電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聞く

2005年10月30日 20時30分16秒 | -協奏曲
昨日購入してきたCDをいろいろ聞く。特に、セル/ロンドン響のチャイコフスキーの交響曲第4番とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。セルのチャイコフスキーについては、後にじっくり取り上げることにして、今日はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のほうを。
この曲、言わずと知れたヴァイオリン協奏曲の名曲なわけで、人気も非常に高いようだ。先にご紹介した「ユング君~」のサイトでも、ヴァイオリン協奏曲の人気投票で、チャイコフスキー、ブラームス、ベートーヴェン、シベリウスについで第5位に入っている(*)。
私も、この曲を愛することは人後に落ちないと思うが、そのきっかけは実に簡単な話だ。まだ高校生の頃だと思うが、コンサートホール・ソサエティというレコードクラブがあって、入会するとどれかLPをプレゼントするという。その入会プレゼントでいただいたのが、リカルド・オドノポゾフ(Vn)、ジャンフランコ・リヴォリ指揮ジュネーヴ放送交響楽団の演奏する、メンデルスゾーンとパガニーニの第1番のLP(*2)で、たしかB面のメンデルスゾーンにとくに魅了された、というわけだ。
その後、このLPはだれかにあげてしまったようで手許に残っていないが、CDでズーカーマン(Vnと指揮)、セントポール室内管弦楽団による演奏(Philips 412 212-2)、ルッジェーロ・リッチ(Vn)、ピエロ・ガンバ指揮ロンドン交響楽団による演奏(デッカ、UCCD-7059)を楽しみ、そして今回取り上げるのが、ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、アントーニ・ロス=マルバ指揮オランダ室内管弦楽団による演奏(デンオン、GES-9239)である。
カントロフの演奏、第1楽章でわずかな前奏のあとすぐにヴァイオリンソロが第1主題を歌い始め、オーケストラが後に続く。この出だしの部分は、とても印象的だ。第2主題も幸福感に満ちた優しい音楽で、展開部を経てカデンツァに突入。ここは本当に魅力的。そこからはじめの第1主題がちょっと雰囲気を変えて木管に登場。バックをつとめるのは小編成の室内管弦楽団らしく、大オーケストラの迫力ある音響とは違うが、緊密でクライマックスもお見事。第2楽章を優しくゆったりと歌いながらよく透るヴァイオリンの美音を聞かせ、第3楽章では胸のすくような快速テンポで一気にかけぬける。これ、いい演奏ですね!それに、録音もいい。
一緒に収録されてのはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。これも、いい演奏だ。

参考までに、演奏データを示す。
■ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、アントーニ・ロス=マルバ指揮オランダ室内管弦楽団
I=12'28" II=8'43" III=6'03" total=27'14"
■ルッジェーロ・リッチ(Vn)、ピエロ・ガンバ指揮ロンドン交響楽団
I=12'55" II=7'35" III=6'12" total=26'32"
■ズーカーマン(Vnと指揮)、セントポール室内管弦楽団
I+II=21'19" III=6'47" total=28'06"

(*): 「クラシック音楽へのおさそい~ユング君のホームページ」から、過去のアンケートの結果
(*2): 安田さんのコンサートホール・ソサエティLP紹介のページ
コメント (4)