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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2018年4月に読んだ本まとめ

2018年05月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2018年4月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4713ページ
ナイス数:1102ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■残るは食欲 (新潮文庫)
可笑しくて忘れられない阿川さんのクリームブリュレの話があります。レストランでデザートに出たそれがあまりに美味しく、器を舐めまわす勢いでいたら、「お気に召したようですので」とおかわりを持ってこられて物凄く恥ずかしかったと。そんな食いしん坊でも、眠気と空腹ならば眠気が勝つとこ、私と同じ。空腹の時にこそ至福を感じます。料理のレシピ本ではないにもかかわらず、どれもつくってみたくなること必至。それにしても今になってご結婚とは。お父様の助言どおり「顔はどうでもいいから味のわかる奴」だなんてことはないですよねぇ(笑)。
読了日:04月01日 著者:阿川 佐和子
https://bookmeter.com/books/6485517

■憑き御寮 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
虜になっています、このシリーズ。1作目はそこそこ、2作目で魂を射貫かれ、そして3作目。広告代理店勤務の春菜が今回担当するのは、博物館として公開されている屋敷における展示。職人が変死して、はい、イケメン曳き屋・仙龍の出番です。夜中に読むとちょっとビビる。アウトドアだった2作目に対し、この3作目は怨念こもるインドアだからか。しかしこのシリーズは不必要に意味深なオチなどはないので、安心して読めます。おどろおどろしいのに明るいキャラの登場人物が多くて楽しいんだなぁ。春菜ちゃん頑張れ。仙龍さん、イヤやで、死んだら。
読了日:04月03日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/12544541

■閉店屋五郎 (文春文庫 は 52-1)
閉店と一口に言ってもその理由は多様。さまざまな閉店予定の店から備品一式を買い取って販売する中古屋の五郎が主人公。人の好い彼は、事情を知ると助け船を出さずにいられない。どの話も人情に厚くてほろりと来るけれど、男性ウケのほうが良いと思われます。だって五郎は食べ過ぎ飲み過ぎ、100キロ超の巨漢。そんな風貌でも(失礼)、タイプの女性と見るや鼻の下を伸ばし、相手も自分のことが好きにちがいないと思ったりする。多分にオッサンの妄想気味なところがあるのです。こんなこと言うと、男心のわからん奴と言われるんだろうなぁ(笑)。
読了日:04月05日 著者:原 宏一
https://bookmeter.com/books/12221983

■こわれもの (徳間文庫)
コアなファンを持つ漫画を連載中だった主人公・陣内が、婚約者を失ったショックで、自分の漫画の女性キャラを作中で殺す。あまりにあっけない消され方にファン激怒。著者はカニバリズム等社会でタブー視されているものを多く扱う人とのこと。その点では、本作の登場人物には狂った人が多いものの、禁忌というほどのものはないから、私の初読みにはちょうどよかったかもしれません。しかし同人誌なるものを見たことのない状態でこれを読むと、オタク文化に対する偏見を持ってしまいそう。非常に嫌な話だけど、面白いことは面白くて困ります(^^;。
読了日:04月08日 著者:浦賀 和宏
https://bookmeter.com/books/6764151

■腐葉土 (集英社文庫)
文庫書き下ろしってどれもそこそこ止まりだと思っていたのに、これは違う。まず単行本で刊行されなかったことが惜しまれる。殺害されたのは、戦後の闇市で成り上がった女性。唯一の法定相続人は孫。ところがもう一人、孫だと名乗り出る。関東大震災と東京大空襲の下、たった一人で生き抜いた女性の凄絶な過去。フリー記者、大手新聞社デスク、テレビ局ニュース制作班の取材の進め方に引き込まれます。誰かの生涯の一点と交差した人間としての誠意、それを見せてくれる記者たち。ラスト200頁はどうにも止まらず、帯の「怒涛の急展開」に偽りなし。
読了日:04月11日 著者:望月 諒子
https://bookmeter.com/books/6636847

■あきない世傳 金と銀(五) 転流篇 (時代小説文庫)
大坂天満の呉服屋、四代目のもとへ十四で嫁ぎ、ぼんくらの四代目が急逝して五代目の嫁となったと思ったら、商才に富むはずの五代目はそれ以上に商売上手の嫁に嫉妬して隠居、まさかの六代目の嫁となり、多くの読者を苦笑いさせながらものめり込ませて第5巻。どこか天然なところも持ち合わせる幸は、周囲の人の気持ちを高揚させます。商売敵になんぼ「いけず」されようとも、幸のそばにいる人は揃いも揃って善人。裏切り者など出ることなく、五十鈴屋を盛り立てる。しかしお願いだから、六代目まで……ということにしないでね。もう兄弟おらんから。
読了日:04月13日 著者:髙田郁
https://bookmeter.com/books/12679202

■その犬の歩むところ (文春文庫)
犬より猫派なのに、去年は本も映画も犬に泣かされ、今年もそれが続きそう。各節の冒頭部分がとっつきにくく、読むのに難儀しそうな気配。訳者のあとがきから読めば、それも払拭されます。一匹の犬ギヴをめぐる物語。訳者が言うように、著者は犬をまったく擬人化しません。犬の気持ちを推し量ったりしなくても、その行動をそのまま記せば、それだけで何もかもわかるのだというように。やはり犬ものの『容疑者』に比べると、私にはやや没頭しにくい文体ではありましたが、それでも泣く。犬好きにはたまらないはずだと言うけれど、猫好きでもたまらん。
読了日:04月15日 著者:ボストン テラン
https://bookmeter.com/books/11767945

