「書道」の世界は当然奥が深いもので、生半可な気持ちでは理解も解釈もできないものです。
安易な発想でこの美術展に出向いてしまったのはちょっと失礼だったかもしれませんが、こういうものが(こういう世界が)あるんだってことだけでも理解できればいいのかなぁ・・・と。
今回は「字」「書」という自分の持つ概念(デザイン)とは別もので、「書道という世界」の方々が集う展示会だったようです・・・まさしく「書」というキャッチコピーにつられただけの横浜・そごう美術館訪問でした。
中目黒の駅に近く、桜並木で一躍有名スポットになっている目黒川沿いにある美術館で
毎年桜の開花時期に合わせて「桜花賞展」が開催されています。
「桜・サクラ・さくら」をモチーフにした作品を公募して、郷さくら美術館で作品を鑑賞する事ができます。
桜ひとつとってもその描き方、手法、発想、発信、イマジネーション・・・など千差万別で、とにかくいろんな桜を見る事ができます。
まさしく「桜の季節」にぴったりの美術展です。
「木村伊兵衛 写真に生きる」展
没後50年、日本近代写真の巨匠、戦前から戦後まで写真史に大きな功績を残し、小型カメラ「ライカの名手」として知れ渡った、木村伊兵衛氏の回顧展です。
小型カメラ・ライカを手に時代背景・日常生活・人の営み・人の表情をスナップショットのカタチで写真を撮り続けた、アマチュア写真家からすれば“写真の神様”のような存在です。
時代の流れとともに、そこで生活する人々、生活の営み、さりげない表情・・・なんでもない情況・被写体でもモノクロ写真を通して訴えかけるものもあって、とても印象深い作品が多々あります。
偶然出くわすとかあるかも知れませんが、その一瞬というのは作ろうとしてもできないもので、そんなスナップショット逃さずライフワークとして撮り続けた執念というのも垣間見ることもできました。
“写美”の企画展を鑑賞するたびに思うのが、帰路に就く際街中で「自分もスナップ写真を撮りたい」という衝動に駆られることです。(けっして自分だけではないと思うのですが)
今回もそんな思いを抱きつつ街中に繰り出しました・・・。(つづく)
「青梅市 吉川英治記念館」
吉川英治氏が戦時中疎開転居した都下青梅の地に居を構え、戦後転居するまでこの地で執筆活動した家屋が残されており、現在「吉川英治記念館」として保存されています。
その氏の執筆活動・作品群の常設展示とともに、今回「生頼範義展 -吉川英治を描く-」と題しての企画展が行われているんで、「今度こそ行かなくちゃ…」でさっそく。
吉川英治氏の作品は「宮本武蔵」「三国志」「私本太平記」などがあり、とても興味ある群像劇を執筆されて、ほんといずれも興味津々な題材なんですが
正直長編で複雑な相関関係もあって、なかなか読み込めずに今日にいたっています。
そんな重厚な作品の装画・挿絵のイラストを描いているのが生頼範義氏の作品です。
武者・武将の綿密で繊細なイラスト画は、キャラクター本人の(創造ではあるが)感情・勢いをそのまま表した勇猛なものであり、作品の読者を読む前から興味を高めて作品の世界に引き込むような見事なものです。
自分も吉川作品は読み込んでいませんが、この武将たちの出で立ちを見るからに、作品自体にとても興味をおぼえてしまいます。
吉川英治氏の作品群に生頼範義氏の挿絵がみごとに作品をクローズアップさせる効果があったのは間違いありません。
帰館するころには「宮本武蔵」あたり読んでみるかなぁ・・・なんて“みごとに”思わされていました。
吉川英治氏の記念館は生い立ち・活動・作品群の紹介とともに、家屋・庭園の散策もできて、氏を知る上ではなかなかの充実ぶりでありました。
今回は中目黒にある郷さくら美術館を訪問
中目黒駅から桜で有名な(有名になった)目黒川のそばにある、日本画専門の美術館で、年間を通じてなかなか中身が濃い美術展が行われていて、日頃から要チェックしていたら、今回の「青」を見つけました。
「村居正之の世界 -歴史を刻む 悠久の青-」展
現代日本画壇を代表する氏の作品の中から、天然の岩絵の具をのなかでも群青色、独自の深みある青色を色使い・表現に使用した「ギリシャ・シリーズ」の作品群を一同に集めています。
文明遺跡、建築物と悠久の時を越えての「青」の世界を見る事ができます。
朝早かったんでまだ人が出ていない時間の園内をしばし歩くこと数分
目の前にきれいに整ったフランス式の庭園風広場にたどり着き、そこには象徴的なプラタナスの並木がすら~と立ち並ぶ光景が・・・
昨年11月紅葉の時期に一度眺めにきましたが(2023/11/29投稿)やはり思い出、印象深いのは葉も落ちての真冬の光景
・・・なんでふたたび今回訪園することに。
この風景を写真でおさめ、印象深いものにするのでモノクロ加工しておさめます。(この光景は2015/4/20にも訪園しており投稿しています)
ヨーロッパの映画の1シーンにでも出てきそうな、とても退廃的で印象深いプラタナスの並木(朝早かったんで、まだ入園者もいなくていい写真が撮れました)
なにかカラダの奥までヒュ~と冷たい空気が入ってココロが洗われるような心もちになります。
やはり真冬の光景がとても似合う、新宿御苑のプラタナスの並木道でした。