「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

アパートの名経営者達の意見はあまりにも異なる

2009-09-03 06:12:59 | アパート
今日はアパートを新築することについて某開発業者さんと話をすることになっている。これはその業者さんがこっそりメールで送ってくれた新規案件の広告4枚をプリントアウトしたものだ。



さっきから眺めているのだが、どうもよくわからない。プレゼンテーション資料とは、私のような素人が見ても十分理解出来るように作ってみて、さらにそれを業者さん自らよくチェックしてから送付してもらいたいものである。アパート開発業者さんの営業第一ステップにおける標準的な資料の作り方はこんな感じらしい。それぞれのインダストリー・セクターにはそれぞれの「常識」がある。今のところこちら、つまり素人である私が研鑽を積んで、先方に合わせるより仕方がないようだ。



ところで、アパート経営者達の意見はどうしてこうも異なるのだろう。上の画像は私が大好きな加藤ひろゆき氏の著書である。とにかく格安のチョー古いアパート、戸建て、ビルを叩いて叩いて安く購入するという、彼自身のの賃貸経営体験を語る楽しい本である。彼は新築など興味がない。不動産広告にありそうな相当古い建物で、万円単位で3ケタの不動産を買ってそれなりの家賃を得れば、表面利回りは年何十パーセントにもなる。管理会社にまかせず、リフォームや入居者募集広告や問題入居者との交渉も多くを自分でする。そういう投資だから、結果は痛快である。私もそうだが、彼のファンは多い。



一方大谷義武氏は大手不動産ディベロッパー出身だけあって、インテリ・インべスター的アプローチをとる。かなりの収入がある人が、かなり立派な物件を、借入も駆使しながら何億円という単位で買わないと儲からないが如くの議論を展開する。垂涎の不動産物件投資である。こうなりたいものだ。大谷氏は加藤氏が投資するようなボロ物件とは無縁な投資家である。不思議なことに両氏ともそれぞれの投資手法で成功している。



大長伸吉氏はまた違う。サラリーマンが安い土地を買って、そこにファミリー向けのアパート物件を新築することを勧めている。彼が言うには・・・ワンルームの入居者の中には常識無視、法律無視な者が多くトラブルが絶えないが、その点子供もいるようなファミリー層は世間体もあり、そう無茶はしにくい。さらにお金もある程度はある。加えて新築はメンテの心配が少ない。一方いい加減なチェックで中古を買うとリフォームの代金だけで、数年分の家賃収入が吹っ飛ぶ。

だから大長氏はファミリー向け新築物件の信奉者なのである。そして彼もまたサラリーマン大家として大成した。

面白いねぇ。皆ずいぶん俗っぽい。「儲かりまっせ、へっへっへ」みたいな本ばかりだ。私が読んだ賃貸ノウハウ本は、もちろんこれだけではない。他の分野では、マンション区分所有を勧める本を一番多く読んだと思う。

株式債券の資産運用指南書や、どういう家(自宅)を建てるべきかというノウハウ本同様、誰もがアパート経営にそれなりの哲学を持っていて、それぞれに成功して書いているので、どれが正しくどれが間違いであるなどとは言えない。物事なんでもそうだ。どんなやり方も必ずそれで成功した人が存在するのである。ただし忘れてはならないが、それと同じようなやり方で失敗した人が多数存在している。どの分野でも成功するにはかなりの努力と運の両方が必要なのである。



先に紹介した「ボロ物件」専門の加藤ひろゆき氏の最初の著書がこれである。読んだ人誰もが喜んでしまう本だ。

十人十色。何がベストな投資スタイルなのか、さっぱりわからないアパート経営手法。



同じ「ボロ物件」なら、私はこういうのを仕事にしたいと思う。柳本正人著「英国十九世紀のボロ家を別荘に変えた」(草思社)。しかしこちらは日本ではどうにもお金にならないようだ。せいぜい自分の趣味の世界である。残念。

木造家屋なら20年と少しで、税制上の減価償却のメリットは受けられなくなる。だから中古アパートの売り物は築後20年前後のモノが圧倒的に多い。それを越えた古い売り物はガクンと数が少なくなる。また建物の耐久性の無さもあり築30年を超える物件はほとんどないし、戦前あるいは19世紀建築の家など望むべくもない。だから本格的ボロ家を再生し、超一流の住宅として復活させるということを仕事にするのは、日本ではほとんど不可能だ。
コメント (8)
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