■輝跡 (文春文庫)
趣味は何かと聞かれたら、映画鑑賞、読書、野球観戦と即答します。だから、映画や本の野球ものは一度に二つ楽しめて、評価が甘めになります。しかし野球ものだと思って手を出したから、試合等のシーンがほぼないことに愕然。一選手と巡りあった女性たちの視点から描かれているのは面白いけれど、彼女たちがなんとなく上から目線な気もして、ちょっと乗れず。これなら野球選手でなくてもええやん。でも、ほかの職業を考えてみると思い当たらん。この物語にはドラフトが必要だから。そんなわけで(どんなわけよ(笑))、次は本城雅人を読みたいです。
読了日:04月18日 著者:柴田 よしき
https://bookmeter.com/books/12552890

■リセット (双葉文庫)
美人、優等生、不良。当時は重なる要素のなかった3人が、高校時代に突然タイムスリップ。見た目は高校生でも中身はオバハンだから妙に冷静(笑)。女性は共感できるところ多数かと。特に家族の誰かに不満を募らせている人なら、拍手喝采を送りたいシーンがたぶんてんこ盛り。小気味よい話ではあるけれど、「中年女性は黙っていると不機嫌に見える、顔のたるみとともに口角が下がってきているから」とか、その年齢にはかなり耳が痛かったりもして。同様の悩みを持つ人が前向きになれる話を書きたいという著者。これからもその路線でお願いします。
読了日:04月20日 著者:垣谷 美雨
https://bookmeter.com/books/1890784

■夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
真冬に春期限定を読みました。そろそろ夏期限定、行っときます。小市民であることを心がける高校生、小鳩くんと小佐内さん。小鳩くん目線で語られるから、彼の心の内は見せてもらえるけれど、小佐内さんが何を考えているのかは想像もつきません。春期と同じく、ニヤニヤしながらちょっとした謎を楽しむ。しかし中盤以降は一転して驚くほどサスペンスフルな展開に。「これではほとんど男女交際」だったふたりなのに、別れ話になる始末。秋期以降はどうなっちゃうの。「泣き言は、穴掘って叫んで埋めとくのが一番」、健吾のこの台詞がなんか好きです。
読了日:04月21日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/580072

■日本の路地を旅する (文春文庫)
中学時代、「促進学級」の存在により、被差別を知りました。主要教科の授業を別室で先生と1対1で受けていたのは地区の子ども。路地とは、中上健次が被差別を表した言葉。本書の著者も被差別出身で、路地を巡る旅を続けています。路地出身だということを堕落の免罪符にしないという意志が見て取れる。著者自身は差別を受けたことがないというものの、「生まれた環境を嘆くよりもどう生きるかが重要」、これが路地出身者以外から発せられたら、何もわかっていないくせにとなるでしょう。淡々と書かれているだけに、心を揺るがす本。
読了日:04月25日 著者:上原 善広
https://bookmeter.com/books/4926167

■回転ドアは、順番に (ちくま文庫)
穂村さんと東さん、この歌人ふたりの本ならばと手に取りました。「読書中あなたは自由に恋をする」とあります。が、いかに私が凡庸なアタマの持ち主かを思い知らされました。自由に恋をするどころか、お酒を片手に読んだらば、まるで哲学書を読んでいるかのよう(笑)。私が短歌など詠もうものなら、『プレバト!!』の夏井いつき先生にクソミソに言われること間違いなし。酔っぱらっていても30分で読めます。しかし恋は酔っぱらいながらチャッチャとするものじゃないのだわ、きっと。素面のときにじっくり読み返して、私もこの世界にハマりたい。
読了日:04月26日 著者:穂村 弘,東 直子
https://bookmeter.com/books/572642

■ラプラスの魔女 (角川文庫)
300キロ離れた2つの温泉地で男性2人が死亡。事故か事件か。まもなく公開の映画版では、調査に出向く研究者に櫻井くん。謎の力を持つ少女にすずちゃん、青年に福士くん。何かを起こす力ではなく、何が起きるかを予知する力。実際にはあり得ない話ならば徹底的にファンタジーのほうが好みです。だから、好みかと言われるとビミョーだけれども、きっとそこが問題ではないのですね。東野圭吾を読めばいつも感じること、科学の力は使う人によって良くも悪くもなるんだって。夜ふかしするつもりはなかったのに、読み終わるまで眠れない。さすがです。
読了日:04月28日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/12581318

■頼むから、ほっといてくれ (幻冬舎文庫)
先日の『水曜日のダウンタウン』で、「どんなマイナースポーツも一度は漫画化されてる説」を検証していました。本はどうなんでしょ。本作はトランポリンで五輪出場を目指す男子5人と、その関係者各々の目線で。興味の薄いスポーツだったのに、次からは確実にトランポリンに目が釘付け。同じ競技をしていても、背負っているものが違うのだから、速度が違うのは当然、だけどいつか目的地にたどり着ければそれでいい、そんな言葉にうなずく。夢はあったほうがいい。あ、しりとりで「レモンの皮」とか「うどんのつゆ」とか言うのは反則やと思う(笑)。
読了日:04月30日 著者:桂 望実
https://bookmeter.com/books/10029617

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