音楽の喜び フルートとともに

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須山知行先生

2009-03-07 21:34:31 | コンサート

実家の木瓜(ぼけ)の花、このピンクと白の混じり具合、こじんまり丸まった花びらが私のツボみたい。とってもかわいく思えてしまいます。

3月15日に「春の海」を京田辺の地域のコンサートで母と合奏します。その練習。親子だと、言いたいことを言ってしまうので、練習しながら、気分悪くなったり、怒ったり。でも、音楽については、母は腹が立っても私の言うことを聴いた方が良いと思っているのか、結構、聴いてくれます。若い頃は親子喧嘩になったけれど、最近はそれほどでも。私の言い方も少し変ったのかもしれないです。

母から須山知行先生の訃報を聴きました。
2月17日90歳。老衰だそうです。
私が、初めて須山先生の演奏を聴いたのは、私が幼稚園の時だったでしょうか。フェスティバルホールで門下の方たちと毎年コンサートを開いておられて、母と祖母も出演。子どもには長い長い演奏会で、ボックス席の周りでいとこ達とかくれんぼしたり、三階席に上がったり、一階の一番前まで行って、連れ戻されたり。

宮城道雄に直に教えを受けた方で、やはり盲目でした。
母の先生ということもあって、小さな頃から演奏会に連れて行かれては「ご挨拶しなさい。」と言われました。そばに行くと、大人達が緊張して接しているのを感じていました。
「こんにちわ。」とか「さようなら。」とか言うと、見えない眼をくしゃくしゃにして「はい、さようなら」とか言って下さいました。私は「何でこの人にだけ挨拶しないといけないんだろう?面倒くさいなぁ。」なんて思っていました。

すごいと思ったのは、中学生の頃、「春の海」を毎年弾いていらしたんだと思いますが、その年の演奏はすごかった。その集中力、尺八とのアンサンブル。美しさに全身に鳥肌がたちました。
すごい人だったんだとその時思いました。
毎年遠目で見て、挨拶するだけの人でしたが、高校生の頃、学生のお弟子さんが「清水楽」を演奏されるので、フルートを尺八の変わりに演奏するように。と母が頼まれてきました。
私は、守口のお宅まで行って練習
しました。
お弟子さんたちにはとても厳しい先生だと聴いていたので、演奏し終わって、なにを言われるかと構えていると、「良い音ですね、がんばってください。」と優しく笑って言われました。

2年ほど、音大の教授になられるまで、使っていただきましたが、その頃の私は怖れを知らなかったなぁ。

私の中では「春の海」はあの時の演奏が、最高です。お弟子である母と、あの演奏を聴いた私がどれだけ伝えられるか?より質の高い演奏ができるように、二人で、限界に挑戦したいと思います。

須山知行先生のご冥福をお祈りいたします。