ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.2.21 10年先を思い描いて生きる

2011-02-21 20:10:41 | 日記
 新聞社の医療・健康関係のネット記事を読んでいたら、日野原重明先生のコラムに目がとまった。
 ご存知のとおり聖路加国際病院理事長、名誉院長でおられる先生は1911年生まれ。今年100歳を迎えられる。小学校で「いのちの授業」もされており、息子に読んで欲しくて「十歳のきみへ 九十五歳のわたしから」(冨山房インターナショナル 2006.4)などの本を買ったこともあった。

 以下転載させて頂く。

 ※ ※ ※ ※(転載開始)

99歳  私の証 あるがまゝ行く
10年日記は人生の道しるべ(2011年2月21日)

 先月のこの欄で私は、「10年日記」を買ったことを書きました。以前は1年分のポケット日記を使っていましたが、現在使っているのは3年分書き込める日記と、この10年日記です。今回は、私が長期間の日記を愛用する理由について触れたいと思います。
 1年分の日記を書いていた私が、3年分書き込める日記帳をプレゼントされたのは20年前のことでした。
 3年日記はA4サイズです。2月10日のページの場合、最上段に最初の年の記入欄が印刷されており、その下段には次の年の欄があり、最下段には3年先の欄があります。1年以上先の講演や、大切な行事予定などを記入することにしました。
 「新老人の会」の全国35支部主催の講演会をはじめとし、私は1年間に170回もの講演をしています。全国各地の小学生に「いのちの授業」も実施しています。このようなスケジュールが2年先、3年先にも入って忙しくなるので、3年日記はいつも手提げかばんに入れるようになりました。
 一方、10年日記を頂いたのは2004年末です。「石原10年日記」という、石原出版社から発行されたものです。昨年末に購入した新しい10年日記には早速、2020年までの毎年の10月4日の欄に私の誕生日の行事予定を記入しました。
 こうすることで、10年先をつねに意識し、110歳までは現在と同じはつらつとした生活をしたいと強く思うようになりました。今までしていた週1回の徹夜はやめ、午前1時までだった原稿書きは0時までにして、就寝時は能率のよいうつむけ寝の姿勢を取ること、起きるのは午前6時半ということも決めました。
 この10年日記を使うたび、私は元気に生きるエネルギーをもらいます。私に講演を依頼する各種医学会などには、少なくとも3,4年後でなければスケジュールが取れないとも宣伝しています。この日記は、人生という長い階段を上るのを助ける、手すりのようなものなのです。読者の皆さんにも、年齢にかかわらず、長期間の日記を使って数年先の生活を設計しながら生きることをお勧めします。

 (転載終了)※ ※ ※ ※

 先日の「つぼみの会」で、「10年後にこうして皆と逢うのはちょっと難しいと思う。だからこそ、逢っておきたかった。」と、心の中を打ち明けた。その後、様々な話題が飛び交う中で、子どもの未来の彼女やら結婚の話等をしているのをちょっぴり辛い気持で聞いた。
 とりあえず一区切りとして、息子の成人式を目標にしているけれど、結婚までは頑張っても届かないだろうな、とぼんやり思っているから。

 が、私の倍を生きている先生が10年先のことをきちんと考えておられる。もちろん私なんぞと比較の対象にしては失礼なのだが、自分から人生に線を引くことはないのだ、と改めて元気を頂く。

 そう、人は生身だ。今、健康で元気な人だって、いつ不慮の事故にあわないとも限らない。勝手に自分であと何年・・・、などと思い悩むのは辞めよう、と思う。とは言うものの、自分の10年後の姿がなかなかリアルに描けないのは事実だ。けれど、そこで負けてしまってはおしまいだ。病気の思うツボには嵌りたくない。

 再発して3年。日々の生活と治療と仕事に追われ、本当にあっという間だった。そして患者会を通じて沢山の出会いがあった。また、ずっとご無沙汰していた旧友たちと旧交を温めることもできた。今日一日を前向きにケサラ ケサラ ケサラで生きていけば(先日観た「毎日かあさん」のエンディングのテーマソング・ケサラ~CHE SARA~の「今日の一日を前を向いて歩いてく」がとても心に染みた。)、次の3年もまたあっという間に過ぎるのかもしれない。

 だからこそ、繰り返しにはなるけれど日々を大切に、自分でやりたいことをやり、美味しいものを食べ、心を柔かくして、よく笑って、そして泣きたいときは無理に我慢しないで涙を流そう、と思う。そのひとつひとつがきっと私の生きる力に変わってくれることを信じて。転んでもただでは起きないぞ、と自分に言い聞かせながら。
 「あんなこと言ってたのに、まだ元気で生きているんじゃない!」と笑われるくらいまで。
コメント (3)
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