ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.2.2 ハーセプチン127回目、ナベルビン8クール2回目、ゾメタ48回目

2011-02-02 23:44:23 | 治療日記
 今朝は、休み中の息子がまったりしているのを横目に、どたばたと家を出た。それでも電車は遅れることなく順調で、予定通りの時間に病院に入った。今日は採血もレントゲンもなく、そのまま内科診察受付。15分ほど待ってすぐに診察室へと呼ばれた。
 先週一週間の状況をご報告。投与翌日からお腹の気持ち悪さ、ムカムカ感が強かったのでロキソニンに加えてナウゼリンを飲んだこと、火照りも2日ほどあったこと、週末にだるさがピークだったが、胸の痛みは特になかったことをお話した。
 予定通りフルコース治療のために処置室に入る。窓際の点滴椅子の最後の一つを確保。今日は開始してからおよそ4時間はかかるので、ランチタイムには間に合わないだろうと諦めて、売店で昼食を調達して部屋に戻った。
 今日も、針刺はさほど酷く痛むことなく終了。1時間ほど待って薬が届き、無事に開始した。ハーセプチン、デキサート、ナベルビン、生理食塩水、ゾメタ、生理食塩水の6本。
 順調に終了して、血圧測定後針を抜き、会計を済ませ、病院滞在時間は5時間半。やはり採血の待ち時間とその結果の待ち時間のあわせて1時間以上がなかったので、とても早かった。
 が、薬局が結構混んでおり30分待った。やはりとてもランチタイムには間に合わなかった。点滴椅子でランチを済ませて正解だったと思う。
 
 今日は3冊読んだ。
 1冊目は佐々木信夫さんの「都知事 権力と都政」(中公新書)。
 一応、自治体職員の端くれとして手に取った。著者は都庁勤務を経て、89年から私立大学の教授職にある。これまでにも「都庁―もうひとつの政府」等は読んでいた。帯には現在の知事を含め6名の知事の写真入りで、「首相より強い『権力者』4年の任期、1300万の都民、巨大な経済力を背景に、国家の一歩先を走ろうと試行錯誤してきた『支配者』の軌跡と実態」とあった。ああ、当時こんなこともあったなあ、とすっかり過去になってしまった諸々のことを懐かしく思い出しながら読んだ。とは言え、まだ現役なのだから、そんな感慨にふけっていてはいけないのだけれど。

 2冊目は内田樹さんの「一人では生きられないのも芸のうち」(文春文庫)。
 帯には「ウチダ先生に聞く、結婚のこと、家族のこと、仕事のこと 『自立』と『孤立』は違います!」とあった。「現代社会の危機に対する処方は、要するに「常識ある大人」の頭数をもう少し上積みすること、それだけです。」と裏表紙にあったが、なるほど本当にそうだ、と思う。少子化と家族解体、非正規雇用について、子どもに触れさせてはいけないものなど、盛りだくさんの内容。「自分のために働いてはいけないl’un pour l’autre」には唸った。長いけれど、以下引用する。「『求職するモチベーション』と『労働するモチベーション』は別のものである。『求職活動』はせいぜい一年間の有限の活動であり、その時参照するのは『自分と同じ学齢の競争相手』の就職状況だけである。けれども『労働活動』は20歳すぎから60歳過ぎまでの40年以上続く。労働において、その活動の成否や意味や価値についてあなたが『参照』できるような『ほかの条件がすべて同じであるような競争相手』はもう存在しない。最初の数年は『あの人よりは自分の方が高給だ』とか、『自分の仕事のほうが高い評価を得ている』というような同族間の比較がモチベーションを維持するかもしれない。だが、そのようなものはいずれどこかで消えてしまう。その後の長い時間は自分自身で自分の労働に意味を与えなければならない。けれども自分のために働く人間にはそれができない。私たちの労働の意味は『私たちの労働成果を享受している他者が存在する』という意味からしか引き出すことができないからである。」と。

 3冊目は酒井順子さんの「ひとくちの甘能」(角川文庫)。
 春夏秋冬ごとの和菓子・洋菓子と、上海、バンコク等の甘いもの紀行も含めた写真入り(お店の詳細データ入り)で目にも美味しく鮮やかな「甘いもの」エッセイ集。最近ではスイーツブームで和菓子も洋菓子も冷たいものも温かいものも、甘いものは全て「スイーツ」になってしまっているが、あとがきで「どうもスイーツと言われると自分の知っている『お菓子』や『おやつ』ではないもののような気がしてしまう・・・」と書いておられるのも頷ける。解説を第62代横綱大乃国・芝田山康さんが書いておられるもの興味深かった。読み終わって、甘いものが無性に食べたくなってしまった。

 夫が宴会で遅いため、塾から帰った息子と2人の夕食後、ロキソニンを飲んだ。既にお腹の気持ち悪さが始まっている。もう少し控えめに食べればよかったのかどうか・・・。

コメント (3)
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