夜な夜なシネマ

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『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

2018年05月13日 | 映画(あ行)
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(原題:I, Tonya)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:マーゴット・ロビー,セバスチャン・スタン,ジュリアンヌ・ニコルソン,
   ボビー・カナヴェイル,アリソン・ジャネイ,ポール・ウォルター・ハウザー他

『ラプラスの魔女』はTOHOシネマズ梅田のいちばん大きなシアター1で上映。
その次に観た本作は小さめ&歪な形のシアター5にて。

フィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの名前は、
私と同世代の人なら誰でも知っているかと思います。
衝撃的だったナンシー・ケリガン襲撃事件。
その事件を引き起こしたトーニャの半生をクレイグ・ギレスピー監督が映画化。
なんかもう悲しいようなアホくさいような、やるせない思いです。

トーニャ・ハーディング、1970年生まれ。
離婚と再婚を繰り返す母親ラヴォナは、ヘヴィースモーカーのウェイトレス。
スケートに強い興味を示すトーニャをリンクに連れて行くと、
コーチのダイアン・ローリンソンになかば無理やり引き渡す。
「こんな小さな子には教えられない」とダイアンは断ろうとするが、
滑りはじめたトーニャを見ると、その才能を認めざるを得なかった。

高い身体能力を持つトーニャは、大会で次々と表彰台に立つ。
1990年にジェフ・ギルーリーと結婚。
翌年の全米選手権でトリプルアクセルを成功させて優勝。
トーニャの人気は高まり、それまで耐えていたジェフのDVに嫌気が差して離婚。
しかし未練たっぷりのジェフはトーニャにまとわりつく。

ラヴォナやジェフへの怒りが演技にいい影響を与えていると感じたトーニャは、
オリンピック出場を果たすまでの間のみ、ジェフとよりを戻すことに。

そんなある日、リンクに立とうとするトーニャに脅迫状が届く。
ジェフと、トーニャのボディガード、ショーンは、
トーニャのライバル、ナンシー・ケリガンを同じ目に遭わせてやろうと考える。
ジェフとショーンの案に、トーニャは脅迫状を送りつけるぐらいならと返事をするが、
ショーンは人を雇って襲撃することを画策し……。

貧しい家庭に生まれ、横暴な母親に育てられ、
じゅうぶんな教育を受けなかったトーニャ。
映画で描かれているのがどこまで真実なのかはわかりませんが、あまりに不憫。
育ちのよくない彼女は、品がないからと審査員たちにも嫌われる。
ライバルたちが着ているような可愛い衣装を買えないから、
自分で懸命に衣装を縫ったなら、それも馬鹿にされてしまうのです。

ラヴォナ役を絶賛されたアリソン・ジャネイ
こりゃもう本当に酷い母親。
終盤、それでもやはり母親だったと泣かされたのに。
私もトーニャ同様、まんまと騙されていました。(^^;

生まれた家庭がちがったら、時代がちがったら、出会う男がちがったら。
いろいろ考えさせられます。
スケートしかない人からスケートを取り上げる。それでよかったのか。
映画同様、それでも前向きに生きているのなら、いいなぁ。

彼女、ZZトップの曲で滑ったりしていたんですねぇ。
コーチから“No Metal.”と言われていましたけれど、
羽生結弦くんが使ったあの“パリの散歩道”のゲイリー・ムーアだって、
もともとはヘヴィメタの人なのにね。

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