電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

コメントもTBも適量があるのかもしれない

2005年10月10日 11時19分56秒 | ブログ運営
なんでも今年大流行したものの筆頭がブログだそうで、ランキングの上位に来るようなブログだと、3桁~4桁のコメントやTBが付くこともあるのだとか。
私のささやかなWeblogでさえ、「蝉しぐれ」関連では二桁のコメントやトラックバックをいただいた。ありがたい反面、休日でもなければとても丁寧な対応などできないこともわかった。ましてや、一つの記事で3桁や4桁のコメントやトラックバックが付くようなブログでは、いちいち読んで対応していたら生活が破壊されてしまうだろう。結局、芸能人のように、専属のスタッフを付けられるような立場でないと、こうしたブログは維持できないということだ。果たして本人の返答なのか、影のライター氏の文章なのかわからない。こういう状況は、楽しいんだろうか。それとも、仕事の一つになってしまうんだろうか。

それなりに時間をかけて書いた記事に、全然反応がないのもさびしいものだが、反応がありすぎるのも困る。コメントもトラックバックも、適量があるのだろう。トップページに「最新のコメント」や「最新のトラックバック」で全部表示できる程度に反応があるのが、どうやら一般人には上限のような気がする。

写真は、今年ずっと咲いてくれたサフィニアの花。秋が深まり、もう花も終わりだ。
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ヤナーチェク「シンフォニエッタ」を聞く

2005年10月10日 09時42分38秒 | -オーケストラ
昨日の披露宴の疲れもあり、今朝はゆっくり起きて、コーヒーをいれてヤナーチェクの「シンフォニエッタ」を聞く。この曲、出だしのファンファーレがたいへん印象的だ。
最初に聞いたのは、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」に添付されたボーナスLPだった。「セル/クリーヴランド芸術の全て」と題されたこのレコードには、ずいぶん影響を受けた。その一つが、この曲を知ったことだろう。セル/クリーヴランド管の演奏は、「野蛮な」とまでは言わないまでも、炸裂するような威嚇的な表情を持ったファンファーレだ。多分、体育大会の幕開けなどには、こういう緊迫感を持った演奏がよく似合うだろうと思う。人をびっくりさせることのすきなセルがにやりと笑うさまが見えるようだ。

一方で、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコフィルの演奏(デンオン COCO-70411)は、セル/クリーヴランド管と対比して、ずっと丸みのある響きで、自宅でゆっくりと聞くにはこころよいものだ。
曲は全5楽章からなる。
第1楽章、アレグロ、ファンファーレで開始される。こんな音楽的なファンファーレで始まる体育大会なら、芸能スポーツ分野にはとんと関心がない私も、見てみたい気がする。
第2楽章、アンダンテという指示はあるが、せわしない祭囃子を思わせる軽快な開始から、金管楽器が開放的に響く。
第3楽章、モデラート、美しい弦楽器群の中で、大型の金管楽器が重々しく響き、木管楽器が速いパッセージに妙技を見せ、合奏では輝かしい響きを堪能できる。
第4楽章、トランペットが軽やかにリズミカルに導く短い印象的な音楽。
第5楽章、アンダンテ・コン・モト、アレグレット。のどかな木管と対比されるザワザワいう表現が印象的。再びファンファーレが回帰して、盛大に盛り上がる。

ノイマン盤の平林直哉氏の解説によれば、ヤナーチェクはずいぶんエキセントリックなところのある人だったようだ。若い頃に、オルガン学校の校長の演奏を率直に批評して学校を追い出されそうになったとか、コンクールでヴァイオリン・ソナタを酷評され、審査委員長宛に激しい抗議文をたたきつけたとか、そのへんは芸術家としてある程度理解できるような気がするけれど、15歳の少女と結婚して2女が生まれたとき、男の子を希望していた彼は大きく落胆したとか。いくらなんでも、妻が2年間も実家に引きこもってしまうほど、男の子願望をあからさまにするのはヘンだろう。少なくとも、命がけで子どもを産む女性に対する成熟した大人の態度ではないと思う。
この曲についても、作曲当時61歳だったが、23歳の若い女性と親密な交際をしていて、公園でデートの途中にひらめいたのだとか。やっぱりヤナーチェクは、常識でははかれないヘンな人だ。だが、生まれた音楽は素晴らしい。美しい響きと活力に満ち、聞き終わった後にこころよい充実感が残る。本当に素晴らしい音楽だと思う。

たしか、ラファエル・クーベリックが指揮した「シンフォニエッタ」も、響きがよく整えられており、好きな演奏だったという記憶があるが、エアチェックしたテープはもうどこかへ行ってしまったようだ。

参考までに、演奏データを示す。
■ノイマン/チェコフィル盤
I=2'14" II=5'36" III=5'01" IV=2'55" V=7'07" total=22'43"
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