電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

なるほど、これは大河ドラマにはなりにくいなあ~DVDで「上杉鷹山」を観る

2014年03月06日 06時04分06秒 | 映画TVドラマ
以前から、大河ドラマに「上杉鷹山」が取り上げられないのはなぜか、不思議に思っておりました。ふだんテレビを見ないものですから、一度ドラマ化されたことも知らずにおりました。たまたま、某図書館で、1枚もののDVD「上杉鷹山」を見つけ、借りてきて観ました。

これは、童門冬二原作『小説 上杉鷹山』(*1,*2)をもとに単発のドラマにしたもので、それなりにおもしろく楽しんだのですが、いわゆるドラマ的な盛り上がりは「七家騒動」くらい。あとはむしろドキュメンタリー・ドラマ風に描かれ、見せ場には乏しいものと感じます。奥女中の解雇に伴う誤解や、恩師の細井平州を江戸から藩校・興譲館に迎える際のいきさつなど、それなりに原作に忠実にドラマ化されてはいるのですが、もともと原作が教訓的な性格の本ですので、さすがに大河ドラマにはなりにくいと感じます。

上杉鷹山を取り上げた作家としては、藤沢周平もいますが、もし、藤沢周平の病が悪化しなかったら、『漆の実のみのる国』(*3,4)に描かれた米沢藩の改革の姿が、特に下巻における展開が、もっとじっくりと描き出されていたのではないかと惜しまれます。そして、こちらを原作にして脚本が作られたら、もっと重厚なドラマになったのではないかと、どうしても思ってしまいます。

(*1):童門冬二『小説 上杉鷹山』(上)を読む~「電網郊外散歩道」2006年4月
(*2):童門冬二『小説 上杉鷹山』(下)を読む~「電網郊外散歩道」2006年4月
(*3):藤沢周平『漆の実のみのる国』(上巻)を読む~「電網交際散歩道」2005年8月
(*4):藤沢周平『漆の実のみのる国』(下巻)を読む~「電網交際散歩道」2005年8月

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