夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

2018年05月06日 | 映画(さ行)
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(原題:The Square)
監督:リューベン・オストルンド
出演:クレス・バング,エリザベス・モス,ドミニク・ウェスト,テリー・ノタリー他

シネマート心斎橋で3本観たあと、へろへろやなぁと思いつつも、
オンライン予約済みだった本作を観るため、梅田へ向かう。
19時前でしたが、梅田スカイビルは空中庭園へ行く外国人観光客でいっぱい。
それを横目で見ながらシネ・リーブル梅田へ。

数カ月前からマナームービーにも用いられていた本作。
『フレンチアルプスで起きたこと』(2014)のリューベン・オストルンド監督による、
スウェーデン/ドイツ/フランス/デンマーク作品です。
第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、
最高賞であるパルムドールを受賞しました。
う~ん、やっぱりカンヌ受賞作品って、一般的には人に薦めにくい(笑)。

バツイチ、イケメンでセクシーな中年男クリスティアンは、
主として現代アートを展示する有名美術館のチーフ・キュレーター
次の展覧会のテーマとして「思いやり」を掲げ、
それを形にしたインスタレーション(空間をアート作品として表現するもの)、
“ザ・スクエア”を発表。四角く囲まれたそのゾーンは、思いやりの聖域。
そこでは誰もが思いやりを持たなければならないと。

そんなある日、クリスティアンはスマホと財布を掏られてしまう。
GPSのおかげでスマホの在処を知ったクリスティアンは、
部下のアドバイスにより、GPSが示すマンション全戸にあるメモを配布。
その案が功を奏してすべて返ってくるのだが……。

思いやりの聖域なんてものを創った人が、
思いやりのまったく感じられない行動に走ってしまったがゆえに起きたことなのでしょうが、
クリスティアンの取った行動は有効に思えます。私でもそうしたいかも。(^^;

盗難とは別の騒動もいろいろ勃発するわけですが、
ここに登場する人たちみんなそんなに変なわけでもない。
モンキーマンは別として(笑)。
そんなに変なわけでもないんだけれど、どこか変。
メモに対する少年の抗議はもっともで、でも怖いし、
寝た相手が使用済みのコンドームを欲しがったり、
展示品の砂山のまわりを掃除するのにそれって……などなど。
街頭で署名だか募金だかを求める人の後ろに物乞いがいたりとか、
えっ、それでいいのかという光景があちこちに。

上映時間151分、私のアタマはもたないんじゃないかと懸念していましたが、
そんなちょっぴり変なところが可笑しいといえば可笑しくて、
妙なリズムで最後まで見せられてしまった感じです。

現代アートの展示の難しさだとか、物乞いの多さ、また物乞いの仕方に驚き、
スウェーデンってこんな国なのかと興味は惹かれました。
だけどやっぱり、周囲の人には観ることを勧めません。
これを良い映画だったと思う感性は私には無し。
なのに鑑賞後1週間経つ今日もまだ頭からこびりついて離れないのは何なんでしょ。

